食べ残しの使い回しについて|トロントの居酒屋風雲児【第36回】

 寒くなるとやはり温かいものが食べたくなります。特にこれからの季節、食べたくなるのが鍋。私の店でも先月から、綿あめを使ったすき焼き、鴨を使った鴨鍋など、いくつかの鍋料理をスタートしました。

 私はノースヨークエリアに家族と住んでいますが、近所には韓国系のお店が多くあるので、「熱々の豆腐の鍋・スンドゥブ」や、「小ぶりの丸鶏の鍋・サムゲタン」、「豚骨とジャガイモの鍋・カムジャタン」など韓国料理の鍋をよく食べに行きます。どのお店でも料理とは別にパンチャンと呼ばれる無料の小皿のお通しが何種類も出てくるので、ビールのおつまみに最適でお代わりをお願いする時もあるほど大好きです。

 しかし、ここ最近、韓国ではこのパンチャンの使い回しが問題になり、最近では手をつけない人も結構いるそうです。もちろんお客が手をつけていない物と思いきや、中には手をつけた物まで再利用した店の映像まであり、韓国では食べ残しの使い回しがこれまでに何度も問題になっているそうです。

 韓国では原則として食べ残しの再利用は禁止されているそうですが、先日、食品衛生法の改正により、腐敗や感染する恐れが少ない一部の食品の再利用が可能になったというので驚きました。サンチュやプチトマトなどたれをつけたり調理をしていない生野菜やバナナ、卵などの皮がむかれていない物、蓋がついた容器に入ったキムチなどに限られるそうですが、手をつけていなかったら良いかなとか、もったいないという気持ちも理解できます。しかし、お客目線で見ると決して気持ちの良いものではないと思いますし、ほとんどの店では行われていないと信じたいですし、私はしません。

 もともと韓国では、おもてなしとしてお客が残すくらいの大量の料理を用意し、逆に出されたものは残すものといった、中国に似た文化があったようです。そのために、食事のたびに大量の食べ残しがあり、その残り物の再利用が常識になっていたようです。日本でも以前、高級料亭店の吉兆で、鮎の塩焼きや刺身の添え物など食べ残しの使い回しが発覚して問題になり、超有名店であったにもかかわらず廃業してしまったのを覚えています。

 実は私も学生時代に少しだけアルバイトで働いた回転すし屋では、笹の葉やレモン、パセリなどを再利用するように指示されていました。いま思うと衛生面の点などでありえないと思いますが、実際、どのくらいの店でこのようなことが行われているか考えるとぞっとします。私も飲食店で働く身として思いますが、こういった問題は働く人のモラルとしか言いようがありません。ちなみに食べ残しの使い回しは、日本の食品衛生法では明確に禁止をしていないらしいですが、手や唾液から食中毒やウィルスなどの感染の可能性も考えられるので、とても危険で怖い問題です。

 飲食店として衛生面に気を付け、お客様の健康を守ることはとても重要であり、どの店でも当たり前のことであって欲しいと思います。韓国だけに限らず、日本でもカナダでも少なからずそういった行為をする店があるかもしれませんが、私たちのお店ではありえませんし、私や家族、皆さんが行くお店ではそういう行為がないと信じたいものです。

1Guu若手社員ガイ君の渾身の1品、鴨鍋。美味しいですよ! 2綿あめが溶けると美味しいすき焼きに。インスタ映えしてますかね?笑 3冬の準備万端です 

4カナダを代表するセレクトショップlivestockとCasio G-shock 35周年記念コラボイベントでのケータリング 5カナダの紅葉は最高ですね 6ノースヨークは中華系の麺類も充実しています。四川風の激辛麺 

7牛肉の煮込み麺は定番ですね 8学生時代にしていたG-shockも、もう誕生35周年とは信じられません 9息子は忍者、娘はユニコーン、最高のハロウィンでした 

10友人家族との一枚 

11子供と一緒に人生初めてのtrick or treatへ。近所の1軒 12息子も無事に4歳に。初めてのバースデーパーティーを主催しました 13仮面ライダーのベルトをもらってご満悦の息子


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小笠原 克 Ogasawara Masaru

日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。