平成30年7月豪雨 | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第74回】


 東日本大震災以降、日本では地震や台風などで大きな被害が出ることが増えました。熊本の大地震や、広島や茨木の豪雨被害など記憶に新しいと思います。

 そして、今年7月も、日本を襲う大きな被害を伴った豪雨災害がおこりました。「平成30年7月豪雨」と名付けられたこの災害は、西日本を中心に大きな被害を出しました。広島や山口、そして四国、これほど広い範囲で洪水被害や土砂崩れ被害が出たのは記憶にありません。それだけ日本は今、災害が身近にあるということです。

 今回は日本だけではなく、豪雨や熱波など世界中で異常気象と言える状況が続いているのも心配です。

 日本では、今回の災害は台風でも地震でもないのですが、命を脅かす危険がある災害と気象庁が強く訴えてきました。

 豪雨と異常な高温。日本はどうなってしまうのでしょうか。今年の気候を総じて、異常気象ではなく、災害並みの気象と位置付けているようです。

 今回の平成30年7月豪雨でも私の仲間の酒蔵もたくさん被災しました。一番有名なのは、山口県の「獺祭」さんです。

 蔵の前を流れる川は本当に細く氾濫など考えられない規模でしたが、それが氾濫して地下1階と1階が水没。

 獺祭さんは四季醸造ですので、お酒造りの真っ最中であった事もあり、被害が大きくなりました。

 電気が止まってしまい、仕込みも継続できなかったという事で、もろみは全て廃棄にしなければいけないのでは、という事でした。


 しかし、ここで救いの手を差し伸べた人がいます。同じ山口県出身の漫画家「島耕作」を描いている広兼さんです。獺祭としては獺祭の基準では売れないが飲めない事は無い、停電の影響を受けた酒のラベルに無償で島耕作を描いて、いつもの値段よりも安く復興支援酒として販売しました。

 もちろん義援金付きですが、その義援金は獺祭さんがもらうのではなく、被害を受けた西日本全体の蔵元のために使われる、ということで、獺祭さんは本当にすごいですし、それを助けた広兼さんもすごいと思いました。

 報道でも多数取り上げられ、東日本大震災の時に、東北の酒を飲んでください、とお願いした私達ハナサケニッポンのように、島耕作コラボの獺祭さんは今回の災害の復興支援の旗印になって先頭を走っています。

 まだまだ多くの被害を受けた蔵がありますが、みんな今復興に向けて歩み始めています。

 是非カナダの皆さんにも応援をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。


オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc

現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。

南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp



本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授

久慈 浩介