被災地ツアー | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第68回】

東日本大震災前までの東北は全国から修学旅行をはじめとする教育旅行の学生が大変多くやってきていました。岩手県は平泉の金色堂をはじめとする文化が世界文化遺産登録され、宮城県には松島があり、秋田には世界自然遺産の白神山地もあります。

このような修学旅行をはじめとする教育旅行が、東日本大震災の影響で大きく減少してしまいました。東北には古の日本の素晴らしい文化や歴史、自然があるのに、震災という大きな災害で全国の子ども達がそれを見る機会を失うのは残念でなりません。

そんな岩手県では、東日本大震災から6年を経過した昨年、学校の教育旅行はもちろん、企業の研修旅行で東日本大震災の被災地を訪れる「復興ツーリズム」の誘客を強化する方針を固め、予算もつきました。教育旅行で沿岸方面へのバス運行を促す支援や、IT活用による震災教育学習の環境充実などに取り組んでいます。

北海道新幹線も開通したこともあり、関東だけではなく、北海道からの誘客も目指せる環境になりました。もともと沿岸部は交通の便が内陸よりも悪いため、震災前から観光という面ではハンデがありました。しかし、震災を機に、県や国もバックアップして、復興に取り組む沿岸部の姿や、津波の被害を見ることの出来る震災遺構の見学、震災の語り部の話を聞くなど、震災前よりも逆に沿岸部を訪れる理由が出来たような気がします。


実際に津波がどれだけの高さまで行ったか。そしてその時人々はどんな避難をして、どんなことを考えたのか。その後の復興をどのように進めて行ったのか。

全国どこでも災害はおこります。そんな時、東日本大震災の教訓を少しでも知っていれば、自分の命を守り、大切な家族や仲間の命を守る手助けになります。知っていると知らないでは大きな違いです。しかも、これから世の中を背負っていく子ども達、企業の若い新入社員などは、このような復興ツーリズムに触れることが大きな財産となります。

亡くなった人の死を無駄にしないように、という言葉を沿岸部では良く聞きます。少しでも未来の人々の安全や安心のために今を生きる被災地の人々が役に立てればうれしいのだと思います。

日本だけではなく、復興ツーリズムは海外の方々にも有効です。世界中で災害はいつどこで起きるかわかりません。これほど大きな災害を経験した東北の人の話しや現場を外国人にも当たり前に見せられる環境にしていくのが次の目標です。


オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc

現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。

南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp



本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授

久慈 浩介