自分の英語の伸びを実感できない理由②|TOEIC530点から英語教師となるまで英語力を磨き続けた男のトロント留学論【第6回】

 先月号で紹介した理由の1つは、実際の英語の伸びしろとそれを実感(知覚)できるタイミングにズレがあることでしたね。本当に英語が伸びているかどうかは感覚だけでは測れませんから、伸び代を測る物差しは、これまであなたが継続してきたゆるぎない毎日の学習経験の積み重ねでしかないとお話をしました。

 私自身の経験上、英語の伸びを実感できない理由はもう一つありました。それは常に他人と自分の英語を比較し、劣等感を抱いてしまう環境に自分がいたことでした。そうして自己嫌悪感を抱くようになりました。「周りはみんな喋れるのに、自分だけこんなに話せない」と。学習へのモチベーションは下がり、1段ずつコツコツと上がり続けてきた学習の階段を、ある時から上らなくなっていました。
 しかしある友達から、こう言われてハッとしました。「出発点や目的地も違う他人と自分の道のりを悲観的に比較してどうする。過去の自分と比較しろよ。一言も話せなかった過去の自分と比べて、今何ができてるかの方が大事だろ」と。

 得意不得意、好きか嫌いかだけでなく、スタート地点や目的地、運転経験、車種、すべてが完全に異なる自分と、他人の運転を、そもそも正当に比較できるはずがなかったことに気付きました。確かに、友達の家に向かって車の運転をしているとき、目的地も方向も違う他人の1km先にいる車を「羨ましいな」とは思いません。一方、過去の少しも英語を話せなかった自分を思い出した時、初めて自分の英語の伸びを明確に実感できたのです。あなたは、自分が初めて英語を学び始めた時から、今の英語力で出来なかった事のうち何が出来るようになっていますか。 今、当時できなかったことで、少しでもできるようになっている事があれば、それは誇りに思えることなのです。

 他人との比較が学習のモチベーションになる方なら良いですが、悲観的に比較しまう時は、「過去と現在の自分を比較」し続けることに意識を注いでください。昨日の自分よりも、少しでも何か学べたならば、それは揺るぎない成長だということを少しも忘れてはなりません。それが伸びの実感です。何十年も使っていない筋肉を使うときは、大きなリハビリが必要になりますから、学びは、継続させましょうね!僕もまだまだ!共に楽しみながら頑張りましょう!

荻野卓哉

2017年8月に渡加。ハンバーカレッジのTESL修士号プログラムを卒業後、トロント初純日本人ILAC正社員英語講師として現在就労中。

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