【食の編集部】パッケージデザインもオシャレ!オンタリオのクラフトビール 飲み比べ!|特集 「ブリュワリー・バー&オンタリオ・クラフトビール 」#トロントグルメ部
暑い夏に飲むビールはやっぱり美味い!世界各地でクラフトビールは人気だが、ここオンタリオ州の地ビールも味わい・喉越しともに最高だ。そしてパッケージのデザインもお洒落でそれぞれのビールの特徴を表している。今回はビール大好きの「食の編集部」スタッフが覚えておきたいビアスタイルの知識とともにおすすめするクラフトビールを徹底紹介!
ビールの名前
ブルワリー:醸造している醸造所名
スタイル:公表されているスタイル名
ABV:アルコール度数
IBU:苦み指数 *( )は非公式な数値
*ABV=Alcohol By Volumeの略。
*IBU=International Bitterness Unitsの略。苦みの度合いを数値化した国際的な指標で、高いほど苦みが強い。世界的によく飲まれているビールのIBUは20程度。
クラフトビールを徹底紹介!
トロント発、クリアな色に驚きの味わい
1. Sucker Punch Red Raspberry Sour Ale
赤いビールをイメージさせるが、意外にもクリアな黄色いビールだ。香りにほんのりとラズベリーの雰囲気を感じる。お味はラズベリージュースのような甘酸っぱさもありつつ、全体的には穀物感を感じるちょっと不思議なビールである。後味には草っぽい苦みもあり、この1本で様々なキャラクターが出現する。こんなビールも存在するんだ、と新たな認識を示してくれるようなビールと言える。
Double Trouble BrewingはIPAやサワーが得意なブルワリー。「少ない醸造量で自分たちが飲みたいビールをつくる」という理念のもと、トロントで醸造をしている。ローカルで個性的なクラフトブルワリーのビール、ぜひ一度お試しいただきたい。
スタイル: Sour Ale
ABV: 5.7% / IBU: 不明
珍しいブルーベリー風味、BBQとも相性◎
2. Blueberry Blonde
大変めずらしいブルーベリー味のブロンドエール。缶を開けた瞬間から香るブルーベリーの甘酸っぱさがたまらない。ブルーベリージャムやブルーベリー味のベーグルに近い感じだ。色は透き通った黄色なのが不思議。味は甘すぎることはなく、しっかりと麦芽のクリスピーさを味わえる。そして飲み終わりもドライ。意外にもBBQやステーキとよく合いそうだ。
Broadhead BreweryはOttawaを拠点に2011年から本格的に醸造を開始。併設のタップルームでは常時12種類のドラフトビールと特製のBBQ料理が楽しめる。レンガとペンダントライトが印象的な、スタイリッシュであたたかみのある空間になっている。またFree Live Musicなどのイベントも随時開催しているため、情報をチェックして訪問してみるのもおすすめだ。
スタイル: Blonde Ale
ABV: 5% / IBU: 12
夏にぴったり、甘酸っぱいトロピカルビール
3. Down Stream
これもビールなの?とびっくりするほど甘酸っぱいビール。苦味はほとんどない。サワーエールと呼ばれるスタイルで、近年クラフトビール業界では大変注目を集めている。酸っぱさの秘密は、発酵の際に乳酸菌などを使用すること。ヨーグルトやチーズ、キムチなどと同じ菌を使うことで独特のコクがある酸っぱさを生み出している。こちらのビールはグァバ、桃、パイナップルなど、トロピカルなフルーティーさが楽しめるサワーエールとなっていて、夏にぴったりだ。
Whitewater Brewingは2011年に旅好き3人によって設立された。The Ottawa Valleyに魅せられて、地元の自然な原料で手作りのビールがつくりたいと始めたそうだ。Lake SideとRiver Sideの2箇所で、カントリーチックな小さくて温かい雰囲気のパブも運営している。夏のアドベンチャー先に良さそうなロケーションだ。
スタイル: Dry Hopped Sour
ABV: 4.7% / IBU: 10
太陽のもとで飲みたいハイブリットビール
4. Lug Tread
Beau’sの定番ビール。ラガーとエールのハイブリットなスタイルで、フルーティーな香りと穀物感の強い味、そしてドライな後味がバランス良く楽しめる。いつものビールに華やかさをプラスしたようなイメージで、全体的には軽めで飲みやすい!ドイツの伝統的なビールである“ケルシュ”という、華やかですっきりした軽い飲み口のビールをイメージしてつくったそうだ。ブルワリーおすすめのペアリングはピッツァマリナーラ、豚肉のローストなどとのこと。5つのコンペで受賞歴のある名品ビール。明るい太陽の下でさっぱりと頂きたい。
