カナダの祝日リメンバランスデーの奥深い背景|留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.50

11月になると、いよいよトロントは色んな場所で冬支度が始まる時期でもあります。デイライトセービングタイム(いわゆる夏時間)が終わり、半ばになるとダウンタウンでは早くもサンタクロースパレードが行われますね。毎年恒例のクリスマスマーケットも今年は11月半ばから開催されるようです。今月に入ると街頭で募金箱を片手に、プラスチック製の赤いポピーの花を人々に渡している制服を着た老人を見かけることがあるでしょう。街のLCBOなどの店頭でも募金箱が置いてあったりするのを見ると思います。また街ゆく人が皆そのポピーの花を胸につけているのを見かけることも。これには何の意味があるかご存知でしょうか?

日常生活編10: カナダの祝日リメンバランスデーの奥深い背景について少しでも学んでおきましょう。

このポピーの花は、11月11日のリメンバランスデーを象徴するエンブレムとされています。リメンバランスデーは日本語では戦没者追悼記念日と訳されたりするようですが、その名の通り、戦争で勇敢に戦って命を落とした兵士達を弔う記念日です。


第一次世界大戦の正式な終結を迎えたとされるのが、1918年11月11日。ドイツと連合国とで休戦協定が結ばれた日であり、これを記念して主にカナダなどを含めた英国コモンウェルスの国々で11月11日は追悼の日と定められています。現在カナダでは第一次世界大戦ばかりではなく、第二次世界大戦や朝鮮戦争、最近ではアフガニスタンなどに派遣され負傷したり亡くなったりした兵士達を追悼する意味でも、毎年この記念日にセレモニーが行われます。

街頭で制服を着て募金集めをしてポピーを配っている老人は、かつて第二次世界大戦や朝鮮戦争などで戦いに出た元兵隊さん(ベテランと呼ばれます)で、募金集めはこういった元兵士やその家族をサポートするための基金集めというわけです。日本人の立場だと(特に現代生まれの若い世代の留学生にとっては)こういった活動について耳にしてもあまりピンとくることもないのかもしれませんが、カナダではこのリメンバランスデーはオンタリオ州を含めた一部の州を除けば全国的な祝日と定められており、また募金に協力的な人も多いのが特徴です。だから沢山の人たちがポピーの花を胸につけているのですね。

ちなみに、ポピーの花が象徴になった由来は、かつてカナダ人(オンタリオ州ゲルフ市出身)の有名な軍医だったJohn McCrae氏が終戦を謡ったポエム「In Flanders Fields」でポピーの花について触れていることがきっかけになったそうです。このポエムとMcCrae氏については、故郷であるゲルフ市に現在記念館が建てられており、カナダの歴史における重要な人物と文学としても幅広く認知されているそうです。

また、かつての有名な戦地ではその一帯が赤いポピーの花で埋め尽くされ、まるで戦争で流された血を象徴しているかのような現象がみられたりもしたのだそうです。意外と奥深い意味合いを持つこのリメンバランスデーの祝日、知識として知っておくことにより、更にカナダについての興味が深まりそうですね。


hiroko-takabayashi-east-west高林紘子

East-West カナダ留学センタートロント社代表
大学卒業後2001年に語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに進学。 成績上位者Dean’s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diploma取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経たのち永住権取得。カウンセリングした留学生は延べ1千人以上にも及ぶ。
HP: www.eastwestcanada.jp

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