【第六回】在留資格「日本人の配偶者等」の取得③|ACROSEED|知って安心!海外と日本をつなぐ法務サポート

「日本人の配偶者等」と申請理由書
カナダ国籍の配偶者が日本に長期滞在する場合、一般的には「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することになります。この提出資料の中には「質問書」という資料があり、これに記載ができない(書ききれない、もっとアピールしたいことがある)場合には、「申請理由書」という資料を添付することができます。
「申請理由書」の説明に行く前に、「質問書」について触れておきたいと思います。この内容としてはご夫婦の出会いから現在に至るまでの経緯を根掘り葉掘り探る質問が列挙されています。
はっきり言えば「在留資格の取得だけを目的とした偽装結婚じゃないか?」を確認するための資料です。
友人や家族にも話したことない恥ずかしい出会いの経緯や、どちらからプロポーズしたかなどのスーパー個人情報を延々に記入することになります。
私たちも仕事としてお客様の事情を伺いながらこの資料を作成していくのですが、中には聞いているこちらの方が恥ずかしくなるような情熱的な恋愛をされている熟年カップルや、(え?そこの関係に手を出しちゃったの?結婚できたからよかったけどさ…)と思うような方もたくさんいらっしゃいます(もちろん守秘義務があるので、絶対に誰にも話しませんよ…)。
なので、この仕事に関してはなるべく友人や知人の仕事はしないようにしています(あの当時のこんな事、知りたくなかった…と思う事多数です)。
カナダ国籍者と日本国籍者の婚姻の場合は、そこまで経済格差がある訳ではないので、偽装結婚を疑われるようなケースはあまりありません。なので、普通にありのままに記載して頂ければよいかと思います。
最近結婚したばかりのご夫婦は割とすんなりと書けると思いますが、カナダで結婚して何十年も連れ添っているご夫婦となると「今更こんな内容を…」と、いろいろな思い出がよみがえって作業がなかなか進まないこともあるようです。妙な事を蒸し返して、夫婦ゲンカを起さないように頑張ってください。
ちなみに、偽装結婚が疑われる典型的なケースは、日本人が男性の高齢者、お相手が発展途上国の若い女性の場合です。
ほとんどのケースでは、悲しいかな…日本人男性は本気で奥さんが自分のことを愛してくれていると思いこんでいますが、外国籍の奥さんからの話を聞くと(う~ん…)と首をかしげたくなることばかりです(結婚前提なのに奥さんの部屋に1回も入ったことないってあり得なくない?)とか、(2週間ごとに奥さんが住む場所が変わるってどういうこと?)と、だいたい日本人男性の周りでは不思議な出来事が多発します…私たちも専門家として対応に苦慮する場面です。
さてさて、「申請理由書」に話を戻しますが、こちらの提出は全くの自由です。書式もありませんし、タイトルも何でも構いません。在留申請に有利となりアピールしたいことを積極的に審査官に知らせて、説明するためのものです。勘違いされそうな点、疑われそうな点、疑問に思われる点を前もって知らせることで、追加資料の提出などを回避するためのものです。
ただし、注意して頂きたいのは、「言わなくても良いことを、わざわざ言ってしまう」ケースがあることです。法違反ではないものの道徳的に(どうなの?)と思わせる内容や、明らかに審査上で不利になる内容です。とはいえ、事実を隠して申請することはできないので、この辺の判断は難しいところです。
ちなみに、申請書類に虚偽の記載を行うと当然ながら不許可…それで済めばいいのですが、最悪の場合は虚偽申請で「公正証書原本不実記載罪」(公務員に対して虚偽の申告を行い、登記簿や戸籍簿などの公正証書の原本に事実と異なる記載をさせること)や、入管法の「在留資格不正取得」などに該当することも十分に考えられます。
また、意図的に事実を隠ぺいした場合なども同様となりますので、対応で悩む場合には行政書士などの専門家にご相談下さい。
次回は「日本での生活と子供の学校問題」についてお伝えします。

代表社員 行政書士 佐野 誠
行政書士法人ACROSEED(アクロシード)行政書士法人 ACROSEEDは1986年より約40年に渡り、「社会の調和と活力のあるグローバル化」に貢献するため、“外国人に特化した日本の法務サービス”を提供しています。外国籍配偶者やお子さんの日本滞在、永住権や日本国籍の取得、外国人の相続手続きなどを専門に扱っています。Website: https://www.acroseed.co.jp/Email: info@acroseed.co.jp
Phone: 03-6905-6370(代表)






