「東京レインボープライドパレード」25周年レポート|カナダで暮らす私たちが考える日本の『LGBTQ+』社会確立への提言|特集 カナダ「LGBTQ+」

カナダで暮らす私たちが考える日本の『LGBTQ+』社会確立への提言

 今年4月27日から5月6日、ゴールデンウィークの10日間にかけて、アジア最大級のLGBT関連の祭典「東京レインボープライドフェスティバル2019」が代々木公園イベント広場を中心に開催された。

 「東京レインボープライド」とは、性的少数者が差別や偏見にさらされずに生活できる社会の実現を目指した団体およびイベントである。1994年8月28日に日本初のゲイパレードの「第一回レズビアン&ゲイパレード」が開催されてから四半世紀。過去には、1996年に異議を申し立てる人々がステージを占拠する事件が発生し、イベントが中断されたことなどもあったが、今年の「東京レインボープライド」は圧倒的な開放感と多様性に寛容なムードのなか、大々的に開催された。

 開催された渋谷区は、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づき、同性カップルに「渋谷区パートナーシップ証明書」というパートナーの関係であることを証明するものを発行している。男女の人権の尊重と共に、性的少数者の人権を尊重する社会の形成を推進している渋谷区で 、東京レインボープライドは めでたく25周年を迎えた。

「私にはプライドがある―あるがままを誇ろう」、街中で見られた笑顔とハイタッチ

 「東京レインボープライド」は、「らしく、たのしく、ほこらしく」をモットーに、「性的指向および性自認(SOGI=SEXUAL ORIENTATION, GENDER IDENTITY)のいかんにかかわらず、すべての人が、より自分らしく誇りをもって前向きに楽しく生きていくことができる社会の実現をめざしている(公式ウェブサイトより)」。

 東京レインボープライドの今年のテーマは、力強く、シンプルな「私にはプライドがある―あるがままを誇ろう」だ。そのテーマに相応しい笑顔で行進する参加者達に、多くの者が沿道から「ハッピープライド!」という賛同の声掛けや拍手を送り、街中で見知らぬ人同士が笑顔でハイタッチする光景が見られた。参加者の中には子供連れの家族、外国人旅行者の姿も多く見え、イベントは始終暖かいムードに包まれていた。

過去最高の1万人超が参加 、会場には約20万人が訪れる

 今年は過去最高の1万人を超える人々がプライドパレードに参加し、虹色のグッズやカラフルな服を身に纏った参加者が思い思いの格好で渋谷区を練り歩いた。プライドパレードのフロート(梯団)の中には、「結婚の自由をすべての人に(Marriage For ALL)」、Google、日本IBM、台湾伴侶権益推動連盟&台湾レッドリボン基金会丸井グループ、「すべての大学に多様なセクシュアリティを」等を含む、昨年の37を大幅に上回る52の団体の姿が見られた。また、イベント総動員数は昨年の約15万人を大幅に上回る過去最多の約20万人で、年々規模が増している。

ブース、トークセッションや豪華歌手によるライブイベントが開催

 プライドウィークの期間中は、フェスティバル会場にてファッションや飲食、福祉・教育、大使館・行政など合計223ブースが代々木公園に出展し、協賛企業等が注目を集めていた。大型ブースの中にはSHISEIDO、OUT IN JAPAN×ADASTRIA、電通、TENGA、ドン・キホーテ、ビズリーチなどがあり、企業ブースにはGoogle、アクセンチュア、Facebook Japan、楽天、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、LGBT Finance、AIG、GAPなどが出店。それぞれグッズ販売やメッセージを書き込むブースを設置し、パフォーマンスなどを行い、場を賑わせていた。

 期間中にはクラブイベントやトークセッションも数多く開催され、トークイベントでは性的マイノリティを取り巻く日本の状況を知ることができるテーマも数多く用意されていた。『+』関連に関して知識がまだ浅い者にとっても、教育的且つ楽しい内容が充実していた。

 野外ステージでは多彩な歌手が出演し、28日にm-flo、清貴、GAYSHA GALsが出演、29日には青山テルマ、さかいゆう、佐藤タイジ+辻コースケ、清水ミチコ、水曜日のカンパネラ、中村中、八方不美人、星屑スキャット、RYUCHELL(りゅうちぇる)が出演した。これらの無料で開催された豪華なパフォーマンスには、多くのファンが詰めかけた。

 「ジェンダーレス男子」として注目される、アーティスト名義RYUCHELLとして活動するりゅうちぇるさんは、当日のMCでは「世の中には愛が溢れている。だけど人にからかわれたり、バカにされたりして、その愛を見失ってしまう人もいると思う。どんなかたちであれ、どんな色であれ、全ての愛は美しいんだよ、ということを伝えたいと思っています」と語った(ハフィントンポストより引用)。

 毎年、出演するのは個人の人権や多様性の重要さを訴えかけている歌手だが、彼らの差別や偏見のない世の中を目指す言葉に観客は大きな声援を送っていた。