【挑戦を恐れず、自分だけの道を歩む】トロント・ブルージェイズ・フロント加藤 豪将さん(後編)|Hiroの部屋

加藤豪将氏との対談もいよいよ最終回。ワールドシリーズの舞台裏やイチロー選手への憧れ、日本ハムでの挑戦を経て見えてきたのは、「人と同じ道では一流になれない」という揺るぎない信念だった。現役を引退し、ブルージェイズのフロントへと新たな一歩を踏み出した今も、挑戦は続いている。海外を目指す若者へのメッセージ、日本とアメリカ、二つの文化の中で培った価値観、そして人生を長い視点で捉える加藤氏ならではの哲学に迫った。
ヒロ: 最後に、これから海外挑戦したい若者たちへのメッセージの意味も含めてお伺いしたいです。豪将さんもヤンキースでプロ生活が始まり、マイナー、MLB、NPB、そして今はブルージェイズのフロントと、さまざまな立場を経験されています。若い頃は「早く結果を」と焦ることもあったと思います。豪将さんは、そのような時期をどう乗り越えられたのでしょうか?
加藤:もちろん、焦りはありました。この前、岡本選手とも話したのですが、野球って本当に面白いスポーツなんです。メンタル一つで、一瞬にして考え方が変わることがある。
野球以外だと、自信というのは少しずつ積み上がっていくものだと思います。でも野球は、ある瞬間をきっかけに一気に変わることがあるんです。僕自身も、その瞬間に成長できた経験があります。
ただ、それ以上に大切にしているのが、「リスクを取ること」です。僕は、人と同じことをしていたら一流にはなれないと思っています。だから、人が取らないようなリスクを自分から選ぶ。その方が前に進めるし、人より成長できると思ってきました。
MLBへの挑戦も、NPBへの挑戦も、そして選手からフロントへの転身も、自分にとっては全部同じです。いつも、人があまり選ばない道を選んできました。

ヒロ: 豪将さんは、日本人でありアメリカ育ち。日本とアメリカ、二つの文化の中で生きてこられました。カナダにも似た環境で育つ日本人の方々がたくさんいます。子どもの頃、ご自分のアイデンティティーで悩まれることはありましたか?

加藤:人それぞれだとは思いますが、僕は日本とアメリカ、それぞれのいいところを取り入れたいとずっと思ってきました。見た目は完全に日本人ですから、日本人として見られます。でも考え方はアメリカ的な部分もあります。
日本でプレーしていた時も、「日本人らしくしなきゃ」と考えるのではなく、自分らしいバランスを大切にしていました。どちらか一方ではなく、両方のいいところを持っていたいんです。

ヒロ: 本当に共感します。実は僕も若い頃から「ミスター・マルチカルチャーになる」と言ってました。日本の持つ繊細さ、北米の圧倒的なプレゼン力や自由な発想、そして中米のラテン系な明るさを、自分好みのバランスで取り入れて成長したかったんです。きっと、人はいつでも自分の意思で変われますよね。
現役を引退してブルージェイズのフロントへ進まれましたが、大きな区切りと、次の挑戦へはとても勇気がいると思います。その決断ができた理由は何でしたか?


加藤:僕は、人生を「一枚の写真(スナップショット)」では考えないんです。
例えばメジャーの選手も、数試合だけ見れば数字が良くない時があるかもしれません。でも162試合という長いシーズンで見れば、全く違う評価になります。
人生も同じなんです。成功や失敗というのは、その瞬間だけを切り取ったスナップショットにすぎません。僕のゴールは、「誰よりも野球を知ること」です。それは6歳の頃から変わっていません。
選手として学べることは学び切ったと思えたので、今度はフロントという立場から野球を学びたいと思いました。だから引退は終わりではなく、次の学びのスタートなんです。これからも、いろいろな立場から野球を学び続けたいと思っています。


ヒロ: 本当にお好きなんですね。今日のお話を伺い、野球に誠実に、純粋に向き合い続けていることがすごく伝わりました。学生時代、マイナー、MLB、NPB、そしてMLBフロントへ。野球人生のチャプターが変わるだけで、ゴールはずっと変わらない。これから海外挑戦する若者たちにとっても、大きな勇気になる話だと思います。

加藤:実は僕、成功している人よりも、リスクを取って挑戦している人を尊敬するんです。ヒロさんも、日本を飛び出して北米へ来て、たくさんのリスクを取ってきましたよね。暖かい環境にいるよりも、自分の限界を知るために挑戦する人を、僕はすごくリスペクトしています。

ヒロ: ありがとうございます。僕も多くの挫折や紆余曲折がありましたが、そのすべての経験のおかげで今の自分があります。だから、こうして豪将さんのように挑戦を続ける方のお話を届けることで、読者の皆さんに少しでも勇気や刺激などを届けられたら嬉しいです。
また近い将来、次の挑戦などの話もお聞かせください。
加藤豪将さん
アメリカ・カリフォルニア州生まれ。2013年、ニューヨーク・ヤンキースからドラフト指名を受けプロ入り。2022年にトロント・ブルージェイズでメジャーデビュー、その後、北海道日本ハムファイターズでもプレー。2024年限りで現役を引退し、2025年シーズンからはトロント・ブルージェイズのフロントスタッフとしてチームを支えている。
Hiroさん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。salon bespoke
130 Cumberland St 2F647-346-8468 / salonbespoke.ca
Instagram: HAYASHI.HIRO
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