トロントに深い傷跡を残した4月23日 自動車暴走事件|シリーズ 「カナダメディアはどのように伝えている!?」

4月23日午後1時半、トロントのYonge×Finchを悲劇が襲った。アジア人が多く住むこの場所でレンタルされたバンがYonge通り沿いを2キロに渡って時速60キロ以上で暴走し、繰り返し歩道に乗り上げては歩行者をはね、10名の死亡者と16名以上の負傷者を出してしまった。同日にはダウンタウンにて主要7か国(G7)外相会議が行われていたため、それを狙ったのではないかという声も当初はあったものの、実際は全く違った。犯行を行ったアレク・ミナシアン容疑者はインターネットの女性蔑視グループ「インボランタリー・セリベイト(インセル)」に参加していたことが明らかとなり、その身勝手な犯行理由には世界中から怒りと悲しみの声が寄せられた。

アレク・ミナシアン容疑者の人物像

 ミナシアン容疑者の逮捕後まもなく、現地メディアによって容疑者に関する情報が一斉に拡散された。CBCによると彼は25歳で、トロントの北に位置するリッチモンド・ヒルに父親と共に住んでいた。容疑者と同じ学校に通っていた人は、「あまり社交的ではなく、特定の友人以外とは話していることをあまり見たことが無かった」と語る。ただその一方で容疑者には社会的あるいは精神的な障害があり、自分の頭を叩いたり手を振ったりする癖があり、高校では特別支援教育を受けていた。
 The Starによると、大学はセネカ・カレッジに2011年から2018年まで通い、プログラミングについて学んでいた。在学中はセネカ・カレッジのリサーチ関係でサポートスタッフとして働いていた過去もあるようだ。

犯行の動機である「インセル」とは

 犯行を行った背景にはインセルという存在がある。CNNによると、彼は犯行直前、Facebookに「インセルの謀反は既に始まっている!全てのチャドとステイシーを倒してやる!最高の紳士エリオット・ロジャー万歳!」という投稿を行った。このエリオット・ロジャーとはアメリカのカリフォルニア大学で2014年、車から発砲し、6人を殺害、14人を負傷させた後、自ら命を絶った男だ。ロジャー容疑者は犯行理由を示したビデオや文書の中でその動機を「自身を拒絶・無視した女性全員に罰を与える」ためだとしている。

 そしてもう1つのキーワードはインセル。この言葉は元々あるカナダ人女性が20年以上前に立ち上げたウェブサイトで使用した「非自発的独身者」という言葉を短縮したもので、当初はパートナーとうまく巡り合えない人々の支援を目的としていた。しかし、この言葉は後に意味が変化し、今では自分は性的関係を持つことができないと感じる男性のことを指している。このインセルと呼ばれる男性の多くは自分がパートナーと巡り合えないのは女性に非があるとし、4chanなどの掲示板でその怒りをまき散らしている。掲示板には女性だけでなく性差別や人種差別、同性愛差別、反フェミニスト的な発言もあり、暴力の温床となるとして警察も目を光らせていた。彼らが目の形としているのは「チャド」と「ステイシー」呼ばれ、これは魅力的な男女を呼ぶときに使われている名前だ。

犯人の今

 犯行の翌日、Toronto Starが殺人捜査課のブライアン・ボット氏の行った記者会見について報道を行った。犠牲になった人々の中にはヨルダンから息子を訪問していた男性や、トロントに来ていた韓国人留学生を含む22歳から94歳までの10名であり、その内8名は女性だったことを明らかにした。負傷者の数が16人に上がったことも確認された。CBCによると、5月10日に行われた2度目の公判で容疑者は現在10の殺人、そして16の殺人未遂の疑いで訴追された。容疑者の弁護士によると、次に彼が裁判所に現れるのは今年の9月14日とされている。

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提出方法

●インターネットでの提出 
 外務省の「在留届電子提出システム(ORRnet)」
 www.ezairyu.mofa.go.jp
●用紙での提出 大使館・総領事館に備えつけてある
 「在留届」用紙に記入してFAX等で送付。
 トロント総領事館のホームページからダウンロードも可能。
 toronto.ca.emb-japan.go.jp
※届出事項に変更があったり、在留国より帰国する際にも、必ずその旨を連絡すること
 (インターネットで提出された方は、インターネットで変更届、帰国・転出届の提出可能)。

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