トロントから5時間ほど車を走らせた場所にあるBeau’sの醸造所では、常時新鮮なビールをいただくことができる。ビールタンクのすぐ側で、天井の高い開放的な空間でいただくビールはまた特別なものになりそうだ。週末には不定期にLIVE MUSICのイベントも開催しているとのこと。
スタイル: Lagered Ale
ABV: 5.2% / IBU: (21)
日本の風味を楽しむ上品で複雑なビール
5. Yuzu Pale Ale
日本を代表するくだもの柚子を使用したペールエール。日本のフルーツが使われるというのはやはり嬉しく感じるものだ。柚子を中心とした柑橘系のフルーティーな香りに、麦芽由来のほっこりとしたカラメルのような深みのある甘さが重なって、複雑なハーモニーを奏でている。今まで飲んだことのないビールだと感じる方が多いのではないだろうか。夕暮れ時にゆっくりと庭のベンチに座り、日本を思い出しながら嗜む、、なんておしゃれな飲み方も良さそうだ。
Radical Road Brewingは、Queen St Eでパブを運営している。黒を基調としたインテリアでまとめられ、無骨でかっこいい雰囲気。そちらではおいしいビールとともに、Mean Bao Torontoによる香港の屋台飯が同時にいただける。ここでしか味わえない組み合わせを楽しんでほしい。
スタイル: American Pale Ale
ABV: 5% / IBU: (40)
超絶ジューシー、夏にピッタリのビール
6. Any Day Session IPA
柑橘系の香りがとても爽やかでジューシーなビール。スタイルは苦みが特徴のIPAだが、こちらのビールは、苦みよりもフルーティーさにフォーカスしたIPAと言えそうだ。お味にはオレンジやパイナップル、グレープフルーツなどを感じる。しっかりとした飲みごたえを保ちつつもすっきりと軽く飲み干せる、バランスの良い1本となっている。ココナッツカレーと合わせるのも良いとのこと。
Side Launch Brewingは2014年にCollingwoodエリアで創業した。醸造所では、大きなタンクの目の前で新鮮なビールをいただくことができる。広い店内で、土曜日にはLive Musicを楽しめるイベントを開催中。ビール片手にダンスを楽しむ、素敵な週末を過ごせそうだ。
スタイル: Session IPA
ABV:4.0% / IBU: 35
デザインも魅力的な夏向けビール
7. No Bad Daze
するする飲めるライトなラガービール。軽いだけではなく、ほんのりと香るりんごやすもものようなフルーティーな香りが大変心地よい。麦の香りとしっかりとした炭酸もまた満足感がある。暑い日のお昼時にぐびぐびと飲みたくなるビールである。夏らしいデザインも印象的だ。Nickel Brook Brewingのビールはどれもラベルデザインがアーティスティック。それぞれ印象の異なるアートが施されているため、集めてみてもおしゃれかもしれない。
BurlingtonとEtobicokeに店舗を持っており、どちらも木のぬくもりを感じる居心地の良い内装になっている。Etobicokeの店舗は大きなタンクが見える広い空間になっているため、開放的な気分で楽しめそうだ。
スタイル: Lager
ABV: 4.3% / IBU: (10)
シンプルなデザインが魅力のトロントビール
8. Revivale
シンプルなボトルデザインがモダンで目を引くこちらのビール。トロントのローカルクラフトブルワリーLost Craft Breweryが醸造している。ラガーとエールの中間のビアスタイルで、パンのような香ばしさ、ハーブのような草っぽさ、そしてフルーティーさ、その全てがバランス良く楽しめる1本。気づいたらすべて飲み終えてしまうほど飲みやすいビールである。
ブルワリー併設のレストランは広く、木のぬくもりが感じられる明るい空間となっている。トロント市内からも行きやすい場所のため、仲間みんなでおいしいビールを楽しんでみるのはどうだろうか。クラフトビールの魅力はその土地ごとのビールを楽しめること。せっかくトロントにいるのだから、トロント生まれのビールを存分に楽しんでほしい。
スタイル: Lagered Ale
ABV: 4.8% / IBU: 19
濃厚なフルーティーさが大爆発!
