カナダのビジネスリスクがこれ!?|白ふくろうのネタ探し【第15回】

2月になると春を感じるイベントが多くなりますね。日本では、二十四節季の第一節季立春がありますね。そう、あの「鬼は外、福は内」の節分(節季を分ける)の翌日にあり、今の太陽暦では、2月の最初に来ています。次の節季に啓蟄があり、冬籠もりしていた虫が這い出てくる時期と言われています。カナダと米国では、グラウンドホッグデーといって2月2日に設定されており、地リスの一種であるグラウンドホッグが冬眠から目覚めた時に自分の影を見れば冬はあと6週間以上続くと言われています。日本の啓蟄と似たものがありますが、啓蟄は通常3月ですので北米の方がちょっと気が早いようですね。

2018年も1か月過ぎましたが、カナダの経済はどうなっていくのでしょうか。カナダ経済に大きな影響を与える要因として、家計債務、住宅市場、金利など国内要因と、北米貿易協定NAFTA、環太平洋貿易協定TPP、カナダ欧州貿易協定CETAなど貿易協定の見通しや為替など対外要因など、先行きが見えない状況ですね。

そんなカナダでビジネスをしていくにあたり、訴訟リスクとなる10項目が大手法律事務所から発表されました。

カナダの訴訟リスク

その10項目とは、①サイバーセキュリティー、プライバシーとデータ保護、②インフラストラクチャー、③大麻合法化による市場可能性、④先住民の権利と配慮、⑤税制改革、⑥貿易協定、⑦職場のセクシャルハラスメント、⑧技術革新による様々な断絶、⑨環境と気候変動、⑩集団訴訟

さて、今回はどれを説明しましょうか。

今、芸能界では、過去のセクシャルハラスメントを暴露する動きが盛り上がっていますね。#MeToo(私も)と返信することで、問題の深刻さを広める世界的な動きになっています。先のゴールデングローブ賞でも、黒いドレスに統一した女優さんたちが訴えており、加害者となった男優や関係者は急遽役や担当を外されるという事態になっています。

皆さん、これは芸能界の話で、一般の職場では関係ないと思っていませんか?

カナダでも有名なブロードキャスターGhomeshi氏が過去の性的暴行で訴えられ、今回の#MeTooの動きと同じように、その後被害者が続々と名乗り出たという事件を覚えている人も多いことでしょう。彼の場合も、放送業界という芸能界に近い世界だったのですが、職場での性的暴行ということでは一般企業に近いものがあります。

政府機関のデータによると、性的暴行を受けたことがあると報告した人の94%が女性であり、彼らの75%はその解決に大きな壁があったといいます。さらに問題は、ハラスメントや暴行を受けた人の半数は、職場の上司からのものであったとのこと。

こうした実態を受けて、カナダでは職場でのハラスメント規制が厳しくなっており、雇用主に対して多くの法的要件を課しています。

一番目は、ハラスメント関連ポリシーの見直しとその内容、手順が法に準拠しているかの確認。大切なことは、被害に遭った従業員が申し出られる制度と環境を用意すること。これが雇用主の大切な責任となっています。

二番目には、ハラスメントの苦情があった場合に、それを調査し解決に導く適正な要員と体制ができているかどうかの検証。

三番目には、そうしたハラスメントが発生するリスクを認識し、積極的に回避する行動をとること。

昨年の11月、12月にある調査機関がカナダの大手企業エグゼクティブ153名(うち、男性が95%)にインタビュー調査を行ったところ、「貴社でセクシャルハラスメントが問題になっているか?」との質問に対し、94%が「問題になっていない」と答えたそうです。しかし、一方で31%のエグゼクティブは、個別のケースではそうした問題が起きていることを知っていたそうです。

数か月前、大手法律事務所のパートナーと話す機会があり、今企業で一番熱いトピックスは何?と聞いたところ、即座に「職場でのセクシャルハラスメント」との返答でした。彼曰く、ニュースなどには出ないものの、大手有名企業でも#MeTooよろしく過去のハラスメントで訴えられているエグゼクティブが増えているそうで、身に覚えがある人達は戦々恐々としているのだそうです。

性的暴行に対して、社会の目はますます厳しくなっており、その責任と賠償は急激に大きくなっています。

職場でのセクシャルハラスメントのケースでよく事例として出されるのが、職場を離れた場所で行うオフサイト会議でのケース。ある企業のマネジメント層とそのアシスタントがリゾート地などでオフサイト会議を行い、会議後温水スパに入ることを強制されたという事例。上司命令で仕方なく従ったものの、その後セクシャルハラスメントとして訴えたと聞いたことがあります。もちろん、エグゼクティブと会社が莫大な賠償を命じられたそうです。

これなどは誰が聞いても悪質ですが、以前はこうしたケース、かなりあったのではないでしょうか。


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白ふくろう

1992年音響映像メーカー駐在員として渡加。8年の駐在の後、日系物流会社に転職、休眠会社を実業会社へ再生再建。2007年より日系企業団体事務局勤務、海外子女教育・日本語教育にも関心が高い。2009年より、ほぼ毎日トロントやカナダのニュースをブログ(カナダはいいぞ~。トロントはもっといいぞ~)で配信している。