【日本滞在記】まさかのお宝資料?100年前の地震を知る|#編集部ブログ
先日、先輩の家に遊びに行ったときのこと。本好きの先輩の家は、漫画から小説などさまざまな書籍が棚にびっしりと詰められています。さすがだな…と感嘆するのも束の間、「もっとあるよ〜」とベッドの下から本が敷き詰められた大きなケースをさらに2つ見せてくれました。現代の本だけではなく黄ばんだ古本もたくさん持っているそうで、お宝があるのでは、とワクワクしながらいろんな本を見せてもらいました。
「そういえば昔、道に捨てられていた古本で珍しいものがあったから拾ってきたんだよね」。そう言って先輩が出してきた本のタイトルは「関東震災畵(画)報」。関東大震災の当時に発行されたかなり貴重な写真や被災状況などを事細かに記した書物だったのです。
昔らしく右から左に文字が書かれていますが、「EARTUQUAKE PICTORIAL EDITION」と英訳まで載っています。発行元は「大阪毎日新聞」で現在の毎日新聞です。こんな古い資料が道端に捨てられていたのかと思うと、もったいないことをしたもんだと思ってしまいます。資料を開いてみると、地震の影響でがれきの山になった家々や困惑した表情の市民らなど、当時の様子がひしひしと伝わってくる白黒写真がいくつも掲載されていました。さらには簡単な日本地図にそれぞれの地域でどれだけの揺れを観測したかを記したものや、東京各エリアでの死傷者数、被災者の名前など詳細な情報が載せられています。
こんなに多くの情報を載せた資料は、当時の人々にとってかなり貴重な情報源だったのではないかと推測できます。今の日本でも大きな地震は定期的に起きていますが、ネットやテレビなどを見ればすぐに情報は手に入ります。たった100年でこうも情報を手に入れる術が変わったのかという驚きも感じました。よくよく考えてみると、関東大震災があったのは1923年9月1日で今年はちょうど100年になる年のようです。そんな区切りの年にこんな珍しい書物を目にすることができ、なんとも不思議な縁を感じました。先輩は本当に貴重な“お宝”を拾ってきたんだなあとしみじみ思います。私もそれを少し目にすることができてとてもラッキーでした。
福島未来
ザ・文系なのにデータ分析を学ぶためトロントに留学に来た元新聞記者。宮崎県出身なので冬は大の苦手。趣味は映画鑑賞とK-pop!フィンチの韓国系カラオケ店によく出没します。将来の夢はデータジャーナリスト。