Juicy Ass IPA
大量のホップによる強い苦味と柑橘系のジューシーさが爆発するインパクト大なビール。オレンジ、パッションフルーツ、パイナップルのようなフルーティーな香りと味で満足度がとても高いビールである。ブルワリーいわく、フィッシュ&チップスやインドカレー、クリーミーなチーズなどとよく合うそうとのこと。
このビール、実は少し濁りがあるのが特徴だ。これはビールをつくる際に通常おこなう”濾過”の作業をあえてしていないから。無濾過のビールは通常のビールよりもフルーティーさが強く残り、コクのあるビールになるのだ。今回のビールもあえて無濾過にすることでフルーティーさが全面に押し出されている。
Flying Monkeysは2004年創業。“Normal is Weird”をキャッチコピーに個性的で新しいビールをつくり続けている。醸造所では無料の醸造所見学ツアーを毎週末行っている。もちろんその場でビールとお食事をいただくことも可能だ。
スタイル: American IPA
ABV: 6.5% / IBU: 69
力強い苦味がクセになる本格IPA
Voodoo Ranger IPA
レンジャーガイコツが少しこわい?Voodoo Rangerシリーズの中から、王道のIPAを紹介する。New Belgium Brewingはアメリカの会社だが、カナダのSteam Machine Beverage Coが提携して醸造しているため、こちらのビールはカナダ産だ。
きれいなゴールデンカラー。苦味がとにかく強く、さらにABVも高め。オレンジ、レモン、パイナップル、グレープフルーツなどを感じるジューシーさもとてもはっきりと感じられて、全体的にストロングなビールになっている。一気飲みにはご注意を。ローストポークやグリルチキンなど、しっかりとした味付けの豪快な料理に合いそうだ。お庭でのBBQのお供にいかがだろうか。最高のペアリングで食が進むこと間違いなしである。
スタイル: Golden IPA
ABV:7% / IBU: 50
船長たちも愛した?夏の味わい
Captain’s Log Lager
とにかく水のように軽い。驚くほどするすると喉を通っていく。穀物の風味がメインで、柑橘系の爽やかな甘さがふんわりと香る。ぐびぐびと一瞬で飲み干せる、夏のPatioで飲むにはうってつけのビールだ。
Captain’s Logという名前は、現在ブルワリーがあるOakvilleの灯台をかつて船長たちが夜の航行のガイドとして使っていたことが由来で付けられたとのこと。きっと船乗りたちもこんなごくごく飲めるビールを求めていたのかも…と思いを馳せて飲んでみるのも良いだろう。
Cameron’s BrewingはOakvilleを拠点とする1997年創業のブルワリー。Oakvilleにある醸造所ではその場でビールをいただくことができる。Patioもあるので夏の晴れた日にはとても気持ちがよさそうだ。
スタイル: Golden Lager
ABV: 5% / IBU: 15
小麦×ブラッドオレンジの絶妙なバランス!
