Express Entryには要注意|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
2015年1月1日に発足して以来、大勢の方々がExpress Entryを通してカナダのPermanent Residence(PR)を取得しています。毎年私も沢山のお客様とExpress Entryについてコンサルテーションをさせて頂いていますが、基本的な知識、そして何よりもExpress Entryを通してPR申請をするということがどれ程「危険な」方法であるかということを理解せず、「Profileを作成して抽選に通れば移民できる」と安易に考えている方がとても多いと感じています。
今月はExpress Entryについて、私がお客様とのコンサルテーションで感じたことや、実際にサポートさせて頂いて大切であると感じたことなどについてお話致します。
基本的な知識
Express Entryは何を指すか、ご存知でしょうか?個人移民申請を考慮されたことがある方は聞いたことのある言葉ではないかと思います。Express Entryとは、カナダ移民局が2015年1月1日に発足した、オンラインにおける個人移民申請(Skilled Work関連)のシステムを指します。カナダ政府は「短期間の審査期間を経て移民しても、直ちにカナダの経済に貢献できるであろう、特定のスキルを保持しているSkilled Workerを対象にした」システムを作りました。
Express Entryを通して移民申請できるのは、下記3つのカテゴリーとなります。申請希望者は、
1. Federal Skilled Worker Program
2. Federal Skilled Trades Program
3. Canadian Experience Class
Express EntryのProfileをオンラインにて作成します。ProfileはComprehensive Ranking System(CRS)というポイント制で成り立っています。
大まかなカテゴリ-としては、年齢・学歴・英語、フランス語のレベル・職歴(カナダ・国外)が挙げられます。Profileは質問に回答していく形で作成します。作成が無事完了すると、申請者の候補(Pool)に入ります。移民局がランダムで行う選考(対象カテゴリー、最低必要点数)を満たしている者のみに、Invitation to Apply(ITA)という招待状が発行され、発行日から60日以内に移民申請をしなければなりません。申請後の審査期間は8割程度が6ヶ月以内であると言われています。
一方、Profileを作成しても選考条件を満たせず、ITAを受領できない方も沢山います。Profileは1年間有効ですので、その間に言語テストの結果スコアを上げたり、カナダでの就労期間を伸ばしたりするなどしてCRSポイントを上げていき、最終的にITAを受領できるよう、申請者は頑張るのです。
何が要注意なのか
Express Entryは「危険な」申請方法であると先述しました。これには大きく分けて2つの理由があります。
1. Profile作成時の誤り
ProfileはITA受領前、受領後と2回に分けて入力して作成します。知らない方が多いのですが、入力する際に聞かれる質問の中には、移民法を正確に理解していないと安易に間違った回答をしてしまうものが幾つか混在しています。誤った回答を元にProfileを作成し、ITAを受領してPR申請まで進めてしまった場合、その誤った回答で得たCRSポイントは無効となり、審査の際に「本来このポイントはクレームすべきポイントでなかった。すなわちあなたはITA受領資格である選考最低点を下回っていたので、そもそもITAを受領すべき者ではなかった、従って申請は却下とする」となりうるのです。
2. ITA受領後、PR申請時の誤り
オンラインでのPR申請となりますので、書類は全て高画質のスキャンを提出します。その際、書類の含み忘れ、レターにて説明が必要であることを説明なしで提出する、有効期限が失効、取得しなければならない書類の未取得などがある場合、審査官は審査を一旦保留にし、申請者に対して「この書類が未提出なので提出して下さい」という連絡をすることはほぼありません。残念ながら全くの前触れ無しに、突然Refusalと表示されるのです。
つまり上記について正しい知識を持ってExpress Entryに取り組まない場合、高い確率で不成功に終わり、Refusal Letterを受領次第、再度始めからProfileを作成することとなります。
但しその時点で選考条件を満たしてITAを受領できるという保証はないこと、また1回目のPR申請時に使用した書類の一部は既に失効しているので再取得が必要になったりなど、様々なハードルが待ち構えています。
Express Entryを通して移民申請するということは、一部の方が考えている程安易なことではありません。法律をしっかりと理解し、質問に一つも間違いなく回答し、書類も全く不備がないものを1回のチャンスで提出しなければならないのです。
この全てをご自身で全うすることに不安を感じる方は、Professionalに相談されることを強くお勧め致します。その際、必ずご相談される弁護士、政府移民コンサルタントの経歴(年数)を調べ、その方がExpress Entryに精通しているかということも確認することをお勧めします。