めるものえいご 第38回 ~失礼な英語~

先日、美容院に電話して、いつもの担当の方をお願いしたところ、「Sorry, she doesn’t have time for you.」。おそらく話している方の日本語の感覚としては、「すみません、あいにく空いている時間がないのです」と言いたかったのかもしれませんが、英語のニュアンスとしては、「悪いが、貴様に割く時間などない!」くらいきっつい表現だったりします。「I am sorry. Unfortunately she is not available today.」であれば意味が正しく通じます。特に電話やメールでは顔が見えず、誤解が起きがちです。知らず知らず、失礼極まりない英語表現を使っていたりしないでしょうか?ちょっと例を見てみましょう。

お電話ありがとうございます!あんた誰?(あんたの名前は?)
Thank you for calling. Who are you? (What’s your name?)
前半の丁寧さに比べ、後半の破壊力は衝撃ですね。May I ask who’s calling?(どちら様でしょうか?)などの丁寧表現はぜひ覚えたいものです。

お客様が、商品についてご不満だと申し出ています。
ご不便をおかけして大変申し訳ございません。何が悪かったん?
I’m terribly sorry for the inconvenience. What’s wrong with it?
商品のどういった所が問題でしたでしょうか?と申し出たいのであれば、Could you please tell me what the issue was with the product?などが適当です。

お客様が電話口で何かおっしゃったのですが、聞き取れませんでした。
なんて?What? クレームへとまっしぐらですね。何とおっしゃいましたか?と言いたいのであれば、Could you say that again?などが適当です。What’s wrong?(何があかんの?)など、基本的に、文字が少ないとぶっきらぼうなイメージになるのは英語も日本語も同じですね。

またなんかあったら言うてや。 Let me know if there’s an issue next time.
もし何か問題がございましたらどうぞ遠慮なくお知らせください。と言いたいのであれば、Please do not hesitate to ask me if ….などが適当です。お仕事探しのメールで、Let me know if you want to interview me. は、決して、「ぜひ面接についてお知らせください」とは理解されず、「あんたが面接したいんやったら教えてや」くらいの言い方になってしまいます。「I would love to meet you for an interview.(ぜひ面接でお目にかかりたいです)というように、直接的な表現にするのもわかりやすいですね。敬語がないとは言え、英語にも丁寧表現はあるという点には注意しましょう。

他にも、( )内くらいの意味として気軽に言ったのに、人間関係にひびが入りかねない一言としては、
I don’t know. (わからへん。)→実際には、「(そんなもん)知らんがな」のほうがニュアンスが近いので、意見を求められて、どうしても思い浮かばないのであれば、「Sorry, I can’t think of anything.(何も思いつかないです)」など具体的に言うのが無難。
Do you understand what I’m saying? (言ってること、わかって頂けます?)→実際には、「お前、分かってる?」と馬鹿にしているようにも取れます。「Did I make myself clear?(私は、わかってもらえるように説明できましたかね?」など自分を主語にするのも一手です。
Good for you!(よかったやん!)→実際には、「はいはい、よかったねぇぇ~。」と皮肉って馬鹿にするニュアンスのほうが濃いです。「I’m so happy for you!」のほうが文字通りの意味に近いですよ。
We need to talk. (しゃべろうや!)→「話があるんだけど。」とかなり深刻な言葉です。お話しよう!という文字通りに取って出かけると別れ話だった!なんてこともあり得ますのでご注意を。

それでもどうしても癖が抜けず、主人の成功に、「Good for you!(よかったね!のつもり)」と言っては、ムッとされることを5年間繰り返している私でした~。



merumo-unno-thorpe海野 芽瑠萌(Merumo Unno Thorpe)
日本の進学塾にて英語文法・受験対策で5年以上の指導にあたり、数多くの生徒を関西の有名高校へ合格させる。カナダでは英語教育者としての経験と、自身の留学経験を生かしながら留学エージェントへ勤務、その後語学学校にて更なる経験を積んだ後、2012年、トロントで最大規模の留学エージェントBRAND NEW WAYを起ち上げる。現在トロントマネージャーかつカナダ統括ディレクターとして、実践のみならず知識・教養としても役立つ語学留学の提供を目指す。
HP:www.bnwjp.com