ようこそお茶の世界へ お茶の時間 #02
今月のお茶 「ジンジャー抹茶ラテ」
大きめのカップに抹茶、砂糖、ジンジャーパウダーを少しのお湯でかき混ぜて、温めたミルクをたっぷりそそぐ。手軽に作れる「これを飲んであったまろう。」な一杯。
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお茶しましょう。
トロントでお茶の仕事について何に驚いたって、抹茶が大人気ということ。その飲み方も十人十色で、ご存知ミルクたっぷりの抹茶ラテを筆頭に、並々とお湯を注いだアメリカーノ風、毎朝のスムージーには”抹茶ふりかけ”でパワーチャージ、カフェラテに混ぜるという人も。料理やお菓子作りに使う人は沢山いるし、抹茶ってトロントではすでに市民権を得ている感じ?しかし日本を訪れたことがある人や、特別日本が好きだという人は別として、残念ながら、抹茶本来の飲み方を知らないという人がほとんど。抹茶茶碗に抹茶をいれて茶筅でシャカシャカと目の前でお茶を点て、はいどーぞと差し出すと大抵の人は驚く。「このbowlのまま飲むの?」というところが、エキゾチックらしい。抹茶というのはですね、とそこからお客さんに説明するのが、何となく日本人として誇らしく思ってしまう瞬間。
その抹茶というのはですね、というお話しを。抹茶の原料はてん茶とよばれるもので、高級茶葉の玉露に製法が似ている。茶摘みの20日ほど前に、直射日光を遮るために覆いをかけることで、旨み成分の減少が抑えられ高品質の茶葉が出来上がる。そのように育てられたてん茶を、石臼で挽いたのものが抹茶。目にも鮮やかな緑が何とも美しいお茶だけど、カジュアルに抹茶を楽しむトロントの人達と違って、茶道という日本の伝統を持つ私達日本人には、抹茶に対する敷居が高い。でもお家でもっと気楽にお茶を点て味わっても良いのでは?毎日の生活に、ちょっと新しいことを加えてみるというのも新年ならでは。皆様の2016年が変化に富んだ楽しい一年になりますように。
Maya Racine
Tea Association of Canada公認のティーソムリエ。日本、ジャマイカ、フィリピン、スイス、イギリスと人種も文化もまったく異なる国での在住中は、旅行会社と航空会社に勤務。カナダはモントリオール、カルガリーでの生活の後、ついにトロントへ。何か新しいことを始めてみようと、お茶の世界へ飛び込んだ。お茶は楽し。