ハリーとメーガンがカナダに移民するには|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
私事ですがこのニュースを知った時、二人がどのような方法で合法的にカナダに滞在するのか、ということについてとても興味を持ちました。今月号は二人のケースについて考えてみたいと思います。
滞在することは可能であるか
これは一般的なことですのでご存知の方も多いかと思いますが、ビジターとしてカナダに滞在できるのは通常6ヶ月間です。イギリス国民は日本国民と同じくカナダに渡航する際、ビザを事前に申請することは不要です。従ってeTAを取得することでカナダに渡航することが可能です。もしハリーとメーガンがイギリスとカナダを行ったり来たりするのであれば、カナダの滞在を意図的に6ヶ月以内とし、eTAのみで滞在することも可能ということになります。また万が一6ヶ月を超えてカナダに滞在したい場合、カナダ移民局に延長申請をカナダ国内からすることも可能です。
ただし上記はあくまでも短期滞在者としてのステータスとなります。Work Permitを取得せずしてカナダ国内で就労することが可能な職種もありますが、今後の二人の活動がこれらの職種に該当するかは不明です。二人がカナダでも生計を立てていくとすれば、年単位の滞在も必要になるかもしれませんし、また滞在中にカナダで自由に就労できるということも大事な要素になるかもしれません。従って今後二人が移民申請をする可能性が全く無いとは言えないかと思います。
個人移民申請は可能か
ハリーとメーガンが一般人と同じ方法にてカナダに移民申請をすることは可能かということですが、Express Entry申請で考えた場合の鍵は「ハリーとメーガン、どちらを主申請者(Principal Applicant)に指定するか」ということにあります。ハリーは大学卒ではないのに対し、メーガンはBachelor’s Degreeを保持し、以前トロントにて女優として活動していた職歴があること、また6年間フランス語を勉強していたということなどを踏まえるとメーガンを主申請者とするべきとの意見が弁護士・公認移民コンサルタントの間で挙がっています。
ただし女優としての雇用状態(Payrollに入っていたのか、Self-employedであったのかなど)、このカナダでの就労がポイントに考慮されるかは不明です。またメーガンは38歳であるのに対し、ハリーは35歳ですのでメーガンの方がExpress Entryのポイントは15点低くなります。
Express Entryで470点程度の点数が得られない場合には、一般的に裕福な方々が好まれる、Business Immigration(起業など)のオプションもあると言えます。ハリーとメーガンはチャリティーワークなどの活動を行っていくと公に発表しているため、起業はオプションの一つと考えているかもしれません。
カナダは二人の移民申請に対してどのような対応をするのか
カナダという国がこの二人をどのように待遇するのかは今後徐々に分かっていくことかと思います。トルドー首相が「二人の警備費用の負担等、まだ交渉は全く始まっていない」と述べるなど、カナダ市民にとって今回の二人の決定が税金増加の原因になることは避けて欲しい、との意見が飛び交っています。
上記と同様、ハリーとメーガンがカナダにて移民申請をするとなった場合、カナダ政府が果たして二人に対して一般的な移民申請のステップを踏まずに特例として二人の移民を「優遇する」のかしないのかということも現時点では不明です。最終決定事項の内容によっては、カナダ・イギリス間の政治にも影響を及ぼすのではないかと言われています。特に移民申請はとてもセンシティブなトピックなため、(二人が優遇されることがあれば)不公平であるとの世論が高まる可能性もあるため、今後本件に関する首相の手腕が問われるのではないかと思います。
川喜多 綾
カナダ政府公認移民コンサルタント
Aya K. Immigration Services Inc.代表
移民法以外にも様々な法律を学んだ後、有名移民弁護士事務所にて実務を学ぶ。移民コンサルタントとしての国家資格取得後、2009年に起 業。お客様とご相談しながら、ビザや移民取得に向けたプランを提案。個人のみならず、大手日系法人のクライアントも多い。
Website: www.ayak.ca
Email: aya@ayak.ca
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