国際機関で働く 第4回

~あなたも国際機関を目指してみませんか?~

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文=外務省国際機関人事センター 伊藤賢穂

第4回目「JPO派遣制度について」

四回目の今回は、JPO派遣制度について、もう少し詳しく触れてみたいと思います。

日本のJOP派遣制度は、1974年以来実施してきており、これまで約1350名を派遣してきました。「日本の」と申しましたのは、JOP派遣制度は日本独自の制度ではないからです。JOPの「J」は「Japan」の「J」ではありません。日本の他にもドイツ、イタリア、フランス、オランダ、スウェーデン、スペインなど20ほどの国がJOP派遣制度を実施しており、それぞれ、自国民や国によっては開発途上国の国民をJOPとして国際機関に派遣しています。

JOPの任期は原則2年間ですが、その任期終了後に引き続き国際機関で働くためには、自分で空席ポストに応募して、採用されなければなりません。では、JOPとして派遣されることのメリットは何なのでしょうか。

まず、国際機関が求める有益な職歴を積むことができるということがあげられると思います。JOPとして国際機関で勤務する2年間は、基本的には自分の専門分野と関連した業務を行います。将来自分が就きたいと思うポストに関連する分野での2年間の職務経験を、それも国際機関で積むことができるということは、JOP自身の経歴にとって非常に大きなプラスになります。

もう一つの大きなメリットは、自分のことを国際機関に知ってもらうことができるということです。JOPとして勤務していた期間の評価や評判は、任期終了後にポストに応募する際に国際機関のネットワークを通じて確認されますし、JOPとして勤務していた期間によい人脈を作れば、それを通じて、ポストを紹介してもらったり、推薦してもらったりすることができます。

このようにJOPとして国際機関で2年間勤務することによって、国際機関の勤務経験がない方とは格段に違う環境を手に入れることができるのです。

実際に、JOPを経験した後に国際機関の職員になったという方は多くいます。例えば、本年1月の数字ですが、UNHCRでは日本人専門職職員58人中49人がJOP経験者です。実にUNHCRの日本人職員の85%が元JOPなのです。同様に、UNICEFでは69人中53人(77%)が、WFPでは39人中26人(67%)が、UNDPでは71人中43人(61%)が、それぞれ元JOPです。このようにJOP派遣制度は、国際機関の職員になるための非常に有益なツールだと思いますので、これから国際機関を目指す方は、まずはJOPということをお考えいただければと思います。
そのJOPの応募資格ですが、基本的には、
(1)応募する年の4月1日現在35歳以下であること
(2)国際機関の業務に関連する分野での修士号以上の学歴と国際機関の業務に関連する2年以上の職歴
(3)英語で仕事ができること
(4)将来にわたり国際機関で働きたいと思っていること
(5)日本国籍を有すること、です。なぜそれぞれ国際機関の業務に関する分野での修士号以上の学歴と2年以上の職歴を求めているのかと言えば、JOPの後に国際機関のポストを獲得するということがJOP制度の大きな目的であることと関係があります。前にお話したように、国際機関のポストでは、基本的には修士号以上の学歴と職務経験が求められます。JOPが終わった段階でポストに応募しようと思っても、修士号を持っていなかったり、職歴が足りなかったりして、応募できるポストがほとんどないということでは、その方をJOPとして派遣する意味がないと言わざるを得ません。したがって、JOPとして採用するための基準として、国際機関が通常求めているレベルに合わせた基準を採用しているということなのです。

国連をはじめとする国際機関では、開発、人権、人道、教育、保健、公衆衛生、環境などの分野に加え、IT、ロジスティクス、調達、法務、財務、広報、人事などの分野のポストがあります。また、工学、理学、農学、建築などの理系のバックグラウンドを有する人材も広く求めています。外務省といたしましても、幅広い分野でJOPを派遣し、その後国際機関で活躍していただきたいと考えております。、繰り返しになりますが、是非JOP派遣制度を活用していただきたいと思います。