これからカナダへの日系移民は増えるの!?|白ふくろうのネタ探し #12

【第12回】これからカナダへの日系移民は増えるの!?

カナダが移民の国であることは有名な事実で、その移民政策は日本も模範にすべきではないかと常々思っている白ふくろうですが、そうはいっても日本政府が積極的に移民政策を進展させるかどうか。そして、日本国民が外国人を仲間として受け入れられるかどうか、まあ難しいところですね。でも、移民を大量に受け入れないと少子化で労働人口が増えない中、高齢化で年金、医療費が増えるばかり。国民の資産は十分にあるという意見もありますが、それを当てにする国家って大丈夫なのでしょうか。国の借金は既に危険レベルにあり、労働人口が少なく、かつ労働生産性の低い日本がこれから大きくGDP国民総生産を増やせるかといえば、大きなクエスション。となると、先に見えるのは国家破綻?いやいや、これは考えたくありませんね。

こうした先行きを見越しているのでしょうか、日本からカナダに移民する人が増えているように思います。在カナダ大使館・総領事館に登録している在留邦人の数をカナダ全体(各年10月1日現在)で見ると、2012年61854人、2013年62349人、2014年63252人と各年1000人以下の微増となっていましたが、この後2015年66245人、2016年70174人と急に増えています。仕事柄、いろいろなデータを見ますが、トロントでも確かに増えているのを感じ、特に国際結婚でカナダに移民してくる人が増えているように思います。また、新しいチャンスと可能性、そして豊かな生活とよりよい教育環境を求めて移民してくる家族を何組も知っています。自分も移民した組なので、その気持ちはよく分かります。

では、カナダへの日系移民はこのまま増えていくのでしょうか。

2017年1月に興味深いレポートがカナダ統計局Statistics Canadaより発表されています。
Immigration and Diversity: Population Projections for Canada and its Regions, 2011 to 2036
2011年を起点に、2036年までにカナダへの移民がどのように予測されるかというもの。

ここに定義される移民Immigrationとは、カナダの移民ステイタスを持っている、もしくはかつて持っていた(今は市民権所持者)人を意味し、移民ステイタスを持たない人やカナダ国外で産まれたカナディアンは含みません。また、この予測では、最小Low、最大High、中庸Referenceという幅でその動向を予測していますが、ここではその内中庸Referenceでお話しましょう。

まず、カナダ全体の人口ですが、2011年時点国勢調査で3427万人となっており、その内、上記に定義される移民のうちVisible Minoritiesと言われる欧州系白人以外の人たちの数は、651万人。南アジア系163万人、中国系138万人となっており、日本人はこの時点で9万1千人だそうです。

先の外務省在留邦人数よりも多くなっていますが、これはカナダに永住、国籍取得した人たちで在留邦人登録をしていない人がいるということでしょう。2012年時点で登録在留邦人が6万人ほどですので、登録していない日系人が3万人ほどいたことになりますね。

では、2036年に向けて、どう予測されているのでしょうか。

予測では、2036年のカナダ全体の人口は4382万人。2011年から960万人増えるとの予測です。参考までに、日本の内閣府が2010年に発表した人口推計では、2010年1億2807万人から2030年1億1662万人、2040年1億728万人と向う20年で1145万人、30年で2075万人、人口が減少するとなっており、まさに日加の移民政策の違いが大きく数字に表れています。

さて、このカナダの人口増加のうち、Visible Minoritiesの2036年の人口数は1507万人。なんとその増加数は856万人。つまり、カナダ全土総人口増の90%はVisible Minoritiesの新移民が占めることになりそうです。

日本人移民はどう増えていくのでしょうか。

2036年の日系人移民数予測は14万2千人。2011年より、5万1千人増。これって、多いのでしょうか。

アラブ39万4千人から128万人、フィリピン64万3千人から205万人と3倍以上に増える予測で、黒人97万9千人から234万9千人、ラテンアメリカ39万7千人から86万5千人と2倍以上のグループも多い中、日本人は1.5倍程度と他のグループに較べるとその伸長率は低くなっています。また、南アジア系は379万4千人と2.3倍、中国系は245万1千人と1.8倍程度に留まっており、これまでの移民増の主役の座が変わっていくようです。カナダもどんどん人種の色が変わっていくようです。

一方で、こうして見ると、日本人が海外に移民するという行動は多くなってきているとはいえ、まだまだ世界的にみると低いレベルにあると言えるのでしょうね。もっともこれはカナダへの移民限定ですので、もしかしたら他の国への移民が増えるのかもしれませんが(あまり想像はできませんけどね)。

でも、いろいろな選択肢がある中で、自分の人生設計に合わせ日本国内で過ごすもよし、海外に出てみるもよし。一概に日本人は海外に出ない、内向きだ、という議論は不毛だと思いますが、いかがでしょうか。

でも、2036年になっても、たった14万人か。少ないなあ。


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白ふくろう

1992年音響映像メーカー駐在員として渡加。8年の駐在の後、日系物流会社に転職、休眠会社を実業会社へ再生再建。2007年より日系企業団体事務局勤務、海外子女教育・日本語教育にも関心が高い。2009年より、ほぼ毎日トロントやカナダのニュースをブログ(カナダはいいぞ~。トロントはもっといいぞ~)で配信している。