【イチローという原点、日本ハムという転機】トロント・ブルージェイズ・フロント加藤豪将さん(中編)|Hiroの部屋

幼い頃から憧れ続けたイチロー選手の背中を追い、メジャーリーグへ。そして日本ハムファイターズでの挑戦を経て、今はブルージェイズのフロントとして新たな道を歩む加藤豪将氏。なぜ日本行きを決断したのか。日本とアメリカ、二つの野球文化の中で得た経験と、引退後に描く未来について聞いた。舞台裏、そして巨人の4番・岡本和真選手加入の内幕について聞いた。

ヒロ: 以前、イチローさんの引退時に豪将さんが「Players’ Tribune」に寄稿されたコラムを、僕は偶然拝読していました。心の底から感動したのを覚えています。
幼少期からの記憶とともに、単なる憧れの選手ではなく「異国の地アメリカで輝く、日本人としてのロールモデル」への想いが、純粋に綴られているなと感じました。豪将さん自身のアイデンティティや挑戦の原点が描かれていて、ぜひ読者の皆さんにもお薦めしたい素晴らしい内容だと思います。
https://www.theplayerstribune.com/jp/posts/baseball-mlb-gosuke-katoh-ichiro-yankees-otsukaresama-deshita
加藤:イチローさんのことは、マリナーズに入られた1年目からずっと見ていました。実際にシアトルまで何度も試合を見に行きました。

ヒロ: そこまで惹きつけられた理由は何だったと思われますか?

加藤:やはり、自分にとっては本当に特別な存在だったんです。自分も同じ頃にアメリカへ来たんですが、最初は友達も全然できなかったですし、英語も話せませんでした。そんな時にイチローさんを見ていると、チームメートと普通にコミュニケーションを取っているんですよ。
もちろんプレーも素晴らしかったんですが、それ以上に、そういう姿が印象に残っていました。ただ野球が上手いだけではなくて、アメリカのカルチャーの中に自然に溶け込んでいる。その姿がすごく輝いて見えたんです。

ヒロ: 野球選手としてだけではなく、生き方そのものに影響を受けたんですね。

加藤:本当にそうです。自分にとっては、「メジャーリーガーになりたい」というより、「イチローさんみたいになりたい」という気持ちの方が強かったかもしれません。異国の環境の中で活躍して、周りからも認められている。その姿を見ていると、自分も頑張ろうという気持ちになれたんです。
今になって振り返ると、プレーだけではなくて、ああいう環境の中で結果を出し続けていたこと自体が、どれだけすごいことだったのかがよく分かります。だから僕にとってイチローさんは、野球選手としての憧れだけではなくて、「アメリカで生きる日本人」としての目標でもあったんです。


ヒロ: 豪将さんにとってのイチローさんの存在をそのように伺うと、後に豪将さん自身がアメリカから日本へ渡り、日本ハムでプレーするという挑戦も、不思議なご縁があったように感じます。
メジャー経験のある日本人選手がNPBのドラフトで指名されるのも珍しいですし、そこを狙う日本ハムと新庄監督も流石だと思いました。
入団会見で、「アメリカ生まれ 、アメリカ育ちのJRの切符も買ったことない外人です(笑)」と仰っていたのが印象的でした。そもそもなぜ、日本でプレーしようと思われたのですか?

加藤:僕は日本人ですけど、日本に住んだのは3年くらいですし、それでもいつかは日本に戻ってプレーしたいと思っていたんです。NPBもずっと見ていましたし、今後のキャリアを考えた時にも、日本に行った方が絶対にいいと思っていました。いろいろな環境で試そう、そう考えて日本に行くことを決めました。

ヒロ: やはり、ドラフト指名には驚きましたか?

加藤:驚きましたね。噂は少し聞いていましたけど、まさか本当にそうなるとは思っていなかったので。ただ、球団の方が試合を見に来てくれているのは知っていました。後から聞くと3年くらい前から見てくれていたみたいです。結局はタイミングだったんだと思います。
ヒロ: 僕は、喜びと共に「本当にトロント来るんだ」との驚きもありました。しかも、野手で大型契約なのも印象的でした。
田丸: 日本で長く活躍して、ようやくメジャーに来られたわけですから、まずは「ブルージェイズに来て良かった」と思ってもらえたら嬉しいですね。
ヒロ: 守備もかなりお上手ですよね。
加藤: そうですね。守備は本当に良いです。もちろん、日本の野球とアメリカのベースボールでは細かい違いもあるので、そのあたりは少しずつ調整しています。でも思った以上にアジャストが早い。やっぱりトップレベルの選手ですね。
ヒロ: メジャーから日本、そして再び日本からメジャーへ。豪将さんのキャリアは常に新しい環境への挑戦の連続だったんですね。

ヒロ:プロアスリートも、いずれ現役を退く瞬間が訪れます。豪将さんは引退後、やはり野球界でのキャリアを想定されていましたか? それとも異業種への転身も視野にあったのでしょうか。

加藤: 自分はやっぱり野球ですね。日本に行った時、文化の違いで苦労しましたし、他の外国人選手たちが苦労する姿もたくさん見てきました。今なら岡本選手もですが、日本からメジャーに来る選手の大変さも間近で見ています。だから今は彼をできるだけサポートしたいですし、将来的には日本とメジャーを繋ぐような仕事もしたいと思っています。そういう選手たちの力になりたいですね。

ヒロ:豪将さんの現役時代のアスリートとしての経験と、今のフロントでの経験。その両方を持った唯一無二の存在は、これからの日本とメジャーにとっても、本当に大きな財産になりそうですね。今後の歩みも、とても楽しみです。
加藤豪将さん
アメリカ・カリフォルニア州生まれ。2013年、ニューヨーク・ヤンキースからドラフト指名を受けプロ入り。2022年にトロント・ブルージェイズでメジャーデビュー、その後、北海道日本ハムファイターズでもプレー。2024年限りで現役を引退し、2025年シーズンからはトロント・ブルージェイズのフロントスタッフとしてチームを支えている。
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。salon bespoke
130 Cumberland St 2F647-346-8468 / salonbespoke.ca
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