大都会なのに野生動物がいっぱい!?|白ふくろうの「カナダの社会・経済」ネタ探し【第19回】

 カナダの短い春があっという間に過ぎて、待望の夏がやってきましたね。長い冬の間、家に籠っていた人たちも一斉に外に出るようになり、お互いに言葉を交わす機会も増えました。特に近所に住むご高齢の方が元気な姿を見せてくれると、無事に冬を越せたんだな、と安心します。

 トロントは、北米で5本の指に入る大都市で高層ビルが立ち並ぶダウンタウンコアはその象徴。その高層ビルからトロント市を概観してみると非常に緑が多いことに気づきます。トロント市では、今年も12万本の植樹を計画しており、市内の緑の外観率を現在の27%から目標とする40%まで引き上げていくのだそうです。

 自然が多いと野生動物も住み着きます。我が家がトロントに来て、最初に見たのはリス。最初に黒いリスと灰色のリスが走り回っている光景を見た時には、8歳と4歳の子供たちは大感激していました。でも数か月経つと毎日見るリスに対しては感激も薄れ、「また、野良リスか」となりましたが。

 トロント市のサイトには、市内で見られる主な動物についての注意が掲載されています。今回は、その主なものをご紹介します。
コヨーテ オオカミに近いイヌ科の動物ですね。ちょっと怖い感じを受けますが、一般的には人間を襲うことはないそうです。ただ、小型の犬や猫などのペットを襲うことはあるようで、その被害が時々ニュースになっています。昼夜を問わず行動するそうですが特に明け方や夕暮れが注意。最近では、人間の居住地域でも散見されるようになりました。ただ、野ネズミや野ウサギを捕食してくれることでそれらの数が膨大に増えることを抑えてくれています。雑食性で、ゴミをあさることもありますので生ゴミの放置は絶対にしないでください。

キツネ

 明け方、夕暮れにもっとも活発に活動する習性ですが、日中でも見かけることがあります。狂犬病が心配されますが、GTAでは1989年以降キツネに対して狂犬病ワクチンを接種しているそうです。ただ、接種を受けたキツネが死亡したり、他に移動してしまうとその縄張りに接種を受けていないキツネが入り込む可能性があり、また狂犬病が発症する可能性もあると警告しています。棲み処は、湖岸、ビーチ、林や渓谷に多く、時には住宅内にも穴を掘って住み着くこともあるそうです。

アライグマ

 アニメの影響で一時日本でもペットとして人気があったアライグマですが、その本性は見かけ以上に狂暴と言われています。都会生活への適応度が非常に高く、主に夜行動します。小動物、卵、果物、ナッツ、野菜などなんでも食べる食性で、ゴミ箱を漁ることもしばしば。トロント市では、生ゴミ収集用に人間の手でしか開けられない(はずの)ゴミ箱を開発し導入しましたが、先般、このゴミ箱を開けているアライグマがビデオに撮られ大きなニュースになりました。学習能力は相当なもののようです。問題はその数。急激に増えており、ラクーン王国という呼び名もついているくらい。過去の新聞報道に出ていたデータによると、1990年代には1キロ四方に10匹から20匹だったそうですが、現在は150匹以上もいるのだそうです。

スカンク

 スカンクが出すあの匂いを嗅いだら、おそらく一生忘れられないと思います。一年中活動する動物だそうですが、極寒の時には休眠することもあるとか。軒下、煙突、岩、がれきなどの下に入り込み、時には住宅内の屋根裏などに住み着くこともしばしば。駆除には専門業者に依頼する必要があり、住処は駆除後に塞がないと次のスカンクが住み着いてしまいますのでご注意を。

リス

 街中、至るところで見かけるリスですが、よく見るといくつかの種類があることに気づきます。在来種は黒と灰色のものと言われていますが、最近は少し小型の赤毛のリスも増えているようで、その混血を見かけることも多くなりました。日中活動し夜は眠る習性で、その寿命は都会では20年、自然界では3年から6年だそうです。いかに都会生活をエンジョイしているかわかりますね。天敵が少ないからでしょうか。もしくは冬の間もエサがあるからでしょうか。チップモンクと言われる小型のリスもいますね。

 その他、シカ、クマ、ビーバー、カワウソ、ミンク、地ネズミ、野ウサギなど多くの野生動物がいます。あ!もちろん、白ふくろうのお友達の鳥さんや、大好きなお魚さんもたくさんいますよ。

 自宅敷地内や道路に死んだ野生動物を見かけたら、決して手でさわらずに、Toronto Animal Servicesという部門に連絡してください。その他の地域にも同様のサービスがあるはずです。

 もし野生動物が自宅に侵入したり敷地内に巣をつくって住み着いたりしても、決して自分で殺したりしないように。数年前、丹精こめて育てた野菜を食い荒らすアライグマを殴り殺して、動物虐待で逮捕された人がいます。
 捕獲まではいいとしても、殺すのは専門業者に任せたほうがいいようです。


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白ふくろう

1992年音響映像メーカー駐在員として渡加。8年の駐在の後、日系物流会社に転職、休眠会社を実業会社へ再生再建。2007年より日系企業団体事務局勤務、海外子女教育・日本語教育にも関心が高い。2009年より、ほぼ毎日トロントやカナダのニュースをブログ(カナダはいいぞ~。トロントはもっといいぞ~)で配信している。