和牛カット職人 沼本憲明氏が魅せる!和牛カットセミナー@Izakaya Ju

J-Townの精肉店Famu Inc.と兵庫県西宮市に本社を置く食品加工のエスフーズ株式会社共催
本物の和牛にこだわり続けてきた高品質な和牛を求める海外マーケットへも供給

沼本氏(左)とFaMuオーナーの石黒氏(右)


11月13日、Izakaya Juにて、J-Townにある精肉店「FaMu Inc.」と兵庫県西宮市に本社を置き、高品質な和牛を海外マーケットにも供給している食品加工の「エスフーズ(株)」の共催で和牛カットセミナーが行われた。

主にレストランや業界関係者を対象に行われた同イベントは、日本から和牛のプロカット職人である(株)ミコー食品の沼本憲明氏が講師として招かれた。15歳よりこの道一筋という沼本氏は、これまでも世界で和牛カットセミナーを行ってきている。

今回は北海道産和牛を使用し、和牛の様々な部位に焦点を当ててレクチャーを実施。カナダではまだまだ浸透してしきっていない和牛のそれぞれの部位を、どのようにして切り分け、またそれらの部位がどのような調理法に適しているかを、目の前で和牛カットを実演しながら説明された。

Izakaya Juオーナーシェフ安西氏

国産和牛の海外輸出の際には、リブロースやサーロイン、ヒレといった高級部位が主流となっているが、3年前から子牛の数が少なくなり、日本でも値段相場が倍ほどに膨れ上がったのだと語る沼本氏。その結果、その三種は国内をはじめ、海外では非常に値段が高い、高価な牛肉として広まっている。

特に時間が割かれて説明されたのは和牛の内股の下部、「シンタマ(別名ナックル)」と呼ばれる部位だ。赤身が強くきめが細かいのがこの部位の特徴である。この「シンタマ」は、さらに「トライチップ」、「マルカワ」、「カメノコ」、「マルシン」という四つの部位に分けられ、カット方法の他、調理法などについても細かく語られ、参加者のみなさんもクギ付けとなった。


まず切り分けられた「トライチップ」は、腿の部位の中で一番脂肪がついている部分であり、お肉の味が濃いのが特徴。お寿司にして食べると、マグロのトロのような味わいがあるのだという。薄めに大きめに切ることがコツで、口の中で和牛の脂がとろけて美味しいという。

次に切り分けられた「マルカワ」は、大腿骨の骨を巻いている部位であり、味は濃く少し硬さがあるのが特徴。ローストビーフや、タタキ、焼肉にして食べるのが適しているそうだ。「カメノコ」は、腿の中でも一番赤身が強い部分。断面の模様が亀の甲に似ているのでその呼び名がついたのだという。この部位はローストビーフが一番だそうで、沼本氏曰く、ローストビーフの概念が変わるほど美味しく食べられる部位とのこと。調理時には芯温を46度に保つのがポイントとなる。腿の筋さえ取り除けば、薄くスライスしてすき焼きにも良いそうだ。

最後に切り分けられた「マルシン」は、名前にもあるようにその丸みに合わせて切るのがコツ。赤身が強すぎず、白身(霜)とのバランスが良いこの部位は、味はテンダーロインに近く、販売価格も同じような価格で販売できるのではと提案した。


それぞれの部位の説明以外にも、包丁を入れるときの力加減、肉の硬さの見分け方といった、和牛カット職人だからこそ伝授できるコツを教えてもらうなど、料理人たちには大変貴重なセミナーとなったに違いない。和牛カット実演中には、参加者から積極的に質問が飛び交っており、料理人たちの和牛への関心の高さが伺えた。


レクチャー後には、切り分けられたそれぞれの部位を実際に試食。寿司、刺身、すき焼き、炙りなど部位ごとに適した食べ方が提案され、これまであまり知られていなかった、新たな和牛の可能性を感じさせる素晴らしいイベントとなった。