「旅行と暮らしのいいとこ取り」木下キャリーさん|特集「カナダワーホリのその先」

 前月に引き続きワーキングホリデーのその先を考える企画第二弾。今回は日本でワーホリを経験したカナダ出身の3人にインタビューを敢行。環境も価値観も文化も違う中で彼らの気づきや考えを紹介する。3名のストーリーを通して、ワーホリの先にはこんなにも多様な世界が広がっていることを知ってもらえたら本望だ。 #ワーホリのその先

木下キャリーさん

木下キャリーさんの年表

2004年(9歳)―原宿ファッションについて知る、徐々に日本語の勉強を始める

2007年(12歳)―GazettEについて知る、日本へ行きたいという思いが強まる

2009年(14歳)―日本を初めて訪れる

2015年(20歳)―早稲田大学で一年間の交換留学を経験

2016年ー(21歳)―ワーキングホリデーで日本へ戻る、以来日本での暮らしを続けている

旅行と暮らしのいいとこ取り

ーキャリーさんが思うワーキングホリデーの価値は何ですか?

 ワーキングホリデーは旅行と暮らし、この二つのいいとこ取りだと思います。観光の観点から見ると、お金のことをあまり気にせずに旅行することが出来ます。暮らしや仕事の観点から見ると、面倒な申請の手順を踏まずに仕事を見つけることが出来るのでとても便利だと思います。特に日本のように労働時間が長く、生活費も高い国ではワーキングホリデーを利用することで仕事と観光を両立出来るのではないのでしょうか。

ーキャリーさんはなぜワーキングホリデーに参加しようと思ったのですか?また、多くの国が選択肢にあった中で日本を選んだのはなぜですか?

 小さい頃から私は日本が大好きでした。中でも、10歳の頃に原宿ファッションとビジュアル系バンドGazettEのことを知って以来、日本語を勉強しようと思うようになりました。ありがたいことに日本を何度か訪れる機会があり、大学でも一年間早稲田大学で交換留学を経験しました。ただ、交換留学が終わった時に「まだ帰りたくない」と思ったのがワーキングホリデーに参加した大きな理由です。

ーワーキングホリデー期間中にあった経験で特に記憶に残っている経験はありますか?

 様々な経験をしたので一つには絞れないですね。ワーキングホリデーはこれからも続く長い日本の暮らしのうちのほんの一年にすぎません。現時点で私は日本に三年滞在していて、成人してからはずっと日本です。日本は小さい国であるにも関わらず見ること・することがとても多く、私にとってとても刺激的な場所です。東京にも面白い人がたくさん暮らしています。世界中からも多くの友達が出来ました。これは本当に光栄なことだと思っています。

日本にいる外国人だからこそ感じる孤独感

ーワーキングホリデーに参加した際に困難だと思ったこと、または苦しいと思ったことはありますか?

 日本語を既に勉強していて、かつ日本にも一年間暮らしていたからというのもあると思いますが、私は滞在中にそこまで苦労したことはありませんでした。もちろん、初めて訪れた国だと言語の壁やカルチャーショック、ホームシックなどを経験する方が多いと思います。

日本も徐々に外国人に対して寛容な国になってきましたが、いまだにコミュニケーションを取るのが難しいこともあります。特に困難なのは住む家を探すことだと思います。日本人の保証人が必要になりますし、多くの費用がかかるのも事実です。私を含め多くの外国人が日本のクレジットカードを入手することができないというのも大きな壁ですね。

 それに加えて、いまだに難しいと思うことは日本人の友達を作ることです。私の経験から言うと、日本に暮らしていてもなかなか日本人の人と会ったり話したりする機会がありませんでした。

 日本にいる外国人である以上、毎日同じような質問を聞かれるのも事実です。もちろん、日本ではまだ外国籍の人の割合が低いので無理はありません。ただ、毎日のように自分の出身国、日本へ来た理由、日本語が話せる理由を説明しているばかりだと「ここは私の国ではないんだな」と言うことを常に伝えられている気分で少しばかり孤独な気持ちになります。

ーワーキングホリデーの経験は現在のキャリーさんにどのような影響を与えていますか?

 私は現在もワーキングホリデー時代にしていた仕事を続けています。英語を教えたり、翻訳の仕事をしたり、モデルや女優の仕事もしています。現在の一番大きな夢は音楽業界で働くことです。歌うこと、詞を書くこと、プロデュースすること、どれも好きなので今年はそういう方面で仕事を見つけることが出来ればと考えています。

チャンスがあるなら是非参加してもらいたいワーホリ

ー日本に滞在する前、キャリーさんはワーキングホリデーに対してどのような考えをお持ちでしたか?ワーキングホリデーを実際に経験してみて、その考えは変わりましたか?

 行く前はあまり深く考えませんでした。ただ日本に早く戻りたい。それだけでした。参加した後はこのプログラムに参加出来て光栄だな、と思いました。日本で会った人の中にはワーキングホリデーが行われていない国から来ている人もいます。彼らにもこのような機会が与えられたらいいのに、と願うばかりです。ワーキングホリデーが出来る方には是非参加してもらいたいですね。

ー現在ワーキングホリデーに参加している人、またはこれからワーキングホリデーに参加しようと思っている人に向けてアドバイスをお願いします。

 行こうと思っている国の言語はあらかじめ学んでから行った方が良いことは確かです。向こうに滞在する際にとても楽になります。それともう一つ、一年間はとても短い時間です。私が現在持っているビザでは毎日仕事をしなければいけないのですが、今になって、当時もっと観光していればよかったと思うばかりです。ワーキングホリデーに行く際には滞在先の国を存分に楽しんでもらいたいですね。