Prairie Coast Wheat Beer With Blood Orange
ブラッドオレンジの風味が特徴的。小麦を使った少し白っぽく濁ったビールである。ブラッドオレンジのようなさっぱりとした華やかな甘さと、フレッシュなシトラス系のキャラクター。小麦を使用したビール独特の優しい甘さや、少し低めのアルコール度数も相まって、とても飲みやすいビールに仕上がっている。海が見えるホテルの一室で優雅に飲みたくなるビールである。
Indie Alehouse Brewingは2012年トロントで創業したブルワリー。世界的なビールの大会で合計16もの賞を受賞している実力派ブルワリーだ。トロント市内に雰囲気の異なる2つのパブを運営している。Junctionエリアにある店舗は広めで醸造所併設、夏場はPatioも開設する。Bloor Stにある店舗は照明が控えめで洗練された印象。おしゃれな缶を買ってお家で飲むもよし、気分に合わせた店舗でいただくもよし。色々な楽しみ方ができるブルワリーである。
スタイル:Pale Wheat Ale with Blood Orange
ABV:4.7% / IBU: 不明
フルーティーで心地よい、大満足の1本
Canuck Pale Ale
かわいいおじさんが目を引くデザイン。オレンジやパイナップルなどのフルーティーな香りとローストされた穀物のような少し香ばしい香りが合わさり、とても心地よいビールである。香りだけでもリラックス効果があるのではないだろうか。フルーティーさと、少し強いが丸みを帯びた苦味があり、満足度は抜群。トルティーヤやチーズ、キャロットケーキと合わせるのもおすすめとのこと。
Great Lakes Breweryは現在Etobicokeに醸造所を構えるブルワリー。Queens Quay Eastあたりではパブも運営している。そこではカナダで採れた旬の食材を使うことを大切にしているとのこと。新鮮なビールと新鮮な食材が一緒に楽しめるのは素晴らしいことである。
スタイル: American Pale Ale
ABV: 5.2% / IBU: 35
覚えておくときっと役に立つビアスタイルの紹介
ビールは大きく分けてLager(ラガー)とAle(エール)の2種類に分けられ、そしてその中で更に作り方や味の特徴などにより細かく分類されてる。この一つ一つの分類はビアスタイルもしくはスタイルと呼ばれている。このスタイルの特徴を覚えておくとお店でビールを選ぶ時に味の系統を想像することができるのでとても便利なのだ。ビアスタイルは全部で150種類以上あると言われているが、ここでは覚えておくときっと役に立つ、主なスタイルを7つ紹介する。
Lager(ラガー)
Pilsner(ピルスナー) … 現在のチェコで誕生した黄金色のビール。アルコール度数は低めで、爽やかなのどごしと苦みが特徴。現在世界で飲まれているビールの約7割、そして日本で流通しているビールのほとんどがこのスタイル。つまり“ビール”と言われて多くの方が想像するのがピルスナーだ。
Ale(エール)
Pale Ale(ペールエール) … イギリス発祥の伝統的なスタイル。フルーティーで豊かな香りと麦芽のコクがあるのが特徴。 香りを楽しむため、少し高めの10℃前後が適温とされる。派生したスタイルとして、華やかな香りが特徴のAmerican Pale Aleも人気。
IPA(アイピーエー) … 正式名称は“India Pale Ale(インディア・ペールエール)”。ビールの原材料の一つであるホップを大量に使用してつくられることが特徴。イギリスから植民地であったインドへビールを持っていくために、防腐効果があるホップを大量に使用したことから生まれたと言われている。ホップが生み出す香りや苦味が他のビールと比べるとかなり強く、アルコール度数も少し高め。派生したスタイルもたくさんあり、世界中で人気のスタイルである。
Belgian White(ベルジャンホワイト) … ベルギー発祥の色が薄いビール。材料に小麦、オレンジピール、コリアンダーシードを使用する。泡立ちがよく、フルーティーさ、スパイシーさ、優しい酸味が特徴。白ビールと呼ばれるスタイルの一種である。
Weizen(ヴァイツェン) … ドイツで生まれた色の薄いビールで、小麦を大量に使用してつくられる。独特なバナナのような香りとクローブのようなスパイシーな香りが特徴。苦みは抑えめで、口当たりはなめらか、泡は真っ白できめ細やか。Weiss Beer(ヴァイスビア)とも呼ばれる。こちらも白ビールの一つである。
Porter(ポーター) … 黒ビールと呼ばれるビールの一種。コーヒーやカラメルなどのような香ばしい香りと真っ黒な色が特徴。ぬるめの10℃前後が適温とされる。イギリス発祥のビールで、名前の由来は市場の運び屋“ポーター”が好んで飲んでいたためという説や、ビール樽が運ばれて来た時に“ポーター!”と叫んでいたためという説がある。
Stout(スタウト) … Guinnessの創業者Arthur Guinness(アーサー・ギネス)によって発明されたアイルランド生まれのビールで、こちらも黒ビールの一つ。ポーターよりも香りと苦みが強く濃厚なスタイル。もともとはStout Porterと呼ばれていたが、次第にStoutと呼ばれるようになった。
木陰で飲みたい爽やかラガー
1. Junction Krispy Light Lager
ライトでとっても飲みやすいラガービール。レモングラスを使っていたり、少し酸味のある爽やかなビールを生み出す酵母を使っていたりするため、独特のフレッシュさが楽しめる。青々とした木の下で爽やかな風を感じながら飲めば日頃のストレスなんてどこかへ飛んでいきそうだ。クラフトビールの入り口として、飲みやすさと独特のキャラクターを兼ね備えたこちらのビールはぴったりかもしれない。
Junction Craft Beverageは2011年からJunctionエリアで醸造をしている。他にもWoodhouse Brewing CoとCaribruというブランドももっていて、醸造所ではそれら全てのドリンクをいただくことができる。タップルームはインダストリアルなインテリアでまとめられていて、かっこいい雰囲気になっている。
スタイル: Light Lager
ABV: 3.9% / IBU: 17
MLB観戦の相棒はこれだ!
