【解説】およそ約8兆3500億円。カナダ・経済救済策 合計1070億ドルの内容 新型コロナウイルス
3月25日、政府にて可決された経済救済策は、合計1070億ドル(約8兆3500億円)にも登る大規模な救済策だ。今回の経済救済策の中には一体何が含まれ、誰が救済策の対象になるのか。気になる質問に答えるべく、この救済策の具体的な内容をここに示していく。
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今回の経済救済策(Canada’s COVID-19 Economic Response Plan)は大きく二つに分けられる:
①個人・事業に向けた救済策
②企業の流動性を高めるための救済策
個人・事業に向けた救済策
まず、今回の新型コロナウイルスにより職を一時的に失うなど多大な影響を受けた人のための救済策として、520億ドルが以下の支援に充てられる。
- 雇用保険(EI)に該当しない人のための緊急支援(Canada Emergency Response Benefit / CERB)→こちらの記事を参照
- 一時的な児童手当の増額: およそ20億ドルが児童手当の増額に充てられる。
そのほかにも、低所得者のための支援策として、消費税(GST)が控除されることや、学生ローンの返済猶予を6カ月間無利息にすること、さらに納税者のための策として、個人の納税申告の期限を6月1日まで延期することも今回の救済策に盛り込まれている。
企業の流動性を高めるための救済策
新型コロナウイルスにより影響を受けた、もしくは受けるであろう企業のための救済・支援策に充てられる。
- 政府によるローン・保証・保険: 規模を問わず、企業は政府によるローンや保証、保険などの金銭的援助を受けることが可能。
- スモールビジネスの給与援助: 対象企業に対して従業員の給与を賄うべく、全従業員の給与の10%を政府より支給。上限は従業員一人当たり1375ドルまで、一企業あたり2万5000ドルまで。
- 納税期限の延長: 企業による所得税の納税期限を8月31日以降へ無利息で延長。
また、当初の救済案の上に新たに加わった内容として、医薬品および医療サービスの確保や、農業者へのサポートなど、今の状況で特に必要とされる事業に特に手厚いものとなった今回の救済案。最新の情報はカナダ政府の公式ウェブサイト(www.canada.ca)にて確認することが可能。また、情報は随時更新されるため、頻繁に確認することもおすすめする。