2024年~2026年 Immigration Levels Plan|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
2023年11月1日、カナダ移民局(IRCC)は2024年から2026年におけるImmigration Levels Planを発表しました。今月は、この発表内容について分析します。
Immigration Levels Planとは
移民法により、IRCCは毎年移民計画表をカナダの国会と公に発表しなければなりません。この計画表には、翌年から数年間の間に合計何人の移民をカナダは受け入れるのか、そしてその内訳(どの移民のカテゴリーにおいて、何人受け入れる予定であるか)、ということを予め発表し、その人数を満たすようIRCCが義務を果たしていくという意思表示の表れです。
主要カテゴリーにおける移民受け入れ目標人数
カナダで最も一般的な移民のカテゴリーを幾つかピックアップし、今後数年間の推移を表にまとめました。
大臣の意図
IRCCの大臣は、このImmigration Levels Planの内容について「予定通り年間500,000人の移民受け入れを目指していく」としています。その理由として、カナダの人口増加、IT関連ビジネスの更なる発展、特殊技能を持つ者が担うカナダの経済の未来などを挙げています。医療、工業関連の職業においては、近年カナダが如何に移民者に未来を託しているか、ということが個人移民申請(Express Entry)の選考基準を見ると明白に表れています。
家族移民のカテゴリーですが、大臣は「家族と共にカナダに移民することは、お互いに支え合い、安定した暮らしをカナダで営む上で大変重要である」と述べています。特に両親・祖父母のカテゴリーは毎年抽選制であり、とても限られた数のみの受け入れがここ数年続いていますが、「このカテゴリーの移民を受け入れるということは、労働者階級が子供を両親・祖父母に預けて、心配無く就労を継続することができるというメリットが発生する。従って結果的にはカナダにベネフィットをもたらしている」とも述べています。
カナダ国内の世論
現在カナダは深刻な不動産危機に陥っており、その原因の一つとして移民を受け入れすぎていることが挙げられています。カナダの主要銀行、政策に関するエキスパートは口を揃えて「カナダの不動産が不足しているのは、移民の数を増やすスピードに対して、家を建てるスピードが追いついていないからだ」と警笛を鳴らしています。
この意見に対して、移民局の大臣は「カナダの人口において、5人に1人は定年の年齢に達しているため、若くてスキルを持つ移民を積極的に受け入れていかないことには、経済回復に繋がらない」と回答しています。
2015年度の年間移民受け入れ総数は300,000人であったのに対し、先日発表されたImmigration Levels Planでは2025年には500,000人の移民を受け入れることを目標としていると提示したため、「受け入れ数の増加スピードがあまりにも早すぎないか」との声が挙がっています。そしてこの500,000人という数字には「短期滞在者」、つまりVisitor、Study Permit、Work Permitなどでカナダに滞在している600,000人という数字が含まれておらず、これらの短期滞在者数を含めると、カナダは年間1,000,000人以上の人口が増えているという計算になります。
大臣はこの数字に対して、「移民の数が増えたために、不動産危機に陥ったと決めつけるのはいけない。様々なレポートを読んでからコメントして欲しい。特に建設に関わる労働者はカナダで最も不足している職業の一つであり、その労働者不足を移民が賄っているという事実にも目を向けて欲しい」と述べています。
今後
IRCCの大臣は、このImmigration Levels Planの内容を元に、引き続き個人移民申請のプログラム条件の見直しを行っていくと述べています。2023年はカテゴリーベースのExpress Entryの選考が行われるなど、少しずつ変更が導入されてきました。来年度以降も何らかの変更があると見込まれているため、移民申請についてご興味のある方は、こまめに最新情報をチェックすることをお勧めします。