2. Blue Wave
すっきり爽快なラガービールとフルーティーなIPAのいいとこ取りをしたようなビール。メロン、レモン、ライムなどを感じる香りがとても心地よく、麦の味を感じるラガーのキャラクターとよくマッチしている。缶のデザインからもお分かりのとおり、メジャーリーグBlue Jaysの試合を観戦しながらいただくのにぴったりなビールとなっている。晴れた日の球場でこの爽やかなビールを飲みながら地元の球団を応援すれば最高の思い出になること間違いなしである。
Mill Street Breweryは2002年にDistillery Districtで醸造を始めた。2018年以降はオーガニックな穀物を使用するようになり、現在はCanadian Organic Trade Association (COTA)とパートナーシップを結んで、農家の支援やオーガニックな農業のサポートをしているとのことだ。
スタイル:Unfiltered Lager
ABV:4.8% / IBU:(30)
多彩なフルーツ感とライトな飲み口
3. Happy Tails
トロピカルフルーツ、アプリコット、桃など、とにかくいろいろなフルーツの爽やかな甘みを感じられる華やかなビール。ただ飲み口は軽めで爽やかなため、思いの他するすると飲み進めてしまうビールだ。チキンのグリルやブリトーなどによく合いそう。こちらのビールは動物保護団体Georgian Triangle Humane Societyとのコラボレーション。売上の一部は団体へ寄付されるそうだ。
The Collingwood Breweryがあるのは、トロント市内から車で2時間ほどのCollingwoodエリア。醸造所併設のパブはシンプルでクリーンな印象のインテリアですっきりとまとめられている。外にはベンチも用意されているので、暑い日に外でいただくのも気持ちが良さそうだ。夏のお出かけ先の候補にいかがだろうか。
スタイル: Hazy Session Ale
ABV: 4.5% / IBU: 37
フルーティー&スパイシーな爽やかビール
4. Pilly Flavorful Pilsner
トロント郊外のEtobicokeに醸造所を構えるMascot Breweryより、かわいい缶のピルスナーを発見。ブルワリーのモチーフであるうさぎのシルエットがカラフルなラベルによく映えている。 ピルスナーらしく麦の味がしっかりとする喉越しすっきりなビールだが、そこにレモンやパイナップルのようなフルーティーさ、ジンジャーのようなスパイシーさがプラスされ、一筋縄では行かない楽しいビールになっている。
Mascot BreweryはEtobicokeとKing St.に店舗を構えており、どちらも印象的な優しいグリーンを基調とした、ナチュラルでおしゃれな空間になっている。どちらの店舗もGardenがあるため、晴れた日には外でいただくのもおすすめ。ボトルショップも併設されているので、お気に入りをお土産として購入できるのも魅力的だ。
スタイル: Pilsner
ABV: 5% / IBU: 不明
北米最古のブルワリー、カナダの王道!
