コロナ禍における移民・ビザに関する情報|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
2020年3月中旬から外出自粛が始まり、早2ヶ月半が過ぎました。この間、カナダ移民・ビザに関する情報も重要なアップデートが幾つかありましたので、今月号ではカテゴリーに分けてご案内します。
アメリカ・カナダ間の国境封鎖
先日、カナダ首相が6月21日までアメリカとの国境封鎖を延長することを発表しました。この間、引き続き医療関係やビジネスなどのEssential Travelを除き、Non-essential Travelは禁止となります。つまりこの間は国境にてビザ申請などを行うことも引き続きできませんのでご注意下さい。
Post-graduation Work Permit申請条件の変更
オンラインで履修した授業はPGWP申請の条件に該当しないと法律上定められています。しかしながらCOVID-19の影響により、各学校はオンライン授業に切り替えることを余儀なくされました。
また大多数の留学生が今年9月までにStudy Permitを取得し、カナダに渡航して就学することが難しいということをカナダ移民局が考慮し、2020年12月31日までにオンラインで履修した授業もPGWP申請の際の条件を満たすことにする、と発表しています。但し、学校は移民局が定めるDesignated Learning Institutionであり、更にPGWP対象校でなければなりませんのでご注意下さい。
カナダの留学生が激減するのではないかと言われていましたが、移民局がこの変更を発表したことで(留学生の6割が検討すると言われる)個人移民申請も含めて再検討をする人が続出していると言われています。
Study PermitやPGWP申請時の不足書類
留学生がビザ(Study Permit、Co-op Work Permit、PGWPなど)の申請を行う際、Biometricsの摂取や健康診断の受診、証明写真の取得など、COVID-19の影響により対応が難しい書類があるかと思います。カナダ政府は「Pandemicが原因で提出書類が不足している場合、ビザの発行を拒否することは無い」と断言しています。対策としては各書類が提出できる状況になるまでケースをオープンのままにするとしています。
有効なビザ保持者+医療関係者
留学生はセメスター中、通常週20時間までしか就労することが許されていません。カナダ移民局は「有効な就労可能なビザを保持しており、Essential Serviceにて就労している者」に対してはこの20時間という縛りを2020年8月31日まで無効にするとしています。Essential Serviceは医療関係、医療関係の個人防護具などを扱う仕事としています。
Statistics Canadaによれば、2017年から2018年の間で医療関係のプログラムを履修している留学生は約11,000人であり、全体の4%に該当すると報告されています。
有効な雇用主指定のWork Permit保持者
雇用主指定のWork Permitを保持している場合で雇用主が変更となる場合、新たにWork Permitを申請して承認を得てから新しい雇用主の元で就労するという規則があります。COVID-19の影響により、Work Permitの審査期間にも遅延が見られるため、次の条件を満たしている者は新たなWork Permitを受領する前から次の雇用主の元で就労し始めても良し、という規則になりました。
- □ カナダで有効なステータスを保持している
- □ 雇用主限定のWork Permit、或いはWork Permit免除カテゴリーの職種で就労している
- □ 新たなWork Permitの申請を有効なJob Offer(LMIA或いはLMIA免除の場合にはEmployer Compliance Fee)と共に既に行っている
上記の条件を満たしている場合は移民局に連絡すれば、10日間以内に「新しい雇用主の元で就労を開始しても良し」という通達を受領するとのことです。従って実際に次のWork Permitが発行される前に就労を開始することが可能となります。
Express Entryにおける基準点が減点中
4月9日の時点では基準点が464でしたが、COVID-19の影響が明白に表れてきた後、4月16日の選考では基準点が455点に減点となりました。そしてその後も減点を続けています。5月1日は452点、5月15日は447点でした。この447点という数字は、2019年1月以来初の最低点です。
移民申請を考慮されている方々にとって、このニュースはとても朗報なのではないかと思います。COVID-19の影響により基準点が下がったのかということに関しては不明であり、また今後も引き続き基準点が減点傾向にあるかということも残念ながら断言することはできません。但し今まで「470点台は無理」と感じていた方でも、点数によってはProfileを登録する価値が大いにあると言えます。
現状を考慮された上で、カナダでの就学や移民は無理と結論付けることはお勧め致しません。移民局がこの状況下でも申請を受け入れている以上、夢は諦めずに持ち続けることをお勧め致します。
川喜多 綾
カナダ政府公認移民コンサルタント Aya K. Immigration Services Inc.代表
移民法以外にも様々な法律を学んだ後、有名移民弁護士事務所にて実務を学ぶ。移民コンサルタントとしての国家資格取得後、2009年に起 業。お客様とご相談しながら、ビザや移民取得に向けたプランを提案。個人のみならず、大手日系法人のクライアントも多い。
Website: www.ayak.ca
Email: aya@ayak.ca
Phone: 416-890-4303