トロントグラフィティMAP 2016 version
昨年の11月にも取り上げたグラフィティMAP(torja.ca/special/toronto-graffiti-map)。前回紹介したエリア以外にもトロント市内は多くのグラフィティで溢れている。さらに街が発展していくと同時になくなってしまうものや新しいグラフィティが増えるなど常に変化しているのも興味深い。散策時には少し視野を広げてグラフィティ鑑賞をしてみてはいかがだろうか。
アメコミの一場面を連想させるグラフィティ。右に怒ったキングコング、左にコントローラーを操作して攻撃している男の子、そして男の子の方を向いている動物たち。多くの登場人物が織り成すストーリーは十人十色だろう。
2.Shaw St× Bloor St.W
一面に描かれたグラフィティは見続けていると模様が動き出しそうなほど躍動感にあふれている。描き込まれているので見れば見るほど新しい発見もあり、飽きることがない。
3.Bathurst St×London St
水、木、草原、鳥から構成された大きなグラフィティ。鳥はハゴロモガラスがモチーフになっていると考えると生命力を感じさせる草木と美しい水辺から自然豊かなカナダを連想させる。またよく観察すると水面に写る街並みも描かれており細部まで丁寧に描かれたグラフィティだ。
4.Manning Ave×Bloor St.W
“POUR BOY”というパブの外観一面に描かれたグラフィティ。ピンクで縁取られた左の人物の髪の毛や動きのある店名が印象的。このパブはCollege Stとオタワにも店舗があり、オタワ店の外観にも人物のグラフィティが大きく描かれているので、オタワに行く際は是非チェックしてみよう。
5.Huron St×Dundas St.W
長い壁に描かれたグラフィティは本物の万里の長城を連想させる。杖を持ってしゃがみこんでいる老人が描かれており、長い道のりであることを象徴しているのだろう。長い壁を上手く活かしたグラフィティである。
6.Huron St×Dundas St.W
中国獅子、北獅が大きく描かれたグラフィティ。大きな窓があるにも関わらず、それを感じさせないほどの存在感は見上げれば北獅に睨まれているような気持にさせられる。
7.Ossington St× College St
そこにあるのが当然というように描かれたグラフィティ。トリックアートのように周りととけ込みひっそりと、しかししっかりと存在を主張している。
8.Ossinton Ave×Harrison St
カラフルなクラーケンが印象的なグラフィティ。一見ポップな印象を受けるが、遠くに描かれている船に足をかけ今にも海に引きずり込もうとしている。色合いが明るいからこそ、今から起こりうる不運にハッとさせられる。
9.Beatrice St×Dundas St.W
何気なく歩いていても目に飛び込んでくるほどのインパクトを持つ大きな家の壁に描かれたグラフィティ。口髭を生やした男性の胸には“Movember”’と書かれており、男性特有の病気を啓発している。毎年11月に行われる“Movember”は1ヶ月間口髭を生やし男性特有の病気の認知度・健康意識を高めるキャンペーンのこと。
10.Borden St×College St
カラフルな恐竜が描かれているグラフィティ。丁度木々の間に来るように描かれた恐竜達は木陰でのんびりと過ごしているように感じる。多くの色を用いて描かれているが寒色系でまとめられており落ち着いた印象の一枚だ。
11.Spadina St×College St
高く重なり合うように描かれた街並みは圧巻である。細く狭い道の壁に描かれているこの大きなグラフィティは、まるで街が自分に迫ってくる感覚すら感じる。またトーンの暗いカラーで描かれた街並みがどこか切ない気持ちにさせる。
12.Spadina St×College St
大きな女性の横顔とその下に描かれた象や鮫のような動物に目が行く一枚。しかし、その鮫には矢が刺さっており、近くには驚いた女性、さらに遠くから強い眼差しで見つめる人物が描かれているなど、見れば見るほど様々なストーリーを思い浮かべることが出来るグラフィティだ。
13.Bathurst St× Dundas St.W
ベトナムレストラン”Pho Tien”の壁に描かれているグラフィティ。使われている色もよく目立ち、一目でベトナムレストランだと分かるような良い広告の役割を果たしている。
14.Spadina St× Sulivan St
決して大きくはないグラフィティだが、足を止めずにはいられない真剣な眼差しが印象的だ。どこか寂しそうで、その視線の先に何があるのか想像力を掻き立てられる。
15.Spadina St×Dundas St.W
