自分の目的やニーズに合った情報を選び、実際に 試してみて効果を確かめる|オリンピック選手もサポートするカナダ公認マッサージ・セラピストが教える身体と健康【第121回】
アスリート向けの技術的な情報やトレーニング方法は非常に多く、情報過多の状態になりがちです。新しいトレーニング理論や技術、栄養学の進歩が日々発表されるため、どの情報が自分にとって最適かを見極めるのが難しいことがあります。重要なのは、自分の目的やニーズに合った情報を選び、実際に試してみて効果を確かめることです。
とはいえ、自分自身、もしくは自分の子供たちのアクティビティに於いて具体的に、何をすべきかはなかなか難しい問題です。しかし、ここをスキップしてしまうと、ただ試合の結果だけにこだわるなど、スポーツを楽しむ事なく偏った方向に行ってしまうので検討すべきだと思います。
誰もが自分のフィールドで頂点に立てるわけではないので、試合の結果のみを目標にするよりは、自分の最大限のパフォーマンスを出せる様なアスリートを目指すなど各々の目標設定が必要です。この様な観点に立つと目標達成のために次の様な事に取り組む必要があると思います。
アスリートにとって必要な体の動きとトレーニング方法は、スポーツの種類や競技レベルによって異なりますが、一般的には次の要素が重要です。
必要な体の動き
柔軟性: スポーツ特有の動作において、関節や筋肉の柔軟性が求められます。ストレッチや動的なウォームアップが有効です。
バランスと協調性: スポーツの動きにおいて、体のバランスを保ちつつ協調して動く能力が必要です。バランスボードや片足立ちのトレーニングが役立ちます。
力強さとパワー: スポーツに応じた筋力と爆発的なパワーが重要です。ウエイトトレーニングやパワークリーンなどの高強度のエクササイズが効果的です。
持久力: 長時間にわたって高いパフォーマンスを維持するための有酸素能力が求められます。ランニングやサイクリングなどの持久力トレーニングが適しています。
トレーニング方法
コンディショニング: 基本的な体力を高めるためのトレーニング。全身の筋力や心肺機能を強化します。
スキルドリル: スポーツに特化した技術や動作を磨くための練習。例として、バスケットボールのドリブルやサッカーのボールコントロールが挙げられます。
体幹トレーニング: 安定性を高めるために体幹を鍛えます。プランクやロシアンツイストなどのエクササイズが有効です。
レジスタンストレーニング: 筋肉を強化するためのウェイトトレーニング。スクワットやデッドリフトなどが代表的です。
インターバルトレーニング: 短時間の高強度運動と回復を繰り返すことで、心肺機能と持久力を向上させます。
リカバリー: トレーニング後の回復が重要です。ストレッチ、マッサージ、休息などで体の回復を促進します。
アスリートとしての成功には、これらの要素をバランスよく取り入れ、自分の競技や目標に応じたプログラムを実施することが大切です。トップレベルのチャンピオンを目指すには、これだけの項目を上手くクリアしていかなくてはいけないのですが、ここが殆ど理解されていない現状があります。逆にこの様な項目を理解した上で将来的な大きな目標が決まっていると成功プランが立てやすく目先の練習や結果だけに振り回される事を防げると思います。
この他にもアスリートが失敗する要因はいくつかあります。
主なものとしては次が挙げられます。
メンタル面の問題: プレッシャーやストレス、集中力の欠如、自己信頼の不足などが影響することがあります。
フィジカルな問題: 怪我や体調不良、過剰な疲労などがパフォーマンスに影響を与えることがあります。
技術的な不足: トレーニング不足やスキルの未熟さも失敗の要因となります。
戦略の誤り: 不適切な戦術や試合運びのミスも結果に影響することがあります。
環境的要因: 外部環境やサポート体制の不足、競技条件の変化なども影響を及ぼすことがあります。
これらの要因は単独で作用する場合もあれば、複数が組み合わさって影響を与えることもあります。現実問題として、これらを全て整えるのは難しいのですが、少なくともこれらを理解した上で自分のレベルに合ったバランスの取れた方法を確立することが、自分の100%のパフォーマンスを発揮することに繋がりますし、金メダルが取れなくても100%のパフォーマンスが出来れば納得のゆくアスリートキャリアを過ごせると思います。
怪我などのトラブルが無く、表面的に上手く行っている状況で、この様な面倒な事に目を向けるのは難しいのですが、楽しいはずのアスリート生活をミゼラブルに止める羽目になるアスリートの数の多さからすると、是非知っておいて頂きたい事柄です。