【第四回】在留資格「日本人の配偶者等」の取得|ACROSEED|知って安心!海外と日本をつなぐ法務サポート

「日本人の配偶者等」と収入証明
日本に長期滞在するために一般的に必要となる「日本人の配偶者等」の在留資格ですが、これを取得するためには大まかに次の書類が求められます(詳しくは出入国在留管理庁のHPで確認してください)。
①申請書 ②戸籍謄本 ③結婚証明書 ④日本での収入証明 ⑤身元保証書 ⑥質問書 ⑦交流が確認できるもの
これだけ見ると(何か簡単そうじゃない?)と思えるかもしれませんが、「これがあれば申請を受け付けますよ」というだけであって、「許可が出ますよ」とは誰も言っていないことに注意してください。入管法の原則は「申請人が自ら要件に合致することを立証しなければならない」とされています。前述の資料は一般的に求められる資料であって、個々の条件によっては当然に異なります。また、審査官から積極的にヒントをくれる訳でもないので、自分で(これも提出したほうがいいだろうか?)と考えて提出していくことになります。
例えば、⑦の「交流が確認できるもの」については、普通は交際時の写真などを添付することになります。しかし、以前、東京入管で申請の順番待ちをしていた時のことです。フィリピン人の嫁さんの申請が不許可になった高齢の日本人男性が怒り狂ってカウンターで怒鳴り散らしていました。「何で俺の申請が不許可なんだよ!結婚が偽物だっていうのかよ!」これに審査官が「そんなこと言っていません。婚姻が十分に立証されていないと言っているだけです。」…こんなやりとりが続くこと30分。男性が最後にバッグから取り出したのがビデオテープ。「この映像をみろ!俺たちの愛情が本物だってわかるはずだ!」…(本気ですか?何?何が映ってるの?)待合室にいた全員の妄想だけが膨らんでいきましたが、審査官は頑なに受け取りを拒否していました。受け取った後で「感想を言え!」とか言われたらたまらないですものね…。
こんな感じで、入管に何を提出するかはご本人次第ということになります。そんな中で、カナダから日本に戻ってこられた家族が最も悩むのは、「日本での収入証明」です。日本で仕事をしている人の場合は、住民税の課税証明と納税証明を提出することになりますが、そもそも日本に住んでいないので、そんなもの出せる訳がありません。一応、出入国在留管理局も帰国した家族に配慮して、「提出できない場合は、残高証明書や採用内定通知書を提出してください…」と言っていますが、これだけで許可をくれるような甘い役所ではありません。ここで入管が確認したい事は、「入国した後に仕事が見つからなくて、生活保護を申請するとか、日本政府の負担になることってないよね…」という確信が欲しいのです。
残高証明と言われても、家族そろって東京に住むのなら家賃、光熱費、食費…と考えて1年でいくらぐらいかかるかを考える必要があります。しかも、「1年分だけでOK!」なんてことはなく、4~5年分の貯えがあった方が良いに決まっています。それにプラスして入国後にどうやって仕事を見つけて生計を立てていくのかを立証していかなければなりません。また、入管は取り崩していく貯蓄というものをほとんど信用してくれず、給与のように毎月安定して入ってくる収入を重視する傾向があります。ちなみに、株式やファンドの配当なども「来年はどうなるかわかりませんよね…」とあまり高評価には結びつきません。
夫が日本国籍の場合にはお仕事が確保されていることが多く、収入証明があまり問題となることはありません。しかし、妻が日本人で夫がカナダ国籍の場合は、外国人である夫が日本ですぐに仕事を見つけるは難しく、ここをどう切り抜けるかは頭を悩ませるところです。専門家である私たちもお客様の個人的な生活状況などをお伺いして、その場で立証方法を考えているのが実情です。様々なケースの申請を業務として何十回も経験している専門家と、多くても人生で1~2回の一般の方が行う場合とでは、このような点で申請結果に違いが出てきます。
個別に「こうしたらいいですよ」とはなかなかお答えできませんが、ACROSEEDでは無料でご相談に対応しておりますので、お困りのことがあればお気軽にご連絡頂ければ幸いです。
次回は「日本人の配偶者等」とお仕事についてお伝えします。

代表社員 行政書士 佐野 誠
行政書士法人ACROSEED(アクロシード)行政書士法人 ACROSEEDは1986年より約40年に渡り、「社会の調和と活力のあるグローバル化」に貢献するため、“外国人に特化した日本の法務サービス”を提供しています。外国籍配偶者やお子さんの日本滞在、永住権や日本国籍の取得、外国人の相続手続きなどを専門に扱っています。Website: https://www.acroseed.co.jp/Email: info@acroseed.co.jp
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