Immigration Levels Plan 2025-2027|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
毎年恒例ですが、今年も11月に2025年から2027年までのImmigration Levels Planがカナダ移民局(IRCC)より発表されました。
Immigration Levels Planとは
IRCCの大臣が毎年11月に発表する、政府の移民計画を指します。この計画は11月を境目として、今後3年間に受け入れ予定の移民者数と、その内訳詳細を示しています。Immigration Levels Planは毎年「経済・人口・人道的義務」を配慮しつつ、カナダ国内の資源や公共サービス等のバランスを図ることを目的としています。この計画を発表することは、カナダにおける移民の人数を把握し、社会の構造や経済の変化を予測することが可能となり、また国としての成長を促すという意義があります。
2025年から2027年の計画内容
一番重要なのは、カナダ政府が大幅に移民者の受け入れ総数を減少すると決定したことです。2024–2026年度のImmigration Levels Plan(昨年11月発表時点)では2026年までに年間500,000人を目指すと発表していたものの、2025–2027年のImmigration Levels Plan(2024年11月発表)では2027年にまでに年間365,000人まで受け入れ数を減少すると示しました。
計画内容を要約しましたのでご参照下さい。
- 移民数の減少: PR取得者の目標数は、2024年の485,000人から2025年には395,000人、2026年には380,000人、2027年には365,000人に減少します。この計画により、今後2年間で人口が0.2%減少すると見込まれており、住宅やインフレーションへの負担を軽減することを目指しています。
- 住宅市場の対策: 移民者数を減少させることにより、2027年までに67万戸の住宅供給のギャップも減少できると政府は予測しています。これにより、国の住宅問題や生活に必要な基本的なコストの問題に対処することを目指しています。
- 既存の一時的就労者を優先: 2025年の新たな永住権取得者の4割以上が、すでにカナダに居住している一時滞在者から選ばれる予定です。その理由は、一時滞在者が人口を含める割合を2027年までに6.2%から5%に削減する目標を立てていることが原因です。
- 高度のスキルを要している移民の受け入れ: 今後3年間の新たなPR取得者の62%以上は、医療や技能分野を含む、高度のスキルを要する職種のカテゴリーから選ばれます。
トルドー首相の発言
カナダのトルドー首相は、COVID-19 Pandemic後に移民のプログラムを管理する、という対応そのものが遅れたことを先日初めて自身が作成したビデオで認めました。ただそれと同時に、企業や教育機関における「悪質な人たち」が高額な授業料を留学生に請求できるが為に、カナダのStudy Permit Programを悪用し続けていたと批判しました。2025–2027年度のImmigration Levels Planは、カナダの人口成長の安定と住宅不足の解消を目指しており、そのために移民受け入れ人数を減少することに決定したと述べています。
興味深い調査結果
先日、CBCニュースにおいてInstitute for Canadian Citizenshipという機関が行った調査において、「トロント・バンクーバー・モントリオールに移民してきた高度なスキルを要する移民者は、高い確率でカナダには定住せず、他の国に引っ越している」ということや、「英語を第一言語とする移民者は、長期滞在後に20%の割合でカナダから他の国に引っ越している」のに比べて、「フランス語を第一言語とする移民者は35%の割合である」との結果が出ているとのことです。また興味深いのは、「Work Permitを保持して就労している一時滞在者は、PR取得後高い確率でカナダに長期定住している」ということです。
そして「なぜこれらの人々はカナダに定住することを諦めて引っ越して行ってしまうのか」という疑問に関しては、20,000人の移民者に行ったアンケートの結果、やはり住宅不足や高騰が主な原因とのことです。また世代が変わり、昔に比べて移民してくる人たちのスキルや学歴がどんどん高くなっていったことから、「カナダにこだわらなくても、他の国に移民すれば良い」という選択肢も出てきたのではないかとのことでした。更に興味深いのは、「今後3年間移民の受け入れ人数を減少していくと政府は述べたが、例えば病院の救急病棟に行く患者の数は減っても、物価高騰が収まらなければ、病院で働くスタッフの数はもっと減るであろう」と予測されていることでした。
最後に
いずれにしても、今後3年間は更に移民プログラムやWork Permit、Study Permitのプログラムが頻繁に変わることが予想されます。常に新しい情報を把握することは難しいと思いますので、資格を持ち、且つ経験豊富なカナダ移民弁護士や、政府公認移民コンサルタントに相談されることを強くお勧め致します。
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