真田広之さん&石田 淡朗さんレッドカーペットインタビュー

The Railway Man 真田広之さん、石田 淡朗さんレッドカーペットインタビュー

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エリック・ロマークスの自叙伝、『泰緬鉄道 癒される時を求めて』を軸とした映画『The Railway Man』。第2次世界大戦中にシンガポールで日本軍に捉われたイギリス兵エリック・ロマークスがビルマとタイを結ぶ「死の鉄道」と呼ばれた過酷な建設工事に従事させられ、拷問などにより精神的ダメージを受け30年後にその拷問に立ち合った日本兵・ナガセと再会するという実話を元に描かれており、この映画の中で真田広之さんはナガセを、石田淡朗さんが真田さん演じるナガセの青年期を演じている。
この作品がトロント国際映画祭のガラ部門に出品され、9月6日にRoy Thomson Hallでワールドプレミアが行われた。会場へと続くレッドカーペットには主演のコリン・ファースやニコール・キッドマンたちとともに真田さんと石田さんも登場。TORJAではレッドカーペット上でお二人にインタビューを行った。


真田広之さん

ワールドプレミアを控え、今レッドカーペットを歩いているお気持ちは?

この映画は一年前に撮り終えたのですが、非常に楽しい、そして充実した現場だったのでその出来上がった作品を初めて今日お見せできるというので、感無量という感じですね。そして実際にこういうドラマをオーストラリアの俳優、イギリスの俳優、日本の俳優、そしてスタッフが力を合わせて作るという、この事こそが非常に大きな意味を持っていると思います。これがモデルケースとなって広がっていくとすごく嬉しいですね。
そして僕自身、脚本・原作を読むまで知らない事実がいっぱいありました。学校でも教わらない、家庭でも教えてもらえない事実があって。それを世の中に伝え語り継いでいき、二度とこういうことが起こらないようにしたいというこの映画のテーマを、素晴らしいキャストと一緒に伝えることができるというのは本当に感無量ですね。

撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

非常に重要な、デリケートなテーマを扱っているという責任感がありながら、それを理解したうえで集まっている仲間だからこそ、非常に楽しく、信頼感を持って、充実感を分かち合い撮影ができましたね。

実在の人物、またデリケートなテーマの映画ということで役作りが大変だったのではないかと思いますが、どのように役作りをなさったのでしょうか?
集められるだけの資料を集めて全て目を通しました。その上で、あまりリアルなことだけに囚われてもいけない、映画としてのエンターテインメント性もなくてはいけないということで、映画では原作と少しシチュエーションを変えています。原作では何十年後と、年老いてからの再会となるわけですが、コリン(コリン・ファース)と僕は同い年で原作よりも若い。その辺で、いかにして原作の持っている意味を伝えながら、世代を少し若くしたところで和解を成立させるかが非常に力技なわけですよね、脚本も演技も。そこが一番醍醐味でもあり、大変だったところでしょうね。

ハリウッドの地で活躍されている真田さんに多くの日本人が憧れを抱いています。多くのTORJA読者のように、海外で暮らしている日本人の方々に向けて、メッセージをお願いします。
僕自身、外に出れば出るほど日本の良さも分かるし、もっと学ばされます。日本人として求められものに応えるために、日本にいたとき以上に日本のことを学ぶし、恋しくなるし。ですから、その誇りを失わずにどこまで海外で通用するかというのが僕のテーマでもあります。みなさんの中にもきっとそういうお気持ちがあると思うので、どこにいても日本人の魂を失わず、外から学び、一緒に良い世界を作っていきましょうと伝えたいですね。

石田 淡朗さん

ワールドプレミアを控えての今のお気持ちは?

この映画は、できるだけ多くの人に観てもらいたい映画です。特に日本人の方々は、泰緬鉄道のことをほとんど知らないという人が多いんですよね。僕は10年前にロンドンに渡ったのですが、その時に初めて泰緬鉄道のことを人から聞いて、「え、何それ?」と思ったくらいで。やはり何があったか、歴史上どういうことがあったのかっていうのを学ぶことは、それが良い出来事だったのか悪い出来事だったのかを全く別にして、とても大事だと思うんですよね。その歴史を学んだうえで、どういう風に次のステップへと行くのか…。
ロンドンで生活をしていても、こういうことがあったということを知っていると仕事もやりやすいですし、本当に一対一で、心を開いた仕事ができるという部分があり、やはり「知る」という意味で日本人の方々にもぜひ観ていただきたい作品です。若い方も、お年を召した方にも。在外の方々には特に、日本人がどういう目で見られているのか、またどういう風に見る人たちがいるのかを知るっていうことはすごく大事なことだと思います。


真田 広之(さなだ ひろゆき)
1960年東京都生まれ。数々の日本映画に主演し、米国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品『たそがれ清兵衛』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。『ラストサムライ』(03)で本格的にハリウッドデビューし、一躍世界的に注目の的となり、その後続々とハリウッド大作映画・テレビドラマに出演する。99年にはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加し、『リア王』の道化役を演じて日本人俳優として初めて名誉大英勲章第五位(MBE)を授与されるなど、世界を舞台に活躍を続けている。

石田 淡朗(いしだ たんろう)
1987年東京都生まれ。ロンドンを拠点に活動する日本人俳優。狂言師・石田幸雄を父に持ち、日本国内公演や世界公演を行う狂言師として活躍していたが、2003年に渡英しロンドン随一のギルドホール音楽演劇学校演技学科を卒業し、ロンドンで2つの劇団(The Improsarios/Tea Leaf Thetre)を主宰・運営するなど、西洋と日本の演技を伝統的かつトップレベルの環境で習得している。