戸建てマーケットは微増となりましたが、この先の動きに注視しましょう。|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット

住宅マーケット年別比較チャート

 出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。

 2019年5月のTREB全域の取引総数は9,989件となり、昨年同月の8,402件からプラス18.9%と大きく増加しました。全物件タイプの平均価格は83万8540ドルとなり、昨年5月比でプラス3.6%上昇しました。

 新規リスティング数はプラス0.8%、有効リスティング数はマイナス4.3%となっています。取引数の増加にリスティング数が追い付いておらず、競争の激化につながる可能性があります。平均売却日数は19日とマイナス5%で、マーケットは少し早く動いている模様です。

 物件タイプ別に平均価格を見ますと、コンドアパートがプラス4.9%(市内プラス6.6%、市外プラス4.9%)、タウンハウスがプラス3.2%(市内プラス6.2%、市外プラス2.5%)、セミデタッチ(準戸建て)がプラス1.9%(市内マイナス0.2%、市外プラス2.1%)、最後にデタッチ(戸建て)がプラス1.1%(市内プラス1.5%、市外プラス0.3%)の順に並びました。

今月の金言

 戸建てマーケットは微増となりましたが、この先の動きに注視しましょう。オンタリオ州のフォード政権は数多くの政策転換を打ち出していますが、土地開発もそのエリアに含まれます。州政府の方向性としては、供給の増加に集約されると言っても良いでしょう。

 建設会社のプロジェクト許可にかかる時間を短縮し、自治体に支払われる開発費用を削減など、確かに建設会社にとっては利益になる事ばかりです。交通機関の駅の上及び周囲を重点的に開発し、戸建ての一部に独立ユニットを作りやすくし、余った公有地を住宅開発に充てるなど効果も期待出来るでしょう。でもこれが不動産価格の上昇に歯止めをかけ、低価格の住居ユニットの供給に直結するかは定かではありません。自治体にとっては収入減にもなり、端的に言えば土地開発・建設会社に有利な方向に政策が進んでいると言って良いでしょう。

D.H. Toko Liu(劉 東滉)

 オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。