H.I.S.オススメ オトナの旅 〜パリ〜
花の都「パリ」PARIS MON AMOUR (PARIS MY LOVE)とも言われるぐらいに誰もが憧れを抱き、思いを馳せる。日本からは12時間半、トロントからは約8時間ほど。フランスは、年間8000万人以上もの観光客が訪れる世界ナンバーワンの観光大国である。そんな世界中の人々の心を掴んで離さないパリ、私もその魅力の虜になっているひとりである。
パリと聞いてイメージするものと言えば、モナリザを擁すルーヴル美術館、エッフェル塔、LOUIS VUITTONなどの高級ブティックが並ぶシャンゼリゼ通りといったところだろう。そんなキラキラ輝く「明」の部分と、北部に位置するバルべス地区のようにここは本当にパリだろうか?と少し恐怖感をも覚える「暗」の部分が共存する。フランスは移民が多い国として知られるように、近隣諸国はもちろん、北アフリカ系、トルコ系、アラブ系、インドや中国などアジアからの移民も多い。パリには20もの区があり、セーヌ河を挟んで、左岸・右岸と大きく2つのエリアに分けられる。左岸は、大学などの教育機関が集まるエリアであり、サンジェルマン・デ・プレ地区には、かつての芸術家たちが訪れていた老舗カフェが存在する。右岸には、モンテーニュ通り、サントノーレ通りなどブティックが集まるショッピングエリアになっている。
前回訪れたのは、夏の終わりから秋に入るぐらいの季節であった。気温は20℃ほどで湿度も高くなく、とても心地良い日であった。まず最初に向かった先は、Chapelle Notre-Dame de la Médaille Miraculeuse(奇跡のメダイユ教会)。この教会の名前が世界に知れ渡るきっかけになったのは、「奇跡のメダイユ」。1830年、シスター・カタリナ・ラブレがマリア様から、“人々のためにメダルを作りなさい”というお告げを受けてメダルを作ったそう。
当時のパリではコレラが流行していたが、人々にメダルを配ったところ、収束したという言い伝えがある。そして、メダルを手にした人に奇跡が起こる、幸福が訪れるということで世界中で有名になったのである。私もメダルを購入しようと思い、中へと入る。そこには、日本人シスターがいらして、あなたが購入されたメダルを、あなたが大切にしたい方々に分けてくださいね。と、声をかけてくださり、最後に「Bon voyage!」と、ほんの少しの素敵な出会いに別れを告げ、教会をあとにした。
その後は、街歩きをしながらカフェに立ち寄り、コーヒーとクロワッサンをオーダー。柔らかくサクサクとした食感に、ほのかに香るバター。一度食べたらやみつきになる。パリにはたくさんのパン屋、ケーキ、チョコレートなどのお店が軒を連ね、甘党の人にとっての宝庫である。ショーケースに並ぶ、手の込んだお菓子ひとつひとつに職人の繊細な技が表れている。食べることはもちろんだが、ぜひ視覚でも楽しんでほしい。
夜は、現地に住む友人とMOULIN ROUGE(ムーランルージュ)のディナーショーへ行く約束をしていた。一旦、帰路につきワンピースを身に纏い、夜の街へ繰り出す。その名の通り、煌びやかな赤い風車が回っていて、入場を今か今かと待ちわびるたくさんの人で埋め尽くされていた。1890年代初頭に幕開けをした世界で一番有名なフレンチカンカン。2001年には、映画も上映されたことで益々人気を博すことになっただろう。ショーは大きな水槽を使い大々的でありながらも、夢の世界へと誘ってくれる。フィナーレは拍手大喝采、スタンディングオベーション、観客たちは完全に舞台に釘付けになった。感動のあまり、言葉を失くしたのを鮮明に覚えている。
芸術、美食、ファッション、歴史的な建造物など、あらゆる面で人々を夢中にさせるパリ。何度訪れてもまたここに戻ってきたいと思う。次の旅行先として検討してみてはいかがだろうか。