チャイナタウンを象徴しているかのようなグラフィティ。色鮮やかな龍は今にも空に向かって飛んでいきそうだ。さらに描かれている壁がボコボコ波打っているため、より立体的に見えるもの面白い。
16.Spadina St×Dundas St.W
三蔵法師一行が龍と出くわした場面が描かれている。服の模様も細部まで丁寧に描かれており、西遊記の話しを知らなくても楽しむことができるだろう。
17.Markham St× Queen St.W
オンタリオ湖に面しているトロントを上手く表現しているグラフィティ。水面に映る街並みや掌からこぼれ落ちる水など丁寧に描かれている。
18.Bathurst St×Queen St.W
真っ赤な靴が印象的なグラフィティ。背景のゼブラ柄が一見騒々しく見えるが、シンプルな靴を上手に際立たせている。多くのカラーが使われ、複雑な模様が描かれたパンツは不思議と背景のゼブラ柄に溶け込んでいるコントラストにも注目したい。
19.Niagara St×Queen St.W
日本食品や和食器などを取り扱うSANKOの壁に描かれているグラフィティ。桜や鯉などが描かれており他国の人が持っている日本のイメージが表れている。
20.Spadina St×Bulwek St
細い道の奥に描かれてるグラフィティ。周りの子どもたちの表情が険しいが、中央の男の子の強い表情と握りしめている若葉から希望が溢れているような印象を受ける。
21.King St.W×Portland St
文字通りKing St.Wで見つけることのできるグラフィティ。力強く縁取られた文字の中には街並みやストリートカー、コイン、ボムなどが描かれている。さらに幾何学模様の中には顔が描いてあったりと様々な発見があり見ていて飽きることがない。
22.King St.E× Church St
カラフルな色合いで描かれた動物たちが可愛いグラフィティ。人が大きなトドを背負っており、よく見ればそのトドの胴体には人の顔や手、動物が描かれている。まるで人は様々な物を背負って生きていることを表しているかのような一枚である。
23.Niagara St× Richmond St.W
緑と花が多く描かれたグラフィティ。女性が花に埋もれている、一方奥ではモノクロでトロントと電車が描かれておりコントラストが神秘的である。
24.Church St× Wellington St.E
本当に大きな布が張り付いているかのようなトリックアート系のグラフィティ。ビルの壁一面を覆う大きなグラフィティは立体的で今にもはためき出しそうだ。
25.Jarvis St×Front St.E
大きく描かれた野菜が目を引くグラフィティ。収穫の様子や市場での売買が描かれており、多くの食品店が集まっているSt Lawrance Marketを体現する一枚だ。
26.Pape Ave×Bain Ave
人気のキャラクター、スポンジボブ。トロントには沢山のグラフィティがあるが有名キャラクターのグラフィティはあまり見かけない。もし見つけられたら良い事が起きるかも!?
27.Carlaw Ave× Dundas St.E
20メートルはある大きな壁一面に描かれたグラフィティ。遠くからでも目に入る存在感抜群の一枚で絵の横に書かれた問いも印象的である。“栄光”か“恐怖”かあなたはどちらですか。
28.Wardell St× Dundas St.E
モノクロで描かれた大きなグラフィティは、右端から荷車、馬、自転車、バイク、最後にセグウェイが描かれている。移動手段の変化が見て取れる面白いグラフィティである。
29.Wardell St× Dundas St.E
2015年11月のグラフィティMAPでも紹介さていた、ロボット“LOVEBOT”。 アーティストMatthew Del Deganのアートプロジェクトの一環でトロントの至る所に描かれているのでたくさん探してみるのもいいかもしれない。lovebot.com
30.Clendenan Ave× Bloor St.W
強いタッチで描かれた川や木々から自然の力強さが感じられるグラフィティ。陽が沈み夕暮れ時の川辺の様子が窺える。魚をくわえている鳥が愛らしい一枚。
31.Manning Ave× Bloor St.W
30の向かいにあるグラフィティでこちらも自然が題材にされている。よく見ると木々には穏やかな表情の顔が描かれており、木々の生命力が感じられる作品である。
32.Spdaina Rd× Dupont St
タッチの違うおじさんがお互いに強調し合っている一枚。それぞれ表情がなんとも言えす、ついつい見続けてしまう一枚だ。
33.Spdaina Rd× Dupont St (KOS Cafe and Restaurant)
飲食店の壁に描かれたグラフィティ。大きな木の前でまさにフェニックスが飛び立とうとしている。死んでも蘇るフェニックスからこの飲食店で疲れを癒し、空腹を満たし、“蘇る”ということを表しているようだ。