「出会いが人生をきらめかせる」杉 和史さん(前編)|Hiroの部屋
今回の対談相手は、学生ビザでカナダに来たあと、現在はワーキングホリデービザで滞在しながらマーケティング会社のCOOを務める起業家、杉和史さんにご登場いただく。日本では学生時代にIT企業を起業し、その後新卒として日本テレビに入社、およそ1年半の間在籍し、事業企画などに取り組んだ。2022年からトロントに滞在し、新たな挑戦の地として選んだトロントでの経験や今後のビジョンについて、前編と後編の2回にわけて話してもらった。
挑戦するため海外へ
ヒロ: カズ君の存在とご活躍を聞いて興味を持ち、お会いしてみたいなと思い、僕から連絡したのが最初でした。お互いのスケジュール合わせした結果、去年のクリスマスイブが初対面でしたね(笑)
杉: 良いイブでした(笑)。僕が話すペースに合わせてくださって、かなり密な話ができた日でした。
ヒロ: 久々に良い衝撃を受けました。カズ君は今、ワーホリですよね?
杉: そうです。25歳だった2022年2月にトロントに来て、1年間学生ビザで滞在して今に至ります。今後は起業家ビザの取得も考えていて、それにチャレンジしながらまたしばらくカナダに残ろうかと思っています。
ヒロ: どうして、トロントを選んだのですか?
杉: 人の役に立ちたいという思いから、大阪大学大学院では学生をしながらIT企業を立ち上げてキャリアをスタートさせたり、卒業後は日本テレビの社長室で事業企画をしたりしてきました。その中で、1人でどこまでできるのか挑戦してみたくなったんです。日本でやれることはある程度やったと思ったし、海外に行きたいと言っても誰からも文句を言われないくらい結果を残した自負もあったので、海外に行こうと思ったのがそもそものきっかけです。その時はコロナの規制がある時期だったので行ける国が限られていて、すぐに行けるカナダ、そして第1都市のトロントに来ることにしました。
人生は誰と一緒にいるかが大事
ヒロ: トロント到着後の2年はどうでしたか?
杉: 絶望を感じた2年でしたね。日本だとなんでもできると自信を持って生きてきたけど、カナダに来て英語が全く喋れなかったので5歳以下の知能になった感覚でした。自分の頭で考えていることが伝えられない時点で考えていないのと一緒だと気づいて、前半はとにかく勉強に苦しみました。
自分の中ですごく変わったなと思うこともあって、出会いがどれだけ大切なものかを実感するようになりました。これまでは「次に何をしたいか」ばかりを考えていたんですが、今は誰といるかが大事だと実感しています。人との出会いで生活がきらめいてくる瞬間を知ったので、人生は誰と一緒にいるかなんだということに考えが一気にシフトした2年でもありました。
ヒロ: 確かに人との出会いは本当に面白いですよね。人間自体が芸術作品のように思えるし、新しく出会った方々の人生経験を聞いたり、人と人を繋げることも凄く楽しく思えます。トロントでは、どのように新しい人々と出会ったのですか?
杉: 最初は友達がいなかったのですが、日本食レストランでアルバイトをすることにしました。でもただ働くだけではなくて、オーナーか投資家が来たら絶対話をしようと思っていたんです。というのも、元々ビジネスをしていたので「ここはこうできる」と思うことがたくさんありました。その時にオーナーが来店して、エレベーターピッチのように話をしたら彼も扉を開いてくれて、じゃあミーティングしようと言ってくれました。彼は私たちのマーケティング会社のカナダ側のCEOでもありますが、そういった出会いが今に繋がっています。
世界レベルで本気になれるか
ヒロ: トロントでビジネスをしていて、日本との違いをどう感じますか?
杉: ありきたりですけど、とにかくスピードが違いますね。日本の企業は動いてないんじゃないかというくらい遅く感じます。でもカナダはやろうと決めたら1ヶ月で決まるし、契約が切れるのも本当に一瞬です。実感として、日本と10倍以上スピードが違う気がします。
ヒロ: 最初は戸惑うこともありましたか?
杉: ありましたね。例えば今一緒に働いている女性が、「一緒に働きたい」と最初言ってくれた時、僕は「やれたらやろうね」程度にしか思っていませんでした。でも、彼女は僕たちがいるところに毎週来ては自分のやりたいことを話してくれて。それが1ヶ月も続けば本気で一緒にやろうと思うじゃないですか。彼女は22歳ですが、日本にそんな人いませんよね。速度感もバイタリティも日本とは全然、違うなと思ったエピソードです。
バイタリティや、しつこさは大事な要素でしょうね。自分がしたいことを掴むために必要なことは何だと思いますか?
杉: 本気かどうかだと思います。本気の度合いは人によって違うと思っていて、いわゆる世界レベルを目指すことが本気になるってことかなと思いますね。世界のトップになりたいと思ったらいろんな壁が出てきて、それをぶち破ることができるかは結局自分がどれくらいやりたいか次第だと思うので、世界トップレベルで本気になれる人間かというところに尽きると思います。
(聞き手・文章構成TORJA編集部)
杉和史さん 「KOE」COO
三重県出身。15歳で高専に入学し理系学問に没頭。在学中、工学/医学の研究に励む傍ら、スタートアップ企業でCMOを担う。大阪大学大学院を修了した後、日本テレビ放送網(株)の社長室に入社し、最年少最速で事業オーナーとなる。現在はトロントでマーケティング会社のCOO/創業者を担い、日本ブランドを世界へというビジョンの元、精力的に活動中。
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。salon bespoke
130 Cumberland St 2F647-346-8468 / salonbespoke.ca
Instagram: HAYASHI.HIRO
PV: "Hiro salon bespoke"と動画検索