【第16回】第13回JAMSNET(Japanese Medical Support Network)ワールド会議|カナダ新移住者とトロント日系コミュニティー
5月8日、9日の2日間、オタワを訪れ、5月9日に在カナダ日本国大使館で開催された「第13回 JAMSNET(Japanese Medical Support Network)ワールド会議」に参加しました。
JAMSNETは、日本語で医療・福祉・メンタルヘルスなどに関する支援や情報提供を行うネットワークで、カナダ、アメリカ、ドイツ、日本、シンガポールなど、世界各地で活動が広がっています。今回の会議では、各地域での取り組みや、海外で暮らす日本人が直面する課題について、具体的な事例を通して学ぶ貴重な機会となりました。

海外で生活していると、体調が悪い時に病院へ行く、怪我をした時に医療機関へ相談するという、日本では当たり前に思えることが、言葉や制度、文化の違いによって難しく感じられることがあります。特に不安な時や緊急時には、母語で情報を得られること、そして安心して相談できる相手や場所があることは、心身の健康を支える大切な要素です。
今回の会議を通じて強く感じたのは、医療支援は病院やクリニックの中だけで完結するものではなく、コミュニティーの中で人と人をつなぎ、安心できる居場所をつくることにも深く関わっているということでした。医療の専門家ではない私にとってもわかりやすい内容が多く、それぞれの専門性や経験、知識をどのように地域社会へ還元していくかという視点が大変印象に残りました。

また、今回の会議が在カナダ日本国大使館という日本政府を代表する公的な場で開催されたことにも、とても意義深く感じました。山野内大使は日本から、JAMSNET創立者対談の司会をZoomで務められ、現地オタワでは石井公使を中心に、大使館の皆さんがレセプションと会議の場を支えてくださいました。公的機関、専門家ネットワーク、そしてコミュニティー団体が同じ場に集まり、医療、福祉、ウェルネスについて意見を交わすことは、海外で暮らす私たち日本人の安心を支える大切な基盤になると感じました。

現在、日系移住者コミュニティーは、世代、移住の背景、言語環境、家族構成などがますます多様化しています。その中で、ウェルネスは今後のコミュニティーづくりに欠かせない柱の一つです。私個人的には、健康とは、病気や怪我を治すことだけではなく、必要な時に正しい情報へアクセスできること、安心して相談できること、そして地域の中で孤立せず、自分の居場所を感じられることにもつながっていると考えます。
今回のJAMSNETワールド会議は、医療という枠を超えて、海外で暮らす人々の安心、安全、そしてつながりについて改めて考える機会となりました。コミュニティーが多様化し、課題も複雑になっていく中で、専門家だけに任せるのではなく、地域の団体や個人が連携しながら、誰もが安心して暮らせる環境をどうつくっていくのか。今回の学びを、今後のコミュニティー活動にもつなげていきたいと思います。

文章=原あんず
トロント都道府県人会・連合会会長
全カナダ日系人協会(NAJC)
新移住者委員会(JNIC)委員長










