【COVID-19カナダニュース】ケベック州 新型コロナウイルスを受けて介護施設で重過失の疑い
ケベック州の検死官は、西モントリオールに位置する民間長期介護施設Herronでの死者が続出した件について重過失の疑いで捜査を開始することを発表した。施設では先月13日から約150人の住人のうち31人の高齢者が亡くなっていることが判明し、死因が暴力的、原因不明、過失によるものでないかなどの捜査が警察、州の保健省によって行われる。
ルゴー州所長は、少なくともうち5人の死因が新型コロナウイルスによるものであったことをすでに発表。施設の最初の視察があった先月29日はスタッフの職場放棄が原因でひと気のなさが目立ったなどといった声があった一方で、昨日の訪問によると医師や看護師による統制のとれた現場が保健委員会長によって報告されている。
ボランティアで昨日施設を訪れたソーシャルワーカーは、亡くなった人の臭いを感じたり施設利用者の手当てされるべき傷の手当てが長い間行われていないなどの場面を目撃したと語った。また、ある利用者の遺族は看護師やスタッフとの連絡が数日間取れず突然祖父の訃報を知らされたと述べた。施設所有者や地域保健当局(West Island Regional Health Authority)に対して遺族による集団訴訟の動きも起こっている。施設所有者からの声明はまだない。州政府は、今回の施設が初めてであるが近日中に州の全民間長期介護施設40箇所の視察を行うとした。
本文=TORJA特派員 川田英奈