トロントの本屋さん2023年1月『世界2.0 メタバースの 歩き方と創り方』 『僕の心のヤバイやつ』 『剣持麗子の ワンナイト推理』
明けましておめでとうございます!今回の特集は「カナダに関する2022&2023のハイライト」ということで、2022年を振り返りながら新しい年におススメの本を紹介していきたいと思います。
フェイスブックが社名をメタ(Meta)に変更してから1年以上経ちました。メタバース、Web 3.0等々、バズワードに乗り遅れたくない方におススメなのが、佐藤航陽著『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』(幻冬舎)です。
著者ご自身もIT事業を複数立ち上げ、現在は衛星データをAIに学習させ3DCG技術を使ってバーチャル空間にもう一つの「地球」を自動生成するアルゴリズムの開発をされているそうです。
ルネッサンスまで遡り、人類の辿ってきた新しいコトに対する世間の反応や現在のデジタルネイティブのモノの見方を分析しながら、近未来がどうなるかを予想しています。
新しい技術が開花するにはタイミングも大事です、またそれらを使ったビジネスの成功の秘訣も紹介されています。
23年4月からアニメ放送開始となるのが、桜井のりお著『僕の心のヤバイやつ』(秋田書店・既刊7巻)です。スクールカースト底辺、陰キャで低身長の市川京太郎は、カースト頂点、美少女、高身長の山田安奈を殺したいと心の中で思い、しかもカッターを忍ばせるヤバイやつ。殺害したい動機は、安奈が京太郎をバカにし見下していると感じているからです。
しかし安奈が校内持ち込み禁止のお菓子を図書室で食べている意外な姿を目撃してからは、京太郎自身も勝手に彼女のイメージを作っていたことに気づきます。自分への評価が低い京太郎は安奈からの誘いにも全く気付きません。
てんで勘違いの反応をしたり突拍子もない行動に走ったりするのですが、徐々に仲良くなる二人にニヤニヤが止まりません。ヤバイやつにならないようにカフェ等の公共の場は避け一人の空間で読みましょう!
デビュー作にして2022年に実写ドラマ化となった『元彼の遺言状』の続編、新川帆立著『剣持麗子のワンナイト推理』(宝島社)も是非に手に取って頂きたい小説です。都内の大手法律事務所で働くかたわら、一般民事の相談も乗る羽目になった剣持麗子のスマホは今夜も鳴り止まない!
5編の短編からなる本書ですが、訳ありホストの黒丑益也、クセのある新宿警察署係長・橘五郎は全編を通じて登場します。ネタバレになるので、言えませんが最後まで読むとあ~!と伏線回収が出来てグッスリ眠れますよ。著者の新川さんご自身も弁護士であり、プロ雀士の活動経験ありの異色な経歴をお持ちです。
本が売れなくても生活できる経済的な基盤をつくろうと国家資格である医者を目指すも試験に落ちたので弁護士になると決めたそうです。
書籍や動画などでその道のプロの方が、才能なり、優れているものは2つ以上持っていないと生き残れないとお話しされていたことを思い出しました。
本書の表紙カバーの後ろにはちょっと工夫が、最後にめくるのもお忘れなく!
それでは、また次号でお会いしましょう!
トロントにある日本の本屋さん Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。3160 Steeles Ave E, Toronto(J-Town内)
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