国際機関で働く 第3回

~あなたも国際機関を目指してみませんか?~

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文=外務省国際機関人事センター 伊藤賢穂

第3回目「国際機関で専門職職員になる方法」

第三回目の今回は、国際機関の職員のうち、専門職職員になる方法を5つ紹介させていただきます。
国際機関の職員になる方法のもっとも一般的なものは、国際機関が出す空席公告に応募するというものです。
空席公告とは、民間企業でいう求人広告に相当するもので、英語では、post vacancy announcement と言います。前回、国際機関では、職員が退職したり、転勤したり、あるいは新しくポストができたりしたときに、ポスト毎に募集が行われると説明しました。このような募集は、空席公告をそれぞれの機関のウェブサイトに掲載して行われます。国際機関のウェブサイトの「Employment」、「Recruitment」、「Opportunities」などのセクションに掲載されています。

空席公告には、ポストの名称、ポストのレベル(ランク)、応募締め切り日、勤務地、勤務開始予定日に加え、そのポストの職務内容、職歴や学歴などの応募要件が記載されています。

余談ですが、国際機関人事センターのメール配信サービスに登録していただければ、月に2回、新しく出た空席公告の情報を受け取ることができます。また、国際機関人事センターのウェブサイトには、現在出ている空席公告のリストを掲載しています。
実は、既に国際機関で働いている人も、次のポストに就くためには、空席公告を見て応募し、選考プロセスを経て、ポストを獲得しなければなりません。現職職員と競争しなければならないので、国際機関での勤務経験がない人にとっては、非常に「狭き門」になっています。

2つ目の方法は、国連事務局ヤングプロフェッショナルプログラム(国連事務局YPP)の試験を受け、採用されることです。国連事務局YPPにつきましては、前回お話しましたが、今年の試験への応募は、9月12日(水)が締め切りです。まだ間に合いますので、多くの方に挑戦していただきたいと思っています。

3つ目の方法として、いくつかの国際機関が実施する若手育成・採用プログラムというものがあります。国際機関によって違いはありますが、基本的には、特定のポストを出して募集するのではなく、試験によって若手を採用し、何年間かの言わば「試行期間」を経て、優秀な人物を正規採用するというものです。このようなプログラムを有している国際機関としては、UNDP(LEAD:Leadership Development Prgramme)、UNICEF(NETI:New and Emerging Talent Initiative)、UNESCO、OECD(YPP:Young Professional Programme)があります。FAO(JPP:Junior Professional Programme)は、いくつかの特定のポストを出し、応募させるというスタイルです。FAOのJPPが8月末締め切りで募集されていましたが、現時点で、募集されているプログラムはありません。国際機関人事センターでは、ウェブサイトや先ほどお話ししたメール配信サービスで、新たに募集が行われた際にはご案内しております。

4つめの方法は、一部の国際機関が実施する採用ミッションに応募するというものです。近いところでは、FAOが8月上旬に、採用ミッションを日本に派遣し、面接を行いました。国際機関によって、具体的なポストをいくつか提示し、それらのポストへの応募者の選考を行うものや、特定のポストを用意せず、優秀な候補者を選別するための面接を行うもの、などがあります。採用ミッションのご案内も、国際機関人事センターのウェブサイトやメール配信サービスを通じて行っております。

5つめの方法は、外務省が実施しているJPO(Junior Professional Officer)派遣制度を利用する方法です。JPO派遣制度とは、将来国際機関で勤務することを志望する若手の日本人を対象に、政府が派遣経費を負担し、原則2年間国際機関で実務経験を積む機会を提供する制度です。派遣されたJPOは、派遣期間終了後に自動的に国際機関の職員になることはできず、自ら応募してポストを獲得しなければなりませんが、JPOを内部者やそれに準じた者職員として扱う国際機関もありますので、JPOを経験すれば一つ目の方法のところでお話した「狭き門」が広くなるという効果があります。また、JPOの派遣中の業務に対する評価やそこで築いた人脈などが、派遣期間後に応募したポストの採用に役立つということもあります。厳密に言えば、JPO派遣制度は、「国際機関の職員になる方法」ではなく、「国際機関の職員になりやすくなる方法」なのかもしれませんが、実際に、JPOを経験して国際機関の職員になった方は多くいます。
次回は、もう少しJPOのお話を続けたいと思います。