ラジオの持つ力 | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第72回】

 東日本大震災や熊本の大震災など、近年の大災害ではその後の復旧・復興をしていく段階で、ラジオの持つ力が見直されてきました。実際に、東日本大震災後、津波の被害の大きかった東北の沿岸部には、災害FMが数多く立ち上がり、地域の情報を地域へ届ける役割を果たしてきました。しかし、この災害FMも、震災から7年を経過して、少しずつその役割を終えて行きました。

 災害FMは国の補助金と、被災自治体の助成金で成り立っており、通常の広告収入などは被災地のため多く期待が出来ません。しかし、被災した地域は、まず情報が無く、安否確認なども出来なかったところに、このように地域のラジオが立ち上がると、一気に情報伝達がスムーズになります。

 私達の地域にも「カシオペアFM」というコミュニティーラジオ局が震災の前からありましたが、震災時はこのカシオペアFMが、灯油はここに売っています、野菜はここにあります、被災した方々への市役所の援助の方法はこうです、など、様々な地域の情報を流していました。

 ラジオは電気が無くても電池で聞くことが出来ます。車が動けば車の中でカーラジオを聞くことが出来ます。テレビは地方局でもキー局の番組がほとんどですが、ラジオは災害時スクランブル放送をすることがテレビよりも簡単に出来ます。そういった意味でも、災害時のラジオの力は大きかったです。

「つなごう明日へ」のパーソナリティーの皆さんと


 災害FM以外でも、東北で最も大きなラジオ局である「FM仙台」では、震災後、いち早くラジオを使った復興支援を行いました。FM仙台のHPには
【2012年3月から、復興応援プロジェクト「Hope for MIYAGI」を立ち上げ、番組やイベントなどを通して、被災地の「今」を発信し続けてきました。
 震災の記憶の「風化」が進み、復旧・復興の遅れも心配されている一方で、震災の教訓を未来に伝えていこうという取り組みが各地で進んでいます。
 被災地・宮城のラジオ局として、わたしたちが出来ることは何か。宮城の今を生きる方々が、どんな思いを抱えているのか、伝え続けること。伝え続けることは、震災の記憶を「風化」させないというメッセージでもあります。「人と人」「過去と未来」「おもいとおもい」をつないでいく。それが、これからの「Hope for MIYAGI」です。】
とあります。そんな中から出来た番組が「つなごう明日へ(パーソナリティー:黒澤としみさん、庄司克史さん)」です。

 この番組は被災地の方々と支援したい方々の心と心を繋ぎたい、おもいとおもいを繋ぎたい、心と体を繋ぎたい、日本と世界を繋ぎたい…そんな願いからスタートした番組だそうです。私も出演させていただきました。

 このように、ラジオが持つ力は、普段はあまり感じませんが、災害時には大きな希望となります。ラジオには大きな可能性があるのですね。


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Ozawa Canada Inc

現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。

南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp



本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授

久慈 浩介