真剣に避難訓練をする | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第78回】

 東日本大震災から7年が過ぎると、様々な形で復興が目に見えてきます。そんな中、先日NHK盛岡放送局が主催した岩手県大槌町での復興支援イベントに参加してきました。大槌町は岩手県でもかなり大きな津波の被害を受けた町で、私も久しぶりに行きましたが、驚くほど道路が整備され、町の形式も変わりました。

 さらに、高台にはたくさんの家が出来て、ぱっと見ただけだとかなり復興が進んでいるように見えました。しかし、被害の大きさが甚大だったこともあり、大槌の皆さんはまだ苦労を抱えている人も多いということでした。

 NHKのイベントは、昨年開校したばかりの小中一貫教育を行う大槌学園での開催でした。新築の校舎を使い、NHKキャラクターの「わんわん」のショーや、氷川きよしさんのコンサートなど、老若男女、みんなが楽しめるイベントでした。

 私は、NHK盛岡放送局が東日本大震災後、ラジオの大事さを伝えて行こうと自社制作するラジオ番組「まじぇ5時」の公開録音に出演しました。

 この番組は初年度から私もゲストパーソナリティーとして参加しており、その当時からいつかは沿岸部の被災地に行って公開録音をしたいよね、と話していた夢がやっと叶いました。

 大槌学園の小学校の図書館で公開録音をいたしましたが、大勢の大槌の皆さん、そしてその周辺の皆さん、さらには内陸部の一関市の方々も参加して公開録音を盛り上げてくれました。

 番組のテーマも今回は震災からの復興ということで、私も震災当時から活動してきた「ハナサケ日本」の話や、「北限のゆず」のお話をさせていただきました。45分という短い時間でしたが、本当に楽しい時間でした。その中で、氷川きよしさんとお話しする機会をいただきました。

 氷川さんはあれだけの大歌手なのですが、空き時間には大槌の町を散歩したり、産直で買い物をしたり、被災地に心を寄せてくれているんだなと、とても感激ました。

 そして今回、被災地と内陸の大きな差を実感したことがあります。控室で使っていた小学校2年生の教室。そこにはどこの学校でもあるかわいらしい絵や作文。そしてクラスとしての目標などが掲げてありました。

 その中の「今日のめあて」とかかれたボードには「ひなんくんれんをしんけんにしよう」と子供の字で書かれていました。


 これを見て私は涙が止まりませんでした。もう普通に生活している内陸部の子ども達と、沿岸部の子ども達ではこれほどの意識の差があるのかと。

 でもこの「真剣に避難訓練をする」ということが「当たり前」だからこそたくさんの人が救われたのです。すごく考えさせられる大槌町訪問でした。


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本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授

久慈 浩介