【TIFF】「TOKYO TRIBE」主演のYOUNG DAISさん

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YOUNG DAISさん

Creators’ Lounge x TORJA

トロントを拠点に音楽・アート関連イベント情報のキュレーションや国内外アーティストのインタビューなどを行っているクリエイティブ・プロジェクトCreators’ Loungeがトロント国際映画祭出品作「TOKYO TRIBE」主演のYOUNG DAISさんを直撃インタビュー。クリエイティブ集団ならではの切り口で、同映画で俳優デビュー果たしたアメリカの高校を卒業し、日本でラッパーとして活躍しているYOUNG DAISさんの素顔に迫ります。


実際に舞台挨拶で観客のレスポンスを受けてどう感じましたか?

やっぱり映画の楽しみ方っていうのが全然違って園子温監督が今回つくったTOKYO TRIBEっていう本当にエンタテイメントの何者でもないあの映画をあんなに騒いで観てもらえるということは、日本人として、色んな映画館で映画を見たりする人間として、非常にうらやましい環境だったと思うし、そういう映画の楽しみ方があるんだなっていうことを人生経験上で知ることができて非常に価値のある時間だったと思います。

ドレイクの“Started from the Bottom”からサビ部分「Started from the bottom now we’re here. Started from the bottom now my whole team fucking here」を引用して舞台挨拶でラップをしていたと思いますが、そこに込められた気持ちとは?

young-dais-02今回の映画でたくさんのラッパーたちとか役者の皆さんが関わっていて、異種格闘技戦みたいな感じで、自分たちの分野のプロフェッショナルである人たちがひとつの作品をつくる上でお互いリスペクトをもってつくった作品に仕上がっていて、今回の“Started from the Bottom”は、みんなの気持ちを背負ってきているっていう部分もあるから引用しています。しかもラップに関して言えば、園子温監督に見出されなければこういう機会がなかったし、彼が僕をFamousにしてくれたし、Worldwideにもしてくれたから、そういう若かりし頃からやってきたストラグル的なものは、このトロントで産まれてそのことをちゃんと心に留めてレペゼンしながらアメリカのシーンでHIPHOPをしているトロントのスターであるドレイク(Drake)のあのRhymeで歌わないといけないし、このRhymeに自分がもの凄く共感していたっていう部分で今回は愛を込めてあのRhymeを使わせてもらいました。

音楽的にもDrakeから影響を受けた部分があるのでしょうか?

そうですね。やっぱりHIPHOPっていうものは常に変化を遂げていて、トレンドをどんどん追い続けないと変化を産まないし、その中で、HIPHOPのルールとしてやっぱり新しいものを追うのがルールっていうことは、やっぱりFreshであるっていうことは最低限の条件だと思ので、そういう意味では、新しいアプローチをどんどん世の中に提示しているDrakeや他のアメリカのFreshなアーティストに関しては凄くシンパシーを感じます。日本人のラッパーも同じで、歳は関係なくて常にフレッシュでその時代を象徴するするトレンド的なものを表現するっていうことは凄く魅力的で、そういう部分でDrakeに対してシンパシーを感じます。

今回俳優デビューとなったTOKYO TRIBEですが、演技の他にも激しいアクションシーンがあったと思います。そこに関して苦労したことは何ですか?

young-dais-03もの凄いリアリティのあるアクションで、CGっていうものを使っていなくて、ノースタントで、本当にリアルライフで起こり得る所作っていうのがでていて、なかなかそれを表現するのは難しいんだけど、生々しさがこの映画には残っていて、例えば、ワンピースを着ている女の子がハイキックをすればそりゃパンツが見えるだろっていう当たり前のことをリアリティをもって追求しているところが凄い重要だったと思いますね。そういう意味では、メラと海が最後に戦うシーンで、重たいバットと重たい刀を思いっきり振って思いっきりぶつけ合うっていうシーンでは緊迫感を出すのに本当に苦労があったし、そこをリードしてくれたのはメラ役の鈴木亮平君で、彼がアドバイスをくれたこともあってキャラクターに入り込んでお互い戦うことができて、躍動感とか臨場感が溢れたシーンになっているんじゃないかと思います。

