駐在員ビザと専門家選び|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
近年、カナダに拠点を置く日系企業より、「現在依頼しているビザの専門家を変更したい」というご相談を受ける機会が増えてきました。
その理由は様々ですが、代表的なものは「質問の回答を得るまでに時間がかかり過ぎる」「就労ビザ申請の準備が遅い」「費用が不透明」「日本語で社内の状況を相談できる専門家が必要」「長年担当していた専門家が引退する」などでした。
更に詳しく話を伺うと、これまで受けていた法的アドバイスが現在の日系企業のニーズに必ずしも合っていなかったことが判明する事例もありました。カナダ国外出張の予定や、カナダに帯同されるご家族のビザ、Work Permit延長申請などについて、別の方法も検討できたのではないか、という事例もありました。
もちろん、長年お付き合いのある専門家との信頼関係は大切ですが、このようなご相談がここ数年で続いたことから、今回は日系企業が駐在員のビザを任せる専門家を選ぶ際に、確認しておきたい点について考えてみたいと思います。
企業が求める総合的且つ戦略的な判断
駐在員の就労ビザ申請というと、必要書類を集め、申請書を作成してカナダ政府(IRCC)へ提出することが専門家の仕事だと思われるかもしれません。しかし実は、申請準備を始める前の段階である「どのカテゴリー、申請方法で申請するのか」という判断が大変重要となります。
同じ企業からカナダへ出向する場合でも、その方の職歴、役職や職務内容、カナダで担当する業務、出向目的や期間などによって、検討できる就労ビザのカテゴリーは異なります。また、カナダで行われるプロジェクト、日本本社とカナダ法人との関係、給与の支払方法など、本人の履歴書だけでは判断できない情報が必要になることもあります。
そのため、駐在員ご本人やカナダ法人の人事担当者だけではなく、必要に応じて日本本社の人事担当者や上司などからもお話をお伺いして情報を集め、会社側の事情を理解した上で申請方法を検討することが大切です。「前任者も同じ方法だったから」と過去の申請をそのまま踏襲するのではなく、今回出向される方と過去・現在・カナダでの業務内容を改めて確認する必要があります。
最新情報と柔軟な判断力
IRCCのビザ申請条件や申請方法は頻繁に変更されており、またビザ取得後のコンプライアンスまでもが変化しています。そのため、企業案件を扱う専門家には、常に最新情報を把握していることが求められます。
IRCCの法律や最新情報を知っていることと、それを企業のために使いこなせることは同じではありません。 大切なのは、その知識と経験を個々の企業や駐在員の状況に照らし合わせ、適切な方法を提案することと考えます。例えば、就労ビザの有効期限が近づいている駐在員の場合、カナダ国内から延長申請をする方法があります。しかし、頻繁に日本や他国へ出張する方であれば、申請中の海外渡航がその後の就労に与える影響まで考えた上で、申請時期や方法を検討する必要があります。またご家族が帯同されておられる場合、「子供の学校生活への影響も踏まえて、タイミング等のアドバイスをして欲しい」とリクエストを頂くこともあります。
つまり、日系企業や駐在員の状況に応じて、柔軟に選択肢を検討できることが双方の信頼関係を構築するためにとても重要です。
専門家を選ぶ際のポイント
最後に、専門家選びを行う際の重要ポイントについてお話します。ベストはその専門家とミーティングを行い、その方が
□ 企業案件を長年取り扱ってきており、豊富な知識と経験があるか
□ 日系企業の立ち上げに関わるビザ申請も取り扱ったことがあるか
□ 自社と同程度の規模、複雑な企業構造を持つ法人案件を顧客に持つか
□ 日本企業特有の役職や社内の階級、人事制度などを理解し、日本本社とカナダ法人双方から必要な情報を集めることができるか
□ 英語で複雑な法的文書や質の高い申請パッケージを準備することができるか
□ 高度な英語力を有し、複雑な法的文書や質の高い申請パッケージを作成できるか
□ カナダ政府によるEmployer Compliance Inspectionの対応経験があるか
□ 必要に応じてカナダ法人の人事担当者や経営陣とも、英語で直接やり取りができるか
などについて確認されることをお勧めします。
一番大切なことは、「双方が気持ちよく案件を一緒に進めていくことができるか」ということかもしれません。長年依頼されている専門家を変更する必要がある、ということではありませんが、企業を取り巻く状況も、カナダの法律も日々変化しています。就労ビザを申請してくれる人」という視点だけではなく、自社の状況を理解し、最新の知識と経験をもとに、最適な方法を一緒に検討することができる専門家であるか、を確認することも大切なのではないかと感じています。







