Essence Of Beauty #10
#10 お酒と日本人
クリスマスのあるこの季節は、心がわくわくするイベントがたくさんあります。お酒を飲む機会も多くなり、健康や美への意識を高めたい時期でもあります。
トロントでは、酔った人より酔わせた店や人に対する処罰が厳しく、ウェイターたちは、‘Smart Serve’という資格を持ち、お酒に関する最低限の知識を身につけています。ただ、海外に出れば日本代表として、マナーや品のない行動は避けたいところです。
お酒は、人と親しくなりたい時や、本音で語り合いたい時など、人間関係を円滑にする良いコミュニケーションツールになります。これは、理性を司る脳の働きが鈍くなり、本能的な部分(感情、衝動、食欲、性欲)を司る脳の働きが活発になるからです。そして、ワインやウイスキー、ビール(ホップ)の香りにはアロマ効果があり、身体をリラックスさせ、ストレス発散にも役立ちます。ですが、適量を超えての飲酒は、臓器や脳への影響など数え切れない程の悪影響を身体に及ぼすことが知られています。(「適量」とは、ほろ酔い気分までとし、立ってふらつく様では、すでにその基準を超えています。)
アルコールは主に肝臓で分解され、尿として体外に排出されます。その能力は性別・体重・年齢によって違いますが、モンゴロイドである日本人の約50%が、アルコールを分解する速度が遅い、もしくはないと言われています。ですから、お酒に弱い人が、アルコール分解能力が高い黒人や白人と同量、同じペースで飲酒すれば、肝臓への負担が大きくなるので注意が必要です。
肝臓は、疲労物質や有害物質である老廃物を、解毒、排泄してくれる大切な臓器です。この肝機能が弱まれば、肌のシミやくすみは増え、老化は進む一方です。気付いた時にはもう遅いと言われる肝臓の病気を防ぐためにも日頃から予防をしましょう。
アルコールには利尿作用があり、摂取した水分量よりも、尿として排出している水分が多くなります。アルコールを分解する過程でも大量の水分を必要としますので、飲んだアルコールと同量以上の水分補給をしっかりすることが大切です。
自分の適量を知り、飲みすぎないことはもちろん、肝機能を弱める要因の過食・疲労蓄積・運動不足を避け、このシーズンを乗り切って、美しい姿で新年を迎えましょう。
小池 恵理子
千葉県生まれ。ジュエリー、ファッション業界で経験を積み、その後日本,カナダでネイリストとして働く。生活信条は心身共に健康でいる事。インド単身バックパッカー経験有り。現在、全米ヨガアライアンスの資格取得を目指し、日々特訓中。