令和8年 新年の言葉「在トロント日本国総領事 松永 健」

令和8年の年頭にあたり、TORJAの読者の皆様に、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年は日本やカナダに関わる大きな出来事が相次ぎました。1月の米国新政権発足とその後の関税交渉等、3月のマーク・カーニー新首相の就任、4月の連邦総選挙での同首相率いる与党自由党の勝利、4月から10月の大阪万博、6月のカナナスキスでのG7首脳会議、10月の高市早苗内閣総理大臣の就任等です。
オンタリオ州でも、2月の州総選挙での与党進歩保守党の勝利、その後の重要鉱物開発等の取り組み、小型モジュール炉(SMR)等の電源開発、人工知能関連の投資、11月のワールドシリーズ、G7外相会合、12月の経団連カナダ委員会の訪問等がありました。連邦下院議員の3分の1以上を選出しカナダのGDPの約4割を生み出す等、カナダ全体でも重きをなす同州での動向は注目されました。
本年、オンタリオ州では、米国の関税からの州経済の防衛、州北部の開発、電源開発、交通インフラ整備、治安対策、医療アクセス改善、高齢化社会対応等の課題への取り組みが進められるでしょう。同州は、米国と深く一体化した経済の現状や、先住民を含む多様な社会各コミュ ニティーとの調整の必要等を踏まえながらこれらに取り組むことになります。
製造業で見られる、電気自動車販売の停滞や米国関税政策の打撃と、産業やモビリティの電気化に向けた長期的な市場成長と供給網戦略を見据えた投資等の同時進行や、急速に成長するAI、クリーンテック、ライフサイエンス等の分野の投資の環境が、どのように展開を見せるかにも注目したいと思います。
当地では日本人や日系カナダ人の皆様が舞台芸術、視覚映像芸術、伝統文化、デザイン、工芸、武道、食文化を含む各分野で活躍しておられます。当地での友好的な対日観の拡大にも貢献しておられるこうした皆様の活動を本年も支援して参ります。
在外選挙権等、国民の皆様の当地での権利の行使を含め、領事事務に関しては、当館の業務遂行の手順等について不断の見直しを実施し、適切な業務実施に遺漏のないよう努めます。
当地での主要犯罪発生件数は全体として減少傾向にある趣ですが、民族的属性に起因する暴力や嫌がらせが多く発生していること等も踏まえながら、皆様の安全と安心の向上に取り組みます。
当館の領事関係業務や皆様の安全・安心に関わるご指摘や情報があればご遠慮なく私にまたは当館代表メール宛等にてお知らせくださいませ。
本年が皆様にとって素晴らしい年となることを祈念致します。在トロント日本国総領事館として皆様のお力になれるよう取り組んで参りたいと考えますところ、本年もどうかよろしくお願い致します。
令和8(2026)年 元旦
在トロント日本国総領事 松永 健














