留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.9
現在の渡航ラッシュのシーズンは、いよいよ現地への到着者が増え、空港へのお出迎えに行くと、特に日本からの直行便到着時間にはロビーにワーキングホリデーや留学で渡航してきたと思われる多くの皆さんが続々と出てこられます。皆さん長旅を終えられて、緊張の入国審査や移民局審査を通ってこられた後の疲れきった表情がとても印象的です。
直行便の場合は長時間とはいえ一度乗ってきてしまえば、日本から直接現地に到着するので長い飛行時間を何とか乗り越えればよいだけなのですが、最近はかなり格安になるからと言って、アメリカやその他の国の経由便を選ばれる方も増えてきました。ただ、こういった経由便にすることで新たに発生するトラブルもよく見られるようになってきたのです。
渡航編1:フライトは費用の面ばかりに囚われず、出来るだけリスクや負担を抑えられるものを選びましょう!
最近は海外が全くの初めての方でも、ついつい航空券の安さに惹かれてアメリカの都市で乗換えが必要になる経由便を利用される方が増えてきました。しかし、航空券を購入する時点で、経由便の場合まずカナダに入る前に一度アメリカでも入国審査を受けること、ESTAの手続きをしておくこと、乗換え先の便名と時間も確認しておくことなどをあらかじめ念頭に入れていない方が意外と多いことには驚きます。ある程度下調べをされている方もいらっしゃいますが、航空券を購入した代理店ではそういった案内が詳しくされていないことなどもありますし、オンラインなどで購入される場合にはその様な詳しい説明などはなく乗換えの対処は自己責任であることも多いと思います。このため、航空券を手配された後になってメールで「この便にしたのですが、乗換えの時間は十分ありますでしょうか?ESTAとは何でしょうか?」と言ったようなご質問を受けることがあります。実際に渡航前にこのように確認をされるケースであればまだ良いのですが、全くそういった疑問さえ浮かばないまま渡航日を迎える方もいらっしゃいます。
ただ、最近意外と多発しているのが予定していたアメリカ便の欠航です。天候などの理由もありますが、特に理由も分からなく突如欠航になる事も多々あるのです。また、最初の便の大幅な遅れやアメリカ入国審査に時間が掛かることでの乗継便の乗り遅れもあります。こういった際に、全くの初心者の場合もうその場でどうしたら良いか分からずパニックに陥ってしまいがちです。英語も分からないので航空会社のスタッフの案内も理解できず、振替便の手配もスムーズに行かなかったりするともうお手上げです。乗遅れの場合は新たにチケットを購入し直さなくてはならないケースもあります。最終的には何とかなる事が多いのですが、必要以上にストレスや負担を負っての渡航になってしまいます。せっかくの渡航が、出だしで完全に予定が崩れ、これもトラウマになってしまう要素となりかねません。
海外に来たら、自分が予想をしていなかった事などが多々起こるものですが、それは実際に移動の時点で十分に起こりうるわけです。
こういったことを踏まえますと、もしも自分自身でその場で臨機応変に対応できる自信がない、或いはただでさえリスクを伴う海外渡航なのだから、できるだけ精神的にも体力的にも負担を抑えたい、ということであれば、あらかじめご自身で色んな可能性を考慮した形で下調べや準備を固めて置かれ、値段だけに囚われないスマートなフライト手配をするようにしたいですね。
高林紘子
East-Westカナダ留学センタートロントオフィス日本マーケットマネジャー。
静岡県出身。2001年語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに入学。貿易とビジネスマネージメントを学び成績上位者Dean’ s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diplomaを取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経て永住権に至る。