リリックは皆さんご自身で書かれたのでしょうか?どのようにラップを台詞としてつくり上げていったのかをお聞かせください。

今回出演しているラッパーは自分が劇中で歌っているラップ部分に関しては、自分たちで作詞しているんですけど、台本の中に元々音符マークがあって、それは監督がここをラップにかえるぞっていう合図で、こういうことを言ってほしいというのを自分なりに汲み取って歌詞に変えるっていう作業をしているので、出演しているその人の言葉が台詞として出てきていて、そういう意味ではその人のキャラクターが100%表現されています。役者さんのラップに関しては、日本のラッパーのSIMON、EGO、MaryJaneが歌詞づくりとラップの指導をしていて、彼らが凄く心がけていたことは、僕らが当たり前にやっている最先端のフローだったり、ライムを役者さんにもチャレンジしてもらうことで、最初からラインを落とさずに高いレベルを基準にしたことで、HIPHOP的になんか超イケてんじゃんっていう部分を感じてもらえる要素になっていると思います。あとこれは僕たちにとって実験的なことなんですけど、今回EGOが英語字幕の監修もやっていて、この作品では英語字幕でもRhymeをしているんです。今回彼らやってくれた仕事というのは多大な功績を残してくれたと思います。

USシーンではラッパーが映画に出ることが当たり前になっていますが、日本人ラッパーが映画、ドラマ、メディアに出ることについてのご自身の考えをお聞かせください。

今回この映画で海の役を務めさせてもらうことは偶然であり奇跡なのですが、この撮影を終えて、これから先の自分を考えたときに自分にそういう可能性があるっていうことを感じられた以上、HIOPHOPっていう自分がずっと昔から憧れて大好きで没頭している生き方としてのHIPHOPを世の中に広めることは、ある意味許された人間にしかできないと思っていて、そこに消極的になることは絶対ないなと思っているので、これからもまた機会があればといいなと思うし、これからも色々なフォーマットでラップ・ミュージックをアートとしてつくっていきたいと思います。

TOKYO TRIBEは日本語ラップが世界に広く知られるひとつのきっかけになったかと思うのですが、日本人ラッパーが楽曲を世界に発信していくことについてご自身の考えをお聞かせください。

英語に関わらず僕らが外国の曲を聴いていて盛り上がれる理由というのは、その言葉がもっているメッセージだけじゃなくて、グルーヴが大切で、そこに関して日本人のアーティスト達がもっているポテンシャルはもの凄く高いと思っていて、日本人が日本語でやるから意味が分からないっていうのは僕にとってはナンセンスで、凄く良いグルーヴをつくれるからそれを世の中に広めるというのが大事だと思います。そういう意味で、今回のTOKYO TRIBEというのはその一片を担ってくれた僕らの希望だと思います。

これに関連して、英語の歌詞を取り入れることについてご自身の考えをお聞かせください。

日本語でラップをしているから、今のところは日本人の方に向けてラップをしていますが、そこになぜ英語が交じるのかというと、僕がカッコいいなと思うHIPHOPのエッセンスとしての英語と、留学していたということもあって、僕が生きてきた中で英語というものが僕に寄り添ってきたからです。僕のCDのリリック・ブックの英語のセンテンスには、必ず日本語訳が入っていて、日本語だけで成り立っているものを英語に直して覚えるのではなくて、英語をひとつのセンテンスとしてもし皆がそれを覚えたら、実際に外国の人と話すときにも使ってもらえるような工夫もしています

トロント在住の日本人にメッセージを一言お願いします!

海外に来る理由というのは人それぞれ違うと思いますが、やっぱり日本人として誇りをもってやって欲しいし、「こいつらはぶちかませるやつらなんだ」っていうようにしていって欲しいです!


Main Interviewer & Writer: Takahiro Sasahara
北海道東神楽町出身。トロント在住。Creators’ Lounge Editor/Writerとして国内外アーティストのインタビューなど、音楽関連記事を中心にウェブ・コンテンツを発信中。
Interviewer, Photographer & Coordinator: Jumpei Komura
鹿児島県出身。トロント在住。Creators’ Lounge Editorのほか、JPC Works名義で映像メディア、「the background」の運営やアーティストMVの制作、PHOTO ZINEの制作等幅広く活動中。