進化する飲食業界のIT化とキャッシュレス |トロントの居酒屋風雲児【第38回】

 今年でトロント生活も10年目を迎えますが、いつになってもなかなか慣れないこのトロントの冬の寒さですが、横浜生まれ東京育ちの私には珍しかった雪も、10年目を迎えるとあまり珍しくなくなってきてしまった事へ違和感を感じる今日この頃です。子供との雪遊びなど楽しい時期なので、体調管理をしっかりとしてこの寒さに負けずに冬を乗り越えたいと思います。

 昨年は何回か飲食店のIT化が進んでいることについて書かせていただきましたが、今年もどんどん進んでいきそうですね。私自身がまだまだIT化についていけていない部分が多々あり、私たちの店ではまだまだアナログな部分が多いですが、予約システムやデリバリーシステム、またレジのPOSシステム以外にもIT化を少しずつでも導入していければと考えています。

 今年はハンディの端末でオーダーを取るシステムに変更しようか悩んでいるところです。IT化の導入は初期投資が必要になってくるので、どれもこれも導入することは簡単ではないですが、今後も続くであろう人件費の高騰や人手不足といった問題を長い目で考えると今後は必要な投資なのかなと思います。人が人へサービスとフードを提供する飲食店ですが、IT化により作業が簡素化され、スタッフの負担が減ることで、もっと質の高い仕事ができるのであればIT化は素晴らしいものなのかもしれません。

 ここ最近、気になっているのが『キャッシュレス』の飲食店です。現金での支払いを一切受け付けず、クレジットカード、デビットカード、電子マネーやQRコードなどの支払いのみを受け付けるといった飲食店です。先日行ったニューヨークでもサラダ専門店の『sweetgreen』では既に全店舗でキャッシュレス化を導入していたり、あのスターバックスもシアトルでキャッシュレスの実験店舗をオープンしました。アメリカだけでなく、今後はこのキャッシュレスの店が日本やカナダでもどんどん増えてくるのではないかと思っています。

 日本ではモンスーンカフェや権八などを運営する『グローバルダイニング』がキャッシュレスのタコス屋さんをオープンしたり、お手頃価格の天ぷらが楽しめる『てんや』でもオーダーから支払いまで全てセルフサービスで行う、キャッシュレス店舗をオープンして話題を集めています。このキャッシュレス化が進む理由としては、やはり決済のスピードが早い点でしょうか。現金でのやりとりではお釣りを用意したりすることで時間がかかりますが、クレジットカードならスワイプやタップをして終わりという速さが魅力です。またつり銭の渡し間違いなど一切無くなりますし、営業後に現金を数える必要も一切ないので、人件費の削減にもつながりますし、従業員による不正なども防げます。

 しかし一方でリスクを伴う可能性もあり、クレジットカードを持たずに現金しか持たないお客様も多くいますので、そういったお客様を全てお断りするしかなくなってしまいます。またクレジットカードなどの手数料も決して安くないので、手数料分である3%~5%をどこで回収するのかもとても重要なポイントになってくると思います。

 日本ではまだ3割近くの飲食店ではクレジットカードでの支払いを受け付けていないようですが、来年のオリンピック開催もあるので、今後はますます増えると思います。また私たちもまだ導入できていませんが、電子マネーの普及が確実視されていますので、今後は電子マネーに対応するキャッスレス飲食店がどんどん増えていくと思います。トロントでも今後このキャッシュレスの飲食店が増えていくのでしょうか?

41月半ばでこの寒さ。トロントの冬は手強いですね… 5今年はお店でも簡単な御節プレートを提供しました! 6雪がサラサラで雪だるま作るのも一苦労… 

7近くの図書館がリニューアルして綺麗になったので、最近のお気に入りスポットに 8寒い日に食べたくなるサムゲタン@Koryo 9雪が降ると仕事が終わってからも、もう一仕事… 10今年も簡単な御節を妻と一緒に作りました! 11去年のインスタトップ9。

やっぱりウニがインスタ映えするんですかね? 12カナダ版trader joe’sというオーガニック中心のスーパーFARM BOYへ

1今年はじめてもらった息子のお年玉 from ナツさん 2息子は私に似てか料理が大好き。カレーライス用に野菜をカット 3焚き火で焼きマシュマロ、スモアを@Evergreen brick works


ogasawara-masaru-profile

小笠原 克 Ogasawara Masaru

日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。