世界三大雪祭りが開催される「ケベック・シティ」 | H.I.S.オススメ オトナの旅
いよいよやってきた2月。ここケベック・シティではある祭典が開催される時期だ。その名も〝ウィンターカーニバル(仏語:Carnaval de Québec)〟、冬のケベック・シティの名物として有名だ。このウィンターカーニバルは、なんと世界最大規模の冬祭りであり、『世界三大雪祭り』と言われているほどだ。余談にはなるが、この『世界三大雪祭り』の中には「さっぽろ雪まつり」も含まれている。
このマイナス30度の寒さの中、ウィンターカーニバルを訪れた人々の心を温めてくれるのが、アイドル並みの人気を誇る「ボノム」。日本人の視点からみると、(失礼だが)さほど可愛らしさもなく、ただスノーマン?という感じだ。スノーマンの魅力は日本人では少し理解しがたいが、老若男女問わず、次々にボノムと笑顔で写真を撮っている人たちを見ていると、愛されキャラクターであるのは認めざる得ない。「日本でいう〝ゆるキャラ〟に近いのかもしれない」と自分を納得させながら周りを見渡してみると、どこからこんなに人が来たのか、と思わず口に出てしまうほど、見物客でごった返しているではないか。
極寒の中、これだけの人が会場にいるということは〝他に名物があるのかもしれない〟と考えると自然にテンションが上がってくる。
プログラムに目を通してみると、最大イベントの「カヌーレース」が目に入った。ほう、結氷したセントローレンス川を上るレース、とある。この紹介を見ると普通の氷上のレースと思うが、実際は相手のカヌーを蹴飛ばしたりも認められる格闘的要素が含まれている。各チーム、長さ6メートル近くのカヌーを4人の漕ぎ手と、舵取り1人の計5人で臨む本気のレース。これを見逃す訳にはいかない。ローカルの見物客に挟まれ一緒に応援すると、寒さを忘れるくらい熱気が凄い。遭遇した熱烈ファンにレースの勝敗ポイントを聞いてみると、「いかに選手が水位の変化や風や氷の状態を読むことが出来るか」だそうだ。他にも、犬ぞりレースや水着姿でのバレーボール大会など少しCrazyなイベントも行われており、もはや全部見逃せない(笑)。子供も大人も楽しめる氷の遊園地やお城、氷像なども要チェックだ。
さて寒さも厳しいと、欲しくなるのは温かい飲み物。ここで目にしたのは、伝統のあるケベックの飲み物として有名な「カリブ酒」。お酒の原料は、赤ワインとウィスキー(ブランデーやラム酒の場合もあり)、そしてカナダ特産のメープルシロップ。このお酒の飲み方はやはり、氷のグラスに入れてショットで飲むのが定番だそうだ。氷点下の中でのイベントなので、気分も体もポカポカだ。また雪のテーブルの上に、メープルシロップを垂らし、木の棒にくっつけて水あめのように楽しむ「メープルタフィー」も、カナダらしい冬に花を添える。
スイーツやお酒を楽しみながらも、忘れてはならないもう1つの冬のケベック・シティ名物を紹介しよう。それが「アイスホテル」だ。ここは旧市街から車で約30分ほどの宿泊施設で、客室内にはベッドや暖炉のほか、氷の彫刻も置かれている。気になる室内の気温はマイナス5度前後、寝る際は寒冷地仕様の寝袋をマットレスの上に敷く簡素なもの。館内の唯一の社交場となる「アイスバー」は宿泊客以外も利用可能で、観光客でも賑わっている。またアイスホテルは、チャペルなども兼ね備えているので、結婚式の会場としても人気だ。
最後に先に紹介したウィンターカーニバル、今年2019年は2月8日~17日までの開催となっている。出不精になる冬だが、今年の冬はボノムも待っているケベック・シティへ是非訪れてみてはどうだろうか。
ただし足を運ばれる際は、防寒対策を忘れずに。