永住権取得後の「その後」|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
先日、「カナダの人口が減少している」というニュースを目にしました。また、高度で専門的な知識と就労経験を持つ人々が、より良い仕事や生活環境を求めて他国へ移るケースを取り上げたドキュメンタリーも見る機会がありました。
そこで気になったのが、「永住権(PR)を取得した人は、その後もカナダに住み続けているのだろうか」という点でした。カナダはこれまで移民を受け入れることで人口や労働力を維持してきた国ですので、実際にPRを取得した後の定着状況についてはあまり語られていないイメージがありました。今回このニュースやドキュメンタリーを見て「カナダでPRを取得した人たちのその後」の状況を知りたいと思い、Statistics Canadaが公表している調査を確認してみました。
Statistics Canadaの調査結果
今回確認したのは、PRステータスを取得して入国した人が、その後もカナダに住み続けたのか、それとも出国したのかを長期間調査した結果でした。これらの調査は単発のアンケートや意識調査ではなく、長期間にわたりPRの定着状況を分析したものであり、移民政策を考える上でも参考となる資料の一つと言えます。
結論からお伝えすると、PR保持者の大半はカナダに定住しています。その一方で、一定数の人はその後の人生の中でカナダを離れ、他国へ移住していました。
Statistics Canadaの調査によると、移民としてカナダへ入国した人のうち、約5%が5年以内、10%超が10年以内、17.5%が20年以内、そして25年以内には20%を超える人が国外へ転出したと推計されています。言い換えると、25年以内に約5人に1人がカナダを離れていることになります。また、カナダを離れるタイミングはPR取得直後ではなく、数年が経過した頃に比較的多く見られたことも報告されています。
どのような人がカナダを離れていくのか
Statistics Canadaの調査では、興味深い傾向も紹介されています。例えば、高い学歴を持つ人ほど国外へ転出する割合が高いこと、また投資家・起業家カテゴリーで移住した人や、留学生としてカナダに滞在した後にPRを取得した人についても、比較的高い確率でカナダを離れる旨報告されています。
高度な教育や専門的な知識と経験を持つ人ほど、海外で働く機会や選択肢が広がりやすいことは一般的に考えられます。そのような事情が影響している可能性はありますが、それを今回の調査結果だけで断定することはできません。
人口減少との関係性
現在報じられている人口減少は、主として一時滞在者数の減少による影響が大きいとされています。特に、留学生や外国人労働者については、近年の移民政策の見直しが大きく影響していると考えられています。従って「人口が減少している」という事実だけをもって、「PR保持者が次々とカナダを離れている」と結論付けることはできません。
近年、カナダで生活する一時滞在者を取り巻く環境は大きく変化していると言えます。住宅価格や家賃は依然として高く、住宅費の負担はトロントやバンクーバーだけでなく、オタワ、モントリオール、ハリファックスなどにも広がっています。また、カナダでの就労経験が少ない留学生や外国人労働者が希望する仕事を見つけることは容易ではありません。生活費が上昇する一方で、安定した収入を得られなければ、カナダでの生活を続けること自体が難しくなります。
近年は留学生の受入れ上限、卒業後就労許可の対象要件、配偶者に対する就労許可など、一時滞在者に関係する制度が相次いで見直されており、カナダ政府も新規受入れを減らす方針を明確にしています。これまでカナダで学び、働き、その後に永住権を目指すことを想定していた人にとっては、将来の見通しを立てにくい状況になったことも事実です。従ってカナダで生活基盤を築き、長期的に暮らし続けることは、以前より難しくなっていると言えます。
PR取得は人生のゴールではない
PRステータスは、カナダで永続的に居住する権利を与えるものです。しかし、その権利を取得したからといって、その後の人生を必ずカナダで過ごさなければならないわけではありません。仕事、家族、教育、生活費、将来設計などを考えた結果、他国へ移る人もいれば、一度カナダを離れた後、PRステータスを維持するために再びカナダで生活する人もいるでしょう。
今回確認した資料から見えてきたのは、PR取得は必ずしも人生の「ゴール」ではなく、その後の人生における「選択肢」の一つであるということです。多くの人がカナダに定着する一方で、自らの価値観やライフステージに合わせて他国での生活を選ぶ人もいます。PR取得後の「その後」は、一人ひとり異なっていて当然なのかもしれません。