5. Molson Canadian
カナダといえばこちらだろう。ご存知Canadianだ。こちらは期間限定のラベルデザイン。醸造しているMolson Coors社は北米最古のビール会社で、創業はなんと1786年。その後合併などを経て、現在の本社はアメリカだが、正真正銘カナダディアンビールなのである。
Canadianは明るい黄金色のラガービール。すっきりしているのと同時に、フルーティーさや麦の甘味が強く感じられる、飲みごたえがしっかりとあるビールだ。日本のビールとも近しい味のため、飲み慣れている方にとっては馴染みやすいビールと言えるだろう。カナダPrairie Barleyを使っており、さらに防腐剤は不使用。素材にこだわっているからこそのクリーンでフレッシュな味わいが楽しめる。
スタイル: Lager
ABV: 5% / IBU: (10-18)
球場専用?野球愛溢れる華やかビール
6. Ice Cold Beer
2013年創業のまだまだ新しいブルワリー。Left Field のビールは全て野球にインスパイアされたものだ。100%オンタリオ産の原料でつくられた淡いゴールドに白い泡がよく映えるエールビール。すっきりドライなビールかと思いきや、ハーブのような華やかな香りや、ハチミツのような優しい甘さがふんわりと口の中に広がっていく。そして後味がゆっくりと残るため飲み終わりの満足感もかなり高い。全体的にとても飲みやすい。ブルワリー曰く、球場のホットドックやプレッツェルと合わせるのがおすすめとのこと。
Leslievilleにある醸造所ではタンクの側で新鮮なビールをいただくこともできる。また2023年中にはLibertyエリアに新しい醸造所とタップルームを作る予定とのこと。今後も大注目のブルワリーだ。
スタイル: Blond Ale
ABV: 4.5% / IBU: 不明
Dufferin発、ラベルも味もおしゃれなセゾン
7. Tuesday
Dufferin駅のすぐ側に醸造所を構えるBurdock Breweryの、フルーティーでスパイシーなSaison(セゾン)ビール。セゾンはかつてベルギーの農夫たちが、夏場の農作業の休憩中に飲むために冬~春の間に作ったとされているビアスタイル。少しスパイシーかつフルーティーなのが特徴だ。Tuesdayはパイナップルやハーブなどのような爽やかな香りが特徴的。香りを嗅ぐだけでもアロマオイルのように癒される。味わうとグレープフルーツのような爽やかな苦味を強く感じられる。スパイシーな味付け料理によく合いそうだ。
Burdock Breweryは2015年創業の新しい醸造所だが、すでに日本にも少しずつ進出しているほど大人気。ビールだけではなく、グレープエールというビールとワインを掛け合わせた新しいドリンクもつくっている。醸造所併設のタップルームで新鮮なドリンクをいただくことができる。ダウンタウンからも近いためおすすめだ。
スタイル: Saison
ABV: 5.3% / IBU: 不明
ジューシーで柔らかい、実力派IPA
Horizon Hazy IPA
白っぽく濁りがあり、クリーミーな口当たり。そこにマンゴー、パイナップル、グレープフルーツ。とにかくジューシーで苦みは少し控えめのIPAだ。グレープフルーツに近い、爽やかな苦みが残る後味で、余韻をゆっくりと感じられる。こちらのビールは2022年にOntario Brewing Awardというオンタリオ産ビールの大会で銅賞を受賞している実力派である。
2019年に創業したばかりの新しいブルワリーで、拠点はトロントから車で2時間半ほどの場所に位置するHuntsville。醸造所併設のタップルームはシンプルモダンな内装でとても広い。そちらでは20種類ものドラフトビールをいただくことができる。また、外壁のウォールアートもおしゃれで大変目立つ。少し遠出をして、おしゃれな空間でいただく新鮮なビールも格別だろう。
スタイル: Hazy IPA
ABV: 6% / IBU: 30
アート×ビール、軽めのIPAをお好きなデザインで
Hazy State Session IPA
2013年創業の芸術的なブルワリーから、濁りと低めのABVが特徴のSession IPAを紹介する。柑橘系やトロピカルフルーツの雰囲気を感じる、大変ジューシーなビールである。IPAということでキリッとした苦味もあるのだが、軽めの仕上がりでランチ時に飲みたいくらいするすると喉を通っていく。Sessionが付くビアスタイルは、アルコール度数と苦みを抑えていて軽めで飲みやすいのが特徴。飲み会(=セッション)の最初から最後までずっと飲み続けられるビールという意味で名付けられたと言われてる。
