藝○座 北米ツアー トロント公演開催 3月1日@日系文化会館
東京芸術大学・日本舞踊科の卒業生たちによって結成された舞踏集団「藝○座」は昨年結成10周年を迎え、これまでにも日本国内だけでなくメキシコ公演を成功させるなど、国内外問わず活躍の場を広げている。北米3都市を巡る今回のツアーでは、トロントがカナダ唯一の会場として選ばれ、この機会を逃すまいと当日は多くの人が会場に駆けつけた。
開演に伴い、日系文化会館館長ジェームズ・ヘロン氏より日英両語にて挨拶があり、トロント公演を実現する立役者となったニューヨーク・ジャパンソサエティや文化庁に感謝を述べると共に、敷居の高いイメージがある日本舞踊をより身近に感じてもらえるよう活動する藝○座だからこそ、来場者全員が楽しめる演目になるでしょうと一座を紹介した。続いて中山泰則総領事からは日本舞踊だけでなく、三味線やお囃子といった和楽器の演奏にも注目してほしいと述べ、遠路はるばるこの北米ツアー公演のために来加した一座の皆さんに感謝の言葉を述べた。
15分の休憩を挟んだ2時間の公演は4つの演目で構成されてる。祝いごとの古典の舞をあやつり人形に躍らせる「操三番叟(あやつりさんばそう)」、見たことのない鶯を待ちわびる梅の木を、いたずらなカラスが自分を鶯と偽って梅の木をだまそうとする「鶯宿梅(おうしゅくばい)」、三味線、囃子、笛の魅力を披露する「演奏三題」、日本の四季の移ろいを表現した「春夏秋冬」を上演。
今回の公演ではこれまでの海外公演と違い、和楽器奏者も帯同しての生演奏が見どころの一つでもあり、踊りなしで音楽を堪能できる演目を入れるなど、日本舞踊だけではない日本の伝統文化を満喫できる公演であった。紙吹雪と共に締めくくられた「春夏秋冬」後には観客が惜しみない拍手喝采、アンコールを送るなど、スタンディング・オベーションに包まれ、最後まで盛り上がりをみせた。