開発が進むミシサガエリアに注目|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット|特集 過去から振り返るカナダ2020「予想と展望」

2024年に完成予定の「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット(Hurontario LRT)」プロジェクトによる開発が進むミシサガエリアに注目

 さて今回は、2020年の不動産マーケットを大胆に予測してしまいましょう!あくまで傾向予測であり、実際には予見不可能な諸要因による影響でマーケットが常に変化していることはご理解下さるようお願いします。

2019年は回復基調、そして2020年も継続し上昇

 ストレステストの導入以降、この2年ほど不動産マーケットは停滞気味、エリアや物件タイプによっては下降気味でもありましたが、最近のCMHC(Canada Mortgage and Housing Corporation)の発表によるとその期間も終わり上昇基調に戻るとされています。2018年のマーケットの落ち込みから2019年は回復基調、そしてその傾向は2020年も継続し上昇すると見られています。それを裏付けるかのように、BC州とON州では不動産売買取引数が昨年比で大きく上昇しています。この勢いは2020年も変わらず推移して行くだろうとの見方が大勢です。

トロントにおける不動産価格の上昇は6%程度

 カナダ全域に渡る2020年に不動産価格は平均3.7%程度の上昇を果たすと見られていますが、トロントでは6%程度との数字が出ています。それら数字は速いペースで増加し続ける人口による需要に裏打ちされ、低い失業率、強い地域経済とその更なる活発化、低いローン利子による消費者の購買意欲の後押し、そしてマーケットの安定と将来性に対する信頼などで支えられる事となるでしょう。

オンタリオ州とケベック州が特に大きな伸びに。
停滞気味だったブリティッシュコロンビア州も回復

 州別にはオンタリオ州とケベック州が特に大きな伸びを果たすと見られ、その他の州はそこまで大きくなくとも安定した動きになると思われています。過去2年程で停滞と下降が比較的大きく見られたブリティッシュコロンビア州も回復を果たし、オンタリオ州、ケベック州と並び成長率トップ3州となる可能性も予想されています。

下降線をたどっている新築物件件数

 2017年にカナダの新築建築件数はこの10年で一番となりましたが、それ以後は下降線を辿っているのが現状です。2020年と2021年の2年間に開始されるであろうプロジェクト数は、2019年に着工されたプロジェクト数と大体同程度の数になると見られています。
 特にトロントやバンクーバーを中心とする不動産価格の高騰の1つの重大な要因として、住宅ユニットの供給不足は常に指摘されていますが、人件費や材料費の上昇そして土地開発申請と許可までのプロセスによる建設会社への大きな負担も新築物件増加への阻害、また物件価格の高騰の原因となっています。この複雑な状況を打破するには単純な政策では難しいと見られ、複合的かつ多方面での取り組み無しには効果は期待出来ないでしょう。その為には自治体から州、国レベルでの政策上での連携と協力が必要となるでしょうが、それも簡単に行く問題ではありません。

注目はミシサガエリア・「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット」プロジェクト

 トロント周辺に目を向けてみると、ミシサガの開発は注目に値します。これは2024年に完成予定の「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット(Hurontario LRT)」の影響によるところが大きいと見られます。「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット」はブランプトンからポート・クレジットまでの18Km区間を19の駅で繋ぐ計画で、ポート・クレジットのGO Stationとも連絡乗り換えとなる計画です。

2041年までにはミシサガの4分の1に近い人口が「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット」沿い付近に居住予測

 すでにヒューロンタリオ・ストリート沿いには2014年以降にエグリント・ストリートとの交差点の北側、駅予定地から500m以内だけでも15件以上のプロジェクト申請が出ています。ミシサガ最大のショッピングモール周辺は現在あるコンド群に更に多数の高層コンドが加わる事になっており、まさに開発の波が押し寄せていると言った状況です。「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット」によりミシサガからダウンタウントロントまでの移動も楽になると予測され、それを見越しトロントの高値を避けたバイヤーがミシサガ集まっても来ているようです。人口増加も予想され、2041年までにはミシサガの4分の1に近い人口が「ヒューロンタリオ・ライトレールトランジット」沿い付近に居住しているとの数字まで出ています。

カナダ国内でもトップレベルの伸びを経験しているナイアガラ

 もう一つはナイアガラ付近でローカルエリアとしてはカナダ国内でもトップレベルの伸びを経験しています。これは「Go Transit Line」のナイアガラエリアでの拡張が直接的な要因と見られています。ナイアガラ~ハミルトンのGo Train駅周辺の地価は値上がりを続けており、交通網の整備と利便性が不動産価格に与えるポジティブな影響を証明する形となっています。もともとナイアガラエリアはトロントのリタイア組が移動先として好むこともあり、その需要の増加も考えられます。

 都市開発は公共交通網に付随して進むというのは一つの基本と言われ、今後のマーケットを考察するにもその観点から見て行くことも効果的でしょう。

D.H. Toko Liu(劉 東滉)

 オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。