Collective Artsは世界中のアーティストの作品からインスパイアされてビールをつくっているブルワリー。毎年2回アーティストを広く世界に向けて募集している。こちらのビールを購入する際、店頭には6種類の違うデザインが施された缶が並んでいた。中身は全て同じだ。アーティスティックなブルワリーならではの粋な売り方である。
スタイル: Session IPA
ABV: 4.1% / IBU: 不明0
あのゲームがモチーフの飲みごたえ抜群ビール
Space Invader IPA
トロントのブルワリーAmsterdam Breweryより、しっかりとした苦みが楽しめる王道のIPA。ラベルデザインは言わずもがなあの有名なゲームがモチーフ。カラフルで売り場でも目を引くデザインだ。
柑橘系のジューシーな香りがとても心地よく、お味もとってもフルーティー。あとからIPA特有の苦みをしっかりと感じられる。クラフトビール特有の複雑さと草っぽさで飲みごたえがある1本になっている。
ちなみにAmsterdam BreweryはLeasideとBy the Lakeの2箇所でレストランを運営している。どちらも開放的な空間で新鮮なビールを楽しむことができる。缶を購入して自宅で飲むもよし、街へ繰り出してこだわりのお食事とともに楽しむもよしである。
スタイル: IPA
ABV: 6% / IBU: 60
海を超えて愛されるプレミアム
Sapporo Premium Beer
みなさまご存知サッポロプレミアムビール。缶の側面に書かれたカタカナに日本ブランドとしての誇りを感じる。香りは爽快。口に含むと穀物感が感じられ、大変爽やかでクリーンな味わいだ。バランスがよく飲みやすい。ふと戻ってきたくなるビールである。どんなお食事にもどんな場所にも合うビール。お家での普段の食事に、パーティーの日の乾杯に、外食でパブメニューのお供にぜひ。
サッポロは1876年に開拓使麦酒醸造所として開業して以来、統廃合を経てもなお、日本国内で愛され続けているブランドである。カナダでは2006年に現地ブルワリーを買収して以来、販売もより本格化している。現在はプレミアムなビールとしてカナダ国内でもよく知られている。
スタイル: American Lager
ABV:5% / IBU: (18-24)
【番外編】ドライな喉越しはカナダでも健在。
Asahi Super Dry
日本国内でナンバーワンの売り上げを誇るアサヒスーパードライ。カナダでももちろん大変人気のあるビールだ。その特徴はなんといってもキリッとした喉越しとすっきりとした後味。これが”スーパードライ”なキャラクターを作り上げている。どんな食事も邪魔をせず引き立ててくれるので、持ち寄りパーティーなど、様々なイベントで重宝すること間違いなし。いつもの夜ご飯にも合うのは言うまでもないだろう。
1889年に前身の大阪麦酒会社が創業し、その後統廃合を経て、1987年にスーパードライを発売。すぐに大ヒットを記録した。その後他社もこぞってドライなビールを発売するほどの一大ブームを巻き起こすこととなる。その人気は現在まで衰えることなく続いている。カナダでの販売が本格的になったのは1994年、カナダモルソン社のバンクーバー工場で生産されるようになってからとのこと。現在はカナダ国内でも広く親しまれている。
スタイル: Japanese Rice Lager
ABV: 5.2% / IBU: (20)
夏の日にぴったりのピーチパラダイス
Next Stop
スタイル名にはトロピカルフルーツと入っているが、メインは桃だ。とろっとしたみずみずしい甘さが、香りから後味まで心地よく包み込んでくれている。カモミールなどのハーブやはちみつのような甘さがふわっと香り、とても癒される。夏の日に爽やかさをプラスしてくれる、心地の良くみずみずしいビールだ。
Lake of Bays Brewingは2010年創業で、名前の通りLake of Baysに位置している。合計3軒の直営レストランを運営しており、定番ビールはもちろん、最新ビールや過去に販売されていたビールの復刻版まで、現地でしか飲めないビールも様々提供されている。おしゃれな缶を買って自宅で飲むもよし、少し遠出をして直営店で飲むもよし。夏を彩ってくれそうだ。
スタイル: Tropical Fruit Pale Ale
ABV: 5.0% / IBU: 20