【第三回】日本への帰国手続き~国際結婚夫婦が日本で暮らすには~ 2|ACROSEED|知って安心!海外と日本をつなぐ法務サポート

前回からの続きです。
3.日本に家族がいない場合のCOE申請
COEの申請には日本に親族がいなければ申請できないことをお伝えしましたが、では「日本に誰も頼る人がいない場合はどうするか?」です。何のひねりもなく恐縮ですが、①日本国籍者だけ先に帰国する、②トロントの日本領事館で直接申請する、の二択になります。しかも、②は審査期間が長期にわたるため現実的ではなく、①を中心に考えることになります。
①の場合では、ご夫婦の内のいずれか日本国籍を持つ方が先に帰国し、最寄りの市区町村役場で住民登録を行ったうえで、出入国在留管理局にCOEの申請を行います。当然ですが、カナダ国籍の配偶者が一緒に帰国することはできません。COEを申請してから結果が出るまで最短でも約2か月、それからトロントの領事館などでビザ申請(これはCOEが取得できているので通常は4~5日で発行されます)をして、晴れて「日本人の配偶者等」で無事入国できます。
この方法は、夫婦2人だけならいいのですが、お子さんもいる場合にはかなり大変です。入国後にカナダ国籍のお父さんかお母さんが来日するまでの数か月間は、日本側ではワンオペで子育てをすることになるからです。市区町村役場、出入国在留管理局にはじまり、引っ越し、学校の選定、仕事探しなど、一番バタバタするときに片親しかいない状況になります。または子供をカナダに残して配偶者のビザが取得できた際に一緒に来日することも考えられますが、この場合でもカナダ側でワンオペになりお仕事などに影響が出るケースがほとんどです。カナダ側のおじいちゃんやおばあちゃんが一時的でも子供の面倒を見てくれればいいのですが、なかなかそうもいきません。
こんな時に多くの方が考えるのが、「カナダ国籍の配偶者が日本人の配偶者と一緒に「短期滞在」で入国すればいいじゃない?」というものです。確かにカナダ国籍であれば「短期滞在」で最長90日間は滞在できますが、原則として日本国内での「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への変更申請は認められていません。
例外的に、「短期滞在」(90日)で日本入国後にCOEの申請を行い、90日間の滞在期間内にCOEが発行された場合には、国内での申請を受け付けてくれる場合があります。
とはいえ、法的に認められている手続きではなく、審査官からしたら「申請者の便宜を図って特別に対応してあげましょう…」というスタンスですので、申請を断られることも十分に考えられます。
しかも、短期からの変更申請は最近ではどんどん厳格化されており、専門家としては全くおすすめできません。
じゃ、「COE取得した後に一回海外にでてビザ申請してくればいいんでしょ!」と考え、「東京から3時間でいける外国…韓国で焼肉を食べながらビザ申請を…」となりがちですが、現地の日本大使館などでは、長期滞在している外国人を除き、原則として受付けしくれません(大抵の場合、観光客は却下されます)。そのため、「短期滞在」で入国した場合には、最悪は一度カナダに戻ってビザ申請して再び戻ってくることを覚悟しておく必要があります(国内で変更できたら「ラッキー」と言う感じです)。
あとは、「短期滞在」での入国時に滞在目的をどう伝えるかも頭を悩ませるところです。「入国後は家族の面倒をみながらCOEの申請を行う予定です」って正直に言えば、「じゃ、ビザ取ってから入国してください」って言われるのは確実です(嘘つくわけにはいきませんしね…)。また、短期滞在の90日でないと国内での変更の可能性はゼロにになるので、15日でもなく、30日でもない理由を述べなければなりません。
このように日本国内に申請人になってくれる人がいないと、なかなか大変な思いをすることも考えられますので、なるべくなら国内で申請人を探す方が手っ取り早いことの方が多いです。とはいえ、お客様によって状況は様々ですので、お困りのことがあれば専門家である行政書士に一度ご相談頂ければ幸いです。
次回は、在留手続きの際の「収入証明」についてお伝えします。

代表社員 行政書士 佐野 誠
行政書士法人ACROSEED(アクロシード)行政書士法人 ACROSEEDは1986年より約40年に渡り、「社会の調和と活力のあるグローバル化」に貢献するため、“外国人に特化した日本の法務サービス”を提供しています。外国籍配偶者やお子さんの日本滞在、永住権や日本国籍の取得、外国人の相続手続きなどを専門に扱っています。Website: https://www.acroseed.co.jp/Email: info@acroseed